ゴールデンステート・ウォリアーズのスーパースター、ステフィン・カリーが衝撃的な発言をしました。年俸6260万ドル(約94億円)という巨額の契約を結んでいるにもかかわらず、「NBA選手は給料が安すぎる」と主張。その理由は、選手たちがチームの株式を持てないという現行の労使協定(CBA)にあるといいます。
Complexの「360 With Speedy」に出演したカリーは、驚くべき数字を明かしました。2009年のドラフト時、ウォリアーズの資産価値は3億1500万ドル(約473億円)でした。それが2025年5月現在では94億ドル(約1兆4100億円)に。なんと約3000%の増加です。ウォリアーズは現在、NBA全チームで最も高い資産価値を誇っています。
「はい、私たちは給料が安すぎると思います。なぜなら、その(株式価値の)上昇に参加できないからです」とカリーは語りました。「これはオーナーシップとのパートナーシップであり、リーグとのパートナーシップです。しかし、リーグの給料は選手がチームの評価額に与える影響を反映していません」
巨額契約でも「正当な対価ではない」理由
カリーは2024年に1年6260万ドル(約94億円)の延長契約を結び、2027年までウォリアーズでプレーすることが決まっています。しかし多くの人は、フランチャイズがカリーに提供できるどんな金額も、彼の真の価値を表していないと感じています。実際、ウォリアーズの資産価値を3000%も上昇させた最大の功労者は、間違いなくカリーなのです。
「私たちがバスケットボールで生計を立てられる立場にいることは恵まれていると分かっています」とカリーは自身の立場についても冷静に語りました。しかし、それでも現在の仕組みは公平ではないと主張します。
この問題は、NBA史上最高額の契約を結んだオクラホマシティ・サンダーのシャイ・ギルジャス=アレクサンダー(平均年俸7125万ドル=約107億円)にも当てはまります。サンダーの資産価値は2023年から2024年で20%増加し、今年の優勝後さらに跳ね上がる見込みです。しかし、その恩恵を受けるのはオーナーだけです。
セルティックス売却が示す「選手が参加できない巨大ビジネス」
カリーの主張を裏付ける最も良い例が、今年3月のボストン・セルティックスの売却です。売却額は61億ドル(約9150億円)で、北米スポーツフランチャイズ史上最高額でした。
重要なのは、買収者のビル・チザムですら単独では買収できず、ロブ・ヘイル、ブルース・ビールJr.、プライベートエクイティファームのSixth Streetなどの協力が必要だったことです。チーム所有がすでに複数投資家による運営となっている現実は、選手の株式参加も理論的には可能であることを示唆しています。
カリーは、選手の株式参加が簡単な概念ではないことも認めています。「競争上の優位性の考慮事項があり、すべての市場に公平なチャンスを与えたい、それはすべて理解しています」。しかし、解決策を見つけることは「選手、チーム、リーグにとって相互に有益な提案」だと信じています。
次回のCBA交渉は2020年代末に予定されています。それまでに、リーグは選手の株式参加について合意に達する可能性があります。もしそうでなければ、リーグ最高の選手たちは引き続き「途方もない金額を稼ぎながら、それでも十分ではない」という矛盾した状況に置かれることになるでしょう。
ウォリアーズを3億ドルから94億ドルの価値に押し上げた男の言葉は、重みを持って響きます。現在のNBA選手は確かに「バカげた金額」を稼いでいます。しかし、彼らがフランチャイズの価値向上に与える影響を考えると、それでも「十分ではない」というのがカリーの主張なのです。
引用:YARDBARKER

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