移籍後最悪の低迷期を経て、オールスター明けに覚醒した元フェニックスの象徴
アトランタ・ドリームのブリトニー・グライナーが、ついに本来の姿を取り戻しました。日曜日のミネソタ・リンクス戦で、グライナーは前半だけで17得点を叩き出し、最終的にシーズンハイの22得点を記録。ドリームがリンクスの今季ホーム無敗記録を90-86で止める原動力となりました。
34歳のベテランセンターは、フェニックス・マーキュリーで11シーズンを過ごした後、今季フリーエージェントでドリームに移籍。しかし、新天地での適応は想像以上に困難でした。開幕戦こそ18得点、21得点と好調なスタートを切ったものの、その後は一桁得点の夜が頻発。オールスター前の成績は、平均10.3得点、5.8リバウンド、1.3ブロック、フリースロー試行数2.6本と、すべてキャリア最低の数字でした。
6フィート9インチ(約206cm)の長身を誇るグライナーですが、新システムへの適応に苦しみ、動きは重く、ぎこちなさが目立っていました。カール・スメスコ監督が求める外周でのプレーや3ポイントシュートへの挑戦も、彼女にとっては未知の領域でした。
フェニックス凱旋試合で覚醒、古巣ファンの温かい歓迎が転機に
転機となったのは、オールスター明け2戦目となった古巣フェニックスでの試合でした。マーキュリーは背番号42番を付けたグライナーを、フランチャイズのレジェンドにふさわしい盛大なセレモニーで迎えました。X-ファクター(マーキュリーのファングループ)も温かい声援を送り、グライナーは感動的な凱旋を果たしました。
この試合でグライナーは17得点、8リバウンドを記録し、12本中8本のシュートを成功させる高確率を記録。ドリームは90-79で勝利を収めました。古巣ファンからの愛情が、彼女の中に眠っていた自信を呼び覚ましたかのようでした。
そして続くリンクス戦では、さらに進化した姿を見せました。30分間の出場でチーム最高の+13を記録し、22得点に加えてシーズンタイの3アシストも記録。ダブルチームからのパスアウトで味方の3ポイントシュートをアシストする場面が3度もあり、得点力だけでなくパッシング能力も発揮しました。
レイン・ハワード負傷の穴を埋める救世主、ドリームの優勝争いに光明
グライナーの復活は、ドリームにとって絶妙なタイミングでした。7月11日に膝を負傷したレイン・ハワードの欠場が続く中、チームは得点源を必要としていました。グライナーの活躍もあり、ハワード不在の5試合のロード遠征を3勝2敗で乗り切ることができました。
オールスター後の3試合で、グライナーは平均16得点、フィールドゴール成功率60%、平均出場時間約27分という数字を残しています。これこそがアトランタがシーズン前に期待していた姿です。
今後は、比較的小さいラインナップを使うゴールデンステート・バルキリーズとダラス・ウィングスとのホーム2連戦が控えています。身長で優位に立てる相手だけに、グライナーがさらなる活躍を見せる絶好の機会となるでしょう。
34歳という年齢、新システムへの適応、そして低迷期を乗り越えて見せた復活劇。ブリトニー・グライナーは、真のスーパースターは逆境を乗り越える力を持っていることを証明しました。「BGはアトランタで新たな家を見つけた」というドリームの公式アカウントのツイートが、今では現実のものとなっています。
引用:SWISHAPPREL

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