インディアナ・フィーバーの2025年シーズンは、まさに試練の連続となっています。開幕前にはタイトル争いのトップ3と目されていたチームが、今や主力選手の相次ぐ負傷により、プレーオフ進出すら危ぶまれる状況に陥っています。最大のスターであるケイトリン・クラークは7月15日の鼠径部負傷以来、すでに15試合連続欠場中。さらに追い打ちをかけるように、チームは次々と選手を失い続けています。
深刻化する負傷者リストと緊急補強
フィーバーが直面している最大の問題は、尋常ではない負傷者の多さです。クラークは今季すでに4つの異なる筋肉系の負傷に見舞われ、計25試合を欠場。大学時代と昨季の新人王獲得シーズンでは1試合も欠場しなかった選手が、突如として故障に悩まされる展開となっています。
さらに深刻なのは、8月に入ってからの負傷ラッシュです。フェニックス戦でアーリ・マクドナルドとシドニー・コルソンが同じ試合でシーズンエンディングの負傷を負い、ポイントガードの層が完全に枯渇。その10日後にはベテランのソフィー・カニングハムも膝を負傷し、シーズン絶望となりました。
「ひどいカードを配られたが、それでもプレーしなければならない」とステファニー・ホワイトヘッドコーチは苦境を表現しています。
チームはフランチャイズ史上最多となる17人もの選手を今季登録。元オールスターのオデッセイ・シムズを獲得し、さらにシェイ・ペディとエアリアル・パワーズも緊急補強しました。ペディは加入後すぐに活躍し、2試合で好調な3ポイントシュートを見せていますが、シムズも鼠径部を負傷して離脱するという悪循環に陥っています。
クラークの復帰時期:楽観論から慎重論へ
当初8月12日頃と予想されていたクラークの復帰は、8月7日に新たに判明した左足首の骨挫傷により、さらに遅れています。ホワイトコーチは8月21日のインタビューで「彼女が100%の状態で戻ることを確実にしたい。確かに回復の進展は少し遅くなった」と認めました。
8月24日、クラークはミネソタ戦前のシュートアラウンドに参加し、ウォームアップと非接触のドリルを行いました。これは負傷以来初めてチームと共に活動する姿でしたが、正式な練習復帰には至っていません。ESPNは現在、8月26日のシアトル戦を復帰予定日として掲載していますが、確定的な情報はありません。
「ケイトリンはリハビリをする人ではなく、バスケットボール選手として再びコートに立ちたがっている」とホワイトコーチは語っていますが、チームは長期的な健康を最優先に慎重な姿勢を崩していません。
クラーク不在でも健闘する理由
驚くべきことに、フィーバーはクラークが欠場した19試合で10勝9敗という勝ち越しの成績を残しています。その要因はいくつかあります。
守備の劇的改善が最大の要因です。昨季リーグ11位だったディフェンシブレーティングが、今季は大幅に向上。特にクラーク不在時は、より守備に集中できる選手配置が可能になっています。
日程の幸運も味方しました。クラーク欠場試合での対戦相手の平均ネットレーティングは-1.8と、リーグで2番目に易しいスケジュールでした。ただし、最近は対戦相手のレベルが上がり、それでも6勝4敗と健闘しています。
残された主力の奮起も見逃せません。アリーヤ・ボストンとケルシー・ミッチェルはオールスター級のパフォーマンスを維持し、ナターシャ・ハワードは守備で大きな貢献を果たしています。レクシー・ハルはスターターとして3ポイント成功率約50%という驚異的な数字を残しています。
プレーオフへの道筋と残された課題
現在19勝18敗で8位のフィーバーが確実にプレーオフに進出するには、残り試合で少なくとも3勝が必要です。最も現実的なのは、シカゴ、ワシントン、そしておそらく1位が確定して主力を休ませるであろうレギュラーシーズン最終戦のミネソタ戦での勝利です。
しかし、重要なのは直接のライバルとの対戦です。シアトル、ゴールデンステート、ロサンゼルスとの試合が鍵を握ります。フィーバーはストームには2戦全勝していますが、ヴァルキリーズとスパークスには未勝利という不安材料もあります。
攻撃面での課題も明白です。クラークとカニングハムという優れたトランジションプレーヤーを失い、速攻での得点が激減。8月23日のミネソタ戦では90得点を挙げながら、速攻での得点はわずか4点でした。ボストンをトップオブザキーでオフェンスを組み立てさせるという苦肉の策で対応していますが、限界があります。
変わる目標設定と長期的視点
「みんなまだ一緒に戦い、プレーオフのチャンスがあることを知っている。誰も諦めていない」とペディは語ります。しかし、現実的にはクラークなしでのプレーオフは短命に終わる可能性が高く、むしろ若いコアに加える新たな才能を獲得するために、もう1年ロッタリーピックを得ることが長期的には有益かもしれません。
開幕前の優勝争いという目標から、プレーオフ進出という現実的な目標への転換。それは大きな後退ですが、今季のフィーバーにとっては、あらゆる意味で「調整の年」となったことは間違いありません。
クラークが完全に健康な状態で復帰し、来季以降の飛躍につなげることこそが、今最も重要な課題なのかもしれません。
引用:nytimes

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