過去5年で最も熾烈な順位争いが展開中
2025年のWNBAレギュラーシーズンも残り2週間となり、プレーオフ進出争いは歴史的な大混戦を呈しています。現在、第2シードから第5シードまでがわずか1.5ゲーム差、第2シードから第9シードまでが6ゲーム差という異例の接戦となっています。
この6ゲーム差という数字がいかに異常かは、過去のデータが物語っています。昨年は第9位のチームが第2シードから15ゲーム離されていました。3年前に至っては24ゲーム差という大差でした。2021年の12ゲーム差が最も近い数字でしたが、今年はその半分です。これは過去5年間で最も接戦のシーズンとなることが確実です。
さらに驚くべきことに、現時点でプレーオフ進出圏内の8チーム全てが勝率5割を超えています。2024年は5チームのみ、リーグがカンファレンス制を廃止して以降の最多記録は2018年と2019年の7チームでした。今季の競争レベルの高さが如実に表れています。
すでにプレーオフから脱落した3チーム(シカゴ、コネチカット、ダラス)も、上位チームの足を引っ張る「スポイラー」として存在感を発揮しています。先週、コネチカットはワシントンに連勝し、ミスティクスをプレーオフ争いの瀬戸際まで追い込みました。シカゴは91-85でニューヨークを破り、前年度チャンピオンを第5シードまで転落させる大番狂わせを演じました。
各チームの現状と残り日程の明暗
確定組:ミネソタ・リンクス(30勝7敗)は独走状態です。2週間前にプレーオフ進出を決め、MVPコンテンダーのナフィーサ・コリアーも復帰。第1シード確定まであと2勝となり、木曜日のシアトル戦で決める可能性が高いです。過去9シーズンで第1シードからの優勝は6回という実績も心強い材料です。
ホームコート争い組では、アトランタ・ドリーム(24勝13敗)が有利な立場にあります。残り7試合中、勝率5割超のチームとの対戦は1試合のみという最も楽な日程です。ただし、月間スティール数リーグトップ(1試合平均10本)のコネチカット・サンとの対戦や、5月以来対戦していないロサンゼルス・スパークスとの試合など、油断できない相手も控えています。
ラスベガス・エーシズ(25勝14敗)は今季最高の逆転ストーリーを演じています。オールスター明けから15勝3敗、現在11連勝中という驚異的な成績です。今週のアトランタ戦で勝利すれば、第2シード獲得も現実味を帯びてきます。月曜日のシカゴ戦では79-74と辛勝しましたが、元アシスタントコーチのタイラー・マーシュ率いるスカイとの4連戦は一筋縄ではいかないでしょう。
フェニックス・マーキュリー(22勝14敗)は第2シードから1.5ゲーム差。残り日程は比較的楽で、土曜日のニューヨーク戦が鍵となります。タイブレーカーでアトランタ(0勝3敗)とラスベガス(1勝3敗)に不利な状況のため、直接対決での勝利が必須です。
ニューヨーク・リバティ(23勝15敗)は早急な巻き返しが必要です。ブリアナ・スチュワートの復帰は朗報ですが、彼女不在中にディフェンシブレーティングが10ポイントも悪化しました。ドリーム、マーキュリー、エーシズが楽な日程を控える中、リバティがアウェーでプレーオフを開始する可能性も十分あります。
プレーオフ最後の椅子を巡る死闘
第6位から第9位までがわずか1.5ゲーム差という、もう一つの激戦区が形成されています。
シアトル・ストーム(20勝18敗)は第6位ながら不安定さが目立ちます。ゴールデンステート・バルキリーズ(19勝18敗)は最も厳しい残り日程(対戦相手勝率.557)に直面していますが、リーグ最高の観客動員を誇るホームで4試合を戦えるのは大きなアドバンテージです。
インディアナ・フィーバー(19勝18敗)は負傷者続出で今季フランチャイズ記録の17人を起用。4人目のポイントガードでシーズンを戦っています。ケイトリン・クラークの復帰が待たれますが、ロサンゼルス(0勝3敗)、ゴールデンステート(0勝2敗)、ミネソタ(0勝2敗)に未勝利という不安材料もあります。
大逆転を狙うロサンゼルス・スパークス(17勝18敗)は最も多い残り9試合を残しており、チャンスは十分です。健康な状態で臨める点も有利ですが、ケルシー・プラムが求める「より良いディフェンス」を実現できなければ、プレーオフは夢に終わるでしょう。
ワシントン・ミスティクス(16勝22敗)は3.5ゲーム差と厳しい状況です。8月の2度の4連敗が致命的で、特に先週の宝くじチームであるコネチカットへの連敗は痛恨でした。残り日程も厳しく、リバティとの2試合が山場となります。
今週の注目試合は、水曜日のラスベガス対アトランタ戦(日本時間木曜日午前8時30分)です。両チームとも楽な日程を控えていますが、第2シード獲得には直接対決での勝利が不可欠。ドリームは今季エーシズ以外の全チームに勝利していますが、エーシズとの2戦では平均83.2得点を10点以上下回る苦戦を強いられています。
残り2週間、毎試合がプレーオフのような緊張感で展開される2025年シーズン。歴史に残る接戦の結末に注目が集まります。
引用: sports.yahoo

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