ダラス・ウィングスのペイジ・ベッカーズが、2025年のKia WNBA新人王を獲得しました。72名の投票者のうち70票という圧倒的な支持を得ての受賞は、彼女がいかに特別なシーズンを送ったかを物語っています。コネチカット大学で全米チャンピオンに輝いた逸材が、プロの舞台でも即座にその才能を開花させた形です。
歴史を塗り替えた驚異的なスタッツライン
ベッカーズの2025年シーズンは、数字を見るだけでも驚嘆に値します。36試合全てにスターターとして出場し、平均19.2得点、5.4アシスト、3.9リバウンド、1.6スティールを記録。フィールドゴール成功率47.4%、フリースロー成功率88.8%という効率性も兼ね備えていました。
特に印象的だったのは、8月20日のロサンゼルス・スパークス戦での44得点です。21本中17本のシュートを沈め、成功率81%という信じがたい数字を叩き出しました。これはWNBAルーキーの単独試合得点記録であり、40得点以上かつフィールドゴール成功率80%以上という組み合わせは、WNBA史上初の快挙となりました。
シーズントータルでは692得点を挙げ、ルーキー歴代3位の記録を樹立。さらに194アシストもルーキー歴代3位タイという数字で、得点とプレイメイキングの両面で圧倒的な存在感を示しました。全WNBA選手の中でも、得点で5位、スティールで6位、アシストで9位にランクインし、ルーキーの枠を超えたインパクトを残しています。
過去の偉大なルーキーたちとの比較
ベッカーズの成績を過去の新人王受賞者と比較すると、その特異性がより際立ちます。平均15得点5アシスト以上でフィールドゴール成功率45%以上を記録したルーキーは、WNBA史上ベッカーズが初めてです。この数字は、得点力、パスセンス、効率性の全てを高次元で兼ね備えていることを示しています。
2024年に新人王を獲得したケイトリン・クラークと並んで、500得点、150アシスト、100リバウンド、50スティールを達成した史上2人目のルーキーとなりました。クラークが18試合で記録した20得点5アシスト以上の試合数に対し、ベッカーズは10試合でこの数字を達成。両者ともに歴史的なルーキーシーズンを送りましたが、ベッカーズはより高い得点効率で成し遂げた点が特筆されます。
また、デビューから30試合連続で2桁得点を記録したのは、WNBA史上4番目の長さです。35得点以上を複数回記録したルーキーとしては、2019年の同じウィングスのアリケ・オグンボワレに次ぐ2人目となり、チームの歴史にも新たな1ページを刻みました。
ウィングスの未来を担うフランチャイズプレイヤーの誕生
ベッカーズの受賞は、ダラス・ウィングスにとって2017年のアリーシャ・グレイ以来、8年ぶりの新人王誕生となりました。全体1位指名の期待に完璧に応えた形で、チームの新たな顔として君臨することになりそうです。
今シーズンのウィングスは、ベッカーズとオグンボワレの強力なバックコートを中心に躍進を遂げました。ベッカーズは得点、アシスト、スティールの3部門でトップ10入りを果たした唯一の選手として、オールラウンドな活躍でチームを牽引。2025年のオールスターゲームにもスターターとして選出され、6月から8月まで3ヶ月連続で月間最優秀新人賞を受賞するなど、シーズンを通じて安定したパフォーマンスを維持しました。
500得点と100アシストに最速で到達したという記録も、彼女の即戦力としての価値を証明しています。コネチカット大学で4年連続ファイナルフォー進出、2024-25シーズンの全米優勝という実績を引っ提げてきたベッカーズは、大学時代の成功をプロでも継続させることに成功しました。
今後のWNBAは、ベッカーズ、クラーク、そしてラスベガス・エーシズのエイジャ・ウィルソンらを中心とした新時代に突入していくことでしょう。特にベッカーズの多彩なプレイスタイルは、現代バスケットボールのトレンドを体現しており、ウィングスの戦術の幅を大きく広げる存在となっています。
5,150ドルの賞金と記念トロフィーを手にしたベッカーズですが、彼女にとってはこれがキャリアの始まりに過ぎません。来シーズン以降、MVP争いに加わることは確実で、ウィングスのチャンピオンシップ獲得への期待も一気に高まっています。
引用: wnba.com

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