プレーオフセミファイナル第5戦で、ラスベガス・エーシズがインディアナ・フィーバーを延長戦の末107-98で下し、4年間で3度目のWNBAファイナル進出を決めました。エイジャ・ウィルソンが35得点、ジャッキー・ヤングが32得点を挙げ、WNBA史上初めて1試合で2人の選手がそれぞれ30得点以上を記録する歴史的な試合となりました。
試合展開
第1クォーターから両チームは激しい戦いを展開しました。エーシズはウィルソンとヤングを中心に攻撃を組み立て、フィーバーはオデッセイ・シムスとアライア・ボストンが応戦する形で試合が進みました。
前半は接戦が続き、エーシズがわずか2点リードでハーフタイムを迎えます。フィーバーは第1ハーフだけで9つのターンオーバーを犯しながらも、粘り強くエーシズに食い下がりました。
第3クォーターでエーシズが一時7点リードを奪う場面がありましたが、この時間帯にフィーバーのケルシー・ミッチェルが脚部の負傷で退場を余儀なくされます。ミッチェルは3ポイントシュートを決めた後、バスケット下で突然倒れ込み、長時間コートに横たわる事態となりました。後に痙攣であることが明らかになり、病院で点滴を受けることになります。
それでもフィーバーは諦めませんでした。第4クォーター残り22.5秒でシムスが同点ゴールを決め、試合は84-84の同点で延長戦へともつれ込みます。ヤングが残り時間で決勝ゴールを狙いましたが、レイアップをミスし、ジュエル・ロイドのティップインも惜しくも外れました。
延長戦では、負傷から復帰したチェルシー・グレイが3本3本のシュートを決め9得点を挙げる活躍を見せます。ボストンがファウルアウトで退場した後、エーシズのベンチメンバーが重要な役割を果たし、最終的に9点差で勝利を収めました。
注目選手・スタッツ
ラスベガス・エーシズ
- エイジャ・ウィルソン:35得点、8リバウンド、5アシスト、4スティール、4ブロック(FG 13/27)
- ジャッキー・ヤング:32得点、4リバウンド、10アシスト(FG 10/20、3P 4/11)
- チェルシー・グレイ:17得点、6アシスト(延長戦で9得点)
- ジュエル・ロイド:5得点(延長戦で活躍)
- ナリッサ・スミス:8得点、6リバウンド
インディアナ・フィーバー
- オデッセイ・シムス:27得点、6アシスト(FG 7/14、FT 12/13)
- アライア・ボストン:11得点、16リバウンド(ファウルアウト)
- レクシー・ハル:15得点、2リバウンド
- ケルシー・ミッチェル:12得点(第3クォーターで負傷退場)
- ダイアモンド・ドシールド:16得点
チーム成績では、エーシズがFG 47.5%、3P 42.3%、FT 90.9%を記録し、フィーバーはFG 47.9%、3P 41.2%、FT 87.5%でした。リバウンドではフィーバーが40-21で大きく上回りましたが、ターンオーバーの差(フィーバー19、エーシズ7)が勝敗を分けました。
試合後のコメント
試合後、ウィルソンはまずフィーバーの負傷選手を気遣いました。「まずケルシー・ミッチェルへの祈りを捧げたい。彼女は私のドラフト同期で、あのように倒れるのを見るのは辛かった。彼女は素晴らしいシーズンを送ったし、フィーバーが彼女をしっかりケアしてくれることを願っている」
ベッキー・ハモンHCは、チームが困難な道のりを歩んできたことを振り返りました。「このチーム、シーズン序盤は本当に多くの逆境を経験した。なぜ遠回りをしなければならなかったのか分からないけれど、何らかの理由でこのような形になった。でも私たちは一緒にそれを乗り越える方法を見つけた」とラスカル・フラッツの歌「Bless the Broken Road」を引用しながら語りました。
ロイドは「この時期、スター選手がスターらしいプレーをしなければならない。そして彼女たちはそうだった」とウィルソンとヤングの活躍を称えました。
ウィルソン自身は「私たちの頭の中でスイッチが入った瞬間があった。今がその時だと。これが私たちが一生懸命取り組んできたことだ。このチームが腹を決めた瞬間が見えた」と勝利を振り返りました。
エーシズは10月3日(金曜日)、フェニックス・マーキュリーとのファイナル第1戦をホームで迎えます。WNBA史上初の7戦制ファイナルで、3年ぶりの王座奪還を目指します。

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