ラスベガスの象徴的なストリップ大通りに、5台の二階建てバスが登場しました。最後尾のバスからは、紙吹雪とストリーマーが舞い、数千人のファンが歓声を上げる中、ラスベガス・エーシズの選手たちが4年間で3度目のWNBAチャンピオンシップを祝いました。この日は、WNBAとNBAの理事会がサンアントニオからラスベガスへのチーム移転を承認してから、ちょうど8年目の記念日でもありました。
王朝を築いたチームの真の価値
エーシズがフェニックス・マーキュリーをスイープしてファイナルを制したのは記憶に新しいですが、今回のパレードは単なる勝利の祝賀以上の意味を持っていました。2022年と2023年の優勝パレードをテレビで見ていたレティとディオンのポブレテ夫妻は、3度目となる今回のパレードに実際に参加し、「選手たちを間近で見られて、エーシズの2025年優勝記念タオルまでキャッチできた」と興奮を隠しませんでした。
オーナーのマーク・デイビスは、白いサテンのチームジャケットに身を包み、トシバプラザのステージで「ラスベガス、私たちはワールドチャンピオンです!」と叫びました。会場には子供から高齢者、政治家まで、2022年以降4度目のプロスポーツチャンピオンシップ(エーシズ3回、NHLゴールデンナイツ1回)を祝うファンで埋め尽くされました。
シーズン序盤の苦境を乗り越えた強靭な精神力
今シーズンのエーシズは、決して順風満帆なスタートを切ったわけではありません。シーズン序盤は14勝14敗と五分の成績に苦しみました。過去の優勝メンバーの多くが抜け、新しい顔ぶれが加わったチームは、結束するまでに約3カ月を要しました。
しかし、そこからが真のチャンピオンの姿でした。レギュラーシーズン終盤に16連勝という驚異的な記録を打ち立て、プレーオフ第2シードを獲得。厳しいプレーオフシリーズを勝ち抜き、ファイナルではマーキュリーをスイープして頂点に立ったのです。
ベッキー・ハモンヘッドコーチは、トレードマークのパーカーブレザー(背中に金色で「GRATITUDE(感謝)」の文字)を着用し、「彼女たちは状況に関係なく、全力で働き続けました。これは最も回復力があり、人格の高いグループの1つです」と語りました。エーシズでの4シーズン目を終えたハモンは、今年のチームが最もコーチしやすかったと振り返っています。
エイジャの涙が物語るチームの絆
4度のMVPに輝くエイジャ・ウィルソンは、スピーチの際に感極まりました。「この特別なグループで、私たちは一緒に祈り、シャンパンを開けました」と語り、ハモンコーチの献身について触れた際には涙を流しました。「誰も信じていなかった時に、彼女は私たちを信じてくれた。ベッキー・ハモンなしでは、私たちはどこにも行けません」
シーズン途中に加入したナリッサ・スミスも、ステージ上でチームメイトを見つめながら「みんなが私の人生を変えてくれた」と短く語りましたが、その言葉には深い感情がこもっていました。感情的になることを避けようとしていたスミスにとって、この優勝がどれほど特別なものだったかが伝わってきます。
3度の優勝すべてに貢献してきたジャッキー・ヤングは、いつも通り簡潔なコメントで会場を沸かせました。「まだ終わっていないことを知っておいて」というマイクドロップのような一言は、エーシズの野心がまだ尽きていないことを示しています。
ラスベガスのエンターテイメント都市にふさわしい祝賀
パレードは、クラシックなローライダー自動車が先導し、油圧システムを披露しながら進みました。トロピカーナ大通りからラスベガス大通りを南下するルートは、1960年代のラットパック時代から世界最高のヘッドライナーが名を連ねてきた伝説の道です。
この夜、その道を彩る最大のスターはエーシズの選手たちでした。パレード開始の4時間前から集まり始めたファンたちは、道路沿いに並び、選手たちが投げる紙吹雪とストリーマーを受け取りました。
祝賀会の最後には、紙吹雪と花火が夜空を彩り、クイーンの「ウィ・アー・ザ・チャンピオンズ」がスピーカーから流れました。クライム・モブ、リュダクリス、マイアといったアーティストがライブパフォーマンスを披露し、ラスベガスらしい華やかなイベントとなりました。
初年度でエーシズとともに優勝を果たし、WNBA通算3度目の優勝となったジュエル・ロイドは「これこそがパレードだ。他のパレードにも参加したけど、これは違う。特別だ」と感想を述べました。
王朝の継続へ──エーシズの未来
2022年から2025年にかけて3度の優勝を成し遂げたエーシズは、まさにWNBAの新しい王朝と呼べる存在になりました。ハモンコーチは来シーズンについて「また来年やりましょう」と語り、チームの勢いが止まる気配はありません。
エイジャ、ヤング、そして新たに加わったロイドやスミスといった多様なタレントが融合し、困難を乗り越えて成長したこのチームは、今後もWNBAのトップに君臨し続けるでしょう。ラスベガスという街が持つエンターテイメント性と、エーシズの圧倒的な強さが融合したこのパレードは、単なる優勝祝賀ではなく、新時代のバスケットボール王朝の到来を象徴する出来事でした。
ポブレテ夫人の言葉が、すべてを物語っています。「この素晴らしいバスケットボール選手たち、そして素晴らしい女性たちを誇りに思います。このバスケットボール王朝は、ラスベガスをよく代表しています」
引用: sports.yahoo

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