元ロサンゼルス・スパークスのスーパースター、キャンディス・パーカーが2024年に現役を引退してから約1年が経過し、現在はAmazon Prime VideoのNBA解説者として新たなキャリアを歩んでいます。そして2026年からは、Prime VideoのWNBA放送チームの中心人物としても活躍することが決まっています。
解説者としての立場から、パーカーは自身のポッドキャスト「Post Moves with Candace Parker & Aliyah Boston」で、2025-26シーズンのNBA各賞予想を大胆に披露しました。同時に、現在のWNBAが抱えるコーチング体制の問題点についても率直な意見を述べ、リーグの将来について警鐘を鳴らしています。
パーカーの2026年NBA予想が示す独自の視点
現役時代から高いバスケットボールIQで知られていたパーカーは、解説者となった今も鋭い分析力を発揮しています。ポッドキャストで披露された2025-26シーズンの予想は、具体的かつ大胆な内容でした。
パーカーはアンソニー・エドワーズをMVPに選出しています。「彼は今年さらに一歩成長すると思う」とパーカーは語り、ミネソタ・ティンバーウルブズのエースが次のレベルに到達することを予測しています。エドワーズは2024-25シーズンでも既にリーグを代表するスコアラーの一人でしたが、パーカーは彼のリーダーシップとクラッチ能力がさらに向上すると見ています。
ファイナルの顔合わせについては、クリーブランド・キャバリアーズとオクラホマシティ・サンダーを予想しています。「サンダーが連覇すると思う」とパーカーは断言しました。オクラホマシティは若手中心のチーム構成ながら、シェイ・ギルジャス-アレクサンダーを筆頭に圧倒的な才能が揃っています。2連覇という予想は、パーカーがこのチームの戦術的な成熟度と深いロースターを高く評価していることを示しています。
パーカーの予想が興味深いのは、彼女が現役時代にWNBAとNBAの両方のバスケットボール文化を深く理解してきた経験を持つためです。WNBAで3度のチャンピオンシップを獲得し、2度のMVPを受賞した彼女だからこそ、NBA選手の技術やチーム戦術を多角的に評価できる立場にあります。
Amazon Prime Videoは2025年からNBAの放送権を獲得し、新たな解説陣を構築しています。その中核を担うパーカーの予想は、単なる話題作りではなく、今後のPrime Video放送の方向性を示すものでもあります。従来のテレビ放送とは異なる、よりデータドリブンで戦術的な解説スタイルを確立しようとする意図が感じられます。
WNBAコーチング問題への鋭い指摘
パーカーが同じポッドキャストで語ったWNBAのコーチング体制に関する発言は、リーグの構造的な問題を浮き彫りにしました。「WNBAは模倣のリーグで、NBAから来たコーチが成功を収めてきた」と前置きした上で、彼女は核心的な問題点を指摘しています。
「問題なのは、NBAから来るコーチの多くが女性ではないということです」
この発言は、WNBAが女性アスリートのためのリーグでありながら、指導者層における多様性が十分に確保されていない現状への批判です。実際、2025年シーズンを見ても、WNBA全12チームのうち女性ヘッドコーチは少数派にとどまっています。
パーカーの指摘は単なる批判ではなく、リーグの持続可能な成長への懸念を含んでいます。NBA経験者のコーチが戦術面で成功を収めることは否定しませんが、女性コーチの育成とキャリアパスの構築が不十分なままでは、WNBAの独自性や文化的な発展が阻害される可能性があります。
特に注目すべきは、パーカー自身が将来的にコーチングの道を歩む可能性を示唆していることです。彼女のような経験豊富な元選手が指導者として活躍できる環境を整えることは、WNBA全体の競技レベル向上にもつながります。
スパークスの復調とリーグ全体への影響
2025年シーズン、ロサンゼルス・スパークスは21勝23敗という成績で終えました。これは2019年以来最も良い勝率であり、チームの再建が着実に進んでいることを示しています。前年の8勝32敗から大きく改善したのは、ケルシー・プラムのトレード加入が大きな要因でした。
プラムはシーズン終了後のインタビューで「私たちは戻ってくる。文化が変わりつつある」と語っており、チームの方向性に自信を持っています。2027年には総額1億5000万ドルをかけた新練習施設がエル・セグンドにオープンする予定で、これは女性スポーツの単一チームへの投資としては史上最大規模となります。
この投資は、WNBAが単なるシーズン興行ではなく、長期的なブランド構築とインフラ整備に本気で取り組んでいることを示しています。パーカーが指摘するコーチング問題も、こうした大規模投資と並行して解決していく必要があります。
また、エンジェル・リースのスパークスへのトレード噂も浮上しており、チームの戦力強化はさらに加速する可能性があります。キャメロン・ブリンクがシーズン最終戦で鼻の怪我を負い、シーズンエンディングとなったことは痛手でしたが、若手の成長とベテランの加入により、2026年シーズンのスパークスは西カンファレンスの強豪として再び台頭することが期待されます。
解説者パーカーが切り開く新時代
キャンディス・パーカーの現役引退は、一人の偉大な選手のキャリア終了を意味するだけでなく、バスケットボール界全体に新たな価値をもたらす転機となっています。Amazon Prime Videoでの解説活動を通じて、彼女は女性アスリートの視点からNBAを分析し、同時にWNBAの課題を率直に語ることで、両リーグの発展に貢献しています。
2026年からのPrime Video WNBA放送では、パーカーが中心となって新しい放送スタイルを確立することが期待されます。従来の男性解説者中心の放送とは異なる、選手経験に基づいた深い洞察と、女性スポーツの未来を見据えた発信が可能になるでしょう。
パーカーが提起したコーチング問題は、WNBA全体で議論されるべきテーマです。リーグが真に持続可能な成長を遂げるためには、戦術面での成功だけでなく、女性リーダーの育成と登用を同時に進める必要があります。彼女の発言が、今後のリーグ運営にどのような影響を与えるか注目されます。
引用: yardbarker

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