アリーヤ・ボストン

右ひざからコートに落ちた瞬間、タオルで頭を覆ってロッカーへ消えたボストン──クラーク32得点の陰でフィーバーに広がった一番嫌な沈黙

 

現地7月28日、シアトルのクライメット・プレッジ・アリーナで行われたフィーバー対ストームの一戦は、インディアナが勝って4連勝を伸ばした夜になりました。それでも試合後にファンの話題をさらったのは勝敗ではなく、前半で戦列を離れたアリーヤ・ボストンのことでした。オールスター明けの好調ムードが、たった一度の転倒で一気に張り詰めたものに変わった印象です。

第2クオーターの一瞬、11得点でベンチに下がったボストン

負傷が起きたのは第2クオーターでした。トップからスクリーンをかけてゴールへロールしようとしたボストンが、フロージェイ・ジョンソンともつれる形で転倒。右ひざを勢いよくコートに打ちつけ、ファウルを受けながらすぐにひざを押さえ込みました。しばらく起き上がれず、最終的には支えられてコートを離れ、タオルを頭からかぶったままロッカールームへ引き上げています。

フィーバーはハーフタイムに「右下肢の負傷」で復帰は不透明と発表しました。後半にはベンチへ戻ったものの、そのままコートに立つことはありませんでした。負傷までの記録は11得点2リバウンド。今季ここまで平均17.3得点8.5リバウンドを残してきたインサイドの柱が、シーズン終盤へ向かう大事な時期に離脱の可能性を抱えたことになります。現時点で詳しい診断結果は公表されていません。

勝ったのに素直に喜べない、記録づくめの一夜

チームとしては十分すぎる内容でした。クラークは9本中14本という高効率で32得点7アシスト。特に第3クオーターはチームが挙げた18点のうち16点を1人で叩き出し、食い下がるストームを突き放しています。前半は最大20点あったリードが、8つのターンオーバーで11点差まで縮まりましたが、ケルシー・ミッチェルがブザービーターの3ポイントを沈めて流れを渡しませんでした。

この試合でフィーバーは今季12度目の100得点超えを達成し、これはWNBAの1シーズンにおける最多記録となりました。チーム成績は18勝10敗、4位ダラス・ウィングスとは0.5ゲーム差。一方の敗れたストームは6勝24敗となり、リーグ最下位に沈んでいます。数字の上では文句のつけようがない夜だったからこそ、ボストンを欠いた第3クオーター以降の戦い方が、そのまま今後の予行演習になってしまったとも言えます。

トレード期限の直前という、最悪のタイミング

気になるのは日程です。今季のトレード期限は現地8月2日。つまりフィーバーのフロントは、ボストンの状態がはっきりしないまま補強の判断を迫られる可能性があります。ボストンは2023年の新人王で、リバウンドとペイント内の得点をほぼ1人で背負ってきた存在です。長期離脱となればビッグマンの層を薄くしたまま残り16試合を戦うことになり、優勝候補と評されてきた前提そのものが揺らぎかねません。

リーグ全体を見渡しても、期限直前に主力センターを補充できる余地は限られます。売り手に回るチームは限られ、価格は当然つり上がります。逆に、軽傷だと分かれば動く必要はなくなります。ここ数試合のフィーバーは、クラークが自分で決めきる比重を上げることで勝ち切ってきました。ただ、それはボストンがインサイドで相手のビッグを引きつけているからこそ成立している構図でもあります。診断結果が出るまでの数十時間が、インディアナのシーズンの形を決めてしまうかもしれません。個人的には、フィーバーがここで慌てて動くより、まずは精密検査の結果を待つ判断をすると見ています。100得点超え12回という得点力は、誰か1人の穴を全員で埋められる証拠でもあるからです。

次戦は金曜のポートランド戦、日曜にミネソタ

フィーバーは3連戦のロードトリップの途中で、現地金曜にポートランド、日曜にミネソタと対戦します。ボストンの出場可否は、その前に発表される負傷リポートで最初の答え合わせができるはずです。トレード期限をまたぐ1週間、インディアナから目が離せません。

引用:https://sports.yahoo.com/wnba/breaking-news/article/fever-star-aliyah-boston-leaves-win-over-storm-early-after-apparent-knee-injury-022039612.html

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