試合は序盤から接戦となり、第1クォーター終了時点でダラス・ウィングスが18-17とわずかにリードしました。
第2クォーター中盤にはマディ・シーグリストの得点でウィングスが26-24とリードを奪いましたが、その直後にブリトニー・グライナーのレイアップで同点とされます。
さらにアリシャ・グレイのフリースロー成功をきっかけにアトランタ・ドリームが13-4のランを築き、前半を終えて37-30とドリームが7点のリードを奪いました。
後半に入るとドリームが主導権を握ります。第3クォーター序盤、ブリオナ・ジョーンズのレイアップでドリームが45-35と初めて二桁のリードを確保すると、アトランタはこのクォーターだけで31-20とウィングスを圧倒しました。
一時リードは20点差にまで開き、第3クォーター終了時には68-50とドリームが大きく優勢でした。
最終第4クォーター、ここまで未勝利のウィングスも粘りを見せ、開始から13-0の猛攻で一気に点差を一桁まで縮めます。
タイアーシャ・ハリスの連続3ポイントやケイラ・チャールズの得点で残り7分頃には5点差まで追い上げましたが、直後にドリームのマヤ・コールドウェルがコーナーからの3ポイントを沈め、反撃ムードに水を差しました。
終盤はグレイとニア・コフィーの重要な得点もあり、ドリームがリードを守り切って83-75で勝利を収めました。
この勝利でドリームは2勝2敗の五分に戻し、ウィングスは0勝4敗と開幕から未だ白星を挙げられていません。
注目選手とスタッツ
勝利したアトランタ・ドリームでは、ガードのアリシャ・グレイが27得点と両軍最多のスコアを記録し、5リバウンド6アシストもマークする活躍を見せました。
グレイは3ポイントを4本沈め、第2戦目から調子を上げたいという気迫を持ってこの試合に臨んだといいます。
センターのブリトニー・グライナーもインサイドで存在感を発揮し15得点、8リバウンドを記録しました。
パワーフォワードのブリオナ・ジョーンズは11得点・15リバウンドのダブルダブルを達成しています(ジョーンズはこれで開幕から4試合連続のダブルダブル)。
また、昨季新人王のライアン・ハワードは得点こそ9点に留まったもののゲームハイの10アシストを記録し、チーム全体で23アシストを生み出す原動力となりました。ドリームはフィールドゴール成功率42.6%とシュートの精度も良く、29本のフィールドゴールのうち23本でアシストが付く効率的なオフェンスを展開しました。
一方、ダラス・ウィングスはエースのアリーク・オグンボワレが相手守備に封じられ、わずか5得点(2/10シュート)に終わりました。
その中でチーム最多得点となったのはナリッサ・スミスの13得点で、限られた出場時間(18分弱)ながらインサイドを中心に奮闘しました。
ルーキーのペイジ・ベッカーズも11得点・5アシストを記録しましたが、シュートは4/15と苦しみ、第4クォーターの大半はベンチで見守る形となりました。
ベンチメンバーの活躍も目立ち、マディ・シーグリストは12得点9リバウンドとセカンドユニットから貢献し、自身のキャリアハイに並ぶリバウンドを記録しています。タイアーシャ・ハリスは10得点を挙げ、第4クォーター序盤の反撃では2本の3ポイントを沈める勝負強さを見せました。
ウィングスの先発陣はシュートに苦しみ、5人合計で13/47(27.6%)という低確率に終わったことも響きました。チーム全体のフィールドゴール成功率も36.6%に留まり、3ポイントも5/23(21.7%)と決定力を欠いたことが敗因の一つとなりました。
試合後のコメント
試合後、敗れたウィングスのクリス・コクラネス・ヘッドコーチは、それでも最後まで戦い抜くチームの姿勢を称えました。
「試合の流れがどちらに転ぶかわからない局面でも、このチームはいつも戦うことを選んでいます。それは選手たちの内に応援したくなる何かが備わっている証拠です」
とコクラネスHCは語り、0勝4敗からの巻き返しへ向け前向きな手応えを口にしました。
またチーム最多得点を挙げたナリッサ・スミスは、
「あと少し各部分が噛み合えば大丈夫です。まだ40試合も残っていますし、慌てる必要はありません」
とシーズンは始まったばかりだと強調しました。
勝利したドリームでは、この日両チームを通じ最多得点を叩き出したグレイが自身の守備についてコメントしています。
「自分にできる一番のことは、相手に難しいシュートを打たせるよう徹底することでした。タフなショットを決められる場面もありますが、とにかくディフェンスで粘り強く崩さないように心掛けました」
と振り返り、攻守に全力を尽くしたと語りました。
カール・スメスコ・ヘッドコーチもグレイの活躍を称賛し、
「グレイの守備は素晴らしかったです。前の試合の出来に本人は悔いがあったようですが、今日は序盤から良いメンタリティーで臨んでいました。最初から彼女は準備ができていたと思います」
とエースの貢献を高く評価しました。
さらにスメスコHCはウィングスの粘り強さにも言及し、
「ダラスは非常によくコーチされているチームで、最後まで攻め続けてきました。第4Qはリバウンドとトランジションで苦しめられましたが、オフェンスではグレイとニア・コフィーの終盤の重要なシュートで何とかリードを保ち、逃げ切ることができました」
と相手の健闘を讃えています。

WNBA FAN BLOG運営者/バスケットボールジャーナリスト
WNBA・NBAをこよなく愛し、バスケットボール歴30年以上。特にWNBAの魅力を日本に広げるため、2025年5月に WNBA FAN BLOG をスタートしました。試合結果や選手情報だけでなく、独自の視点による戦術分析や選手インタビュー、海外ニュースの速報翻訳まで幅広くカバーしています。
現在、日本国内では数少ないWNBA専門メディアとして、最新ニュースをどこよりも速く正確にお届けすることをミッションにしています。
得意分野
試合分析・戦術解説
選手のデータ分析(EFF、PER など)
海外ニュース速報翻訳(英語 → 日本語)
サイト目標
日本最大の WNBA 情報ポータルサイト構築
日本のバスケットボールファンコミュニティ作り
関連 SNS アカウント
X(Twitter):@WNBAJAPAN
フォローしてWNBA の最新情報をキャッチしてください!