シカゴ・ブルズと制限付きフリーエージェントのジョシュ・ギディー(22歳)の契約交渉が難航しています。ギディーは昨夏オーランド・マジックのジェイレン・サッグスが獲得した年俸約3000万ドル(約45億円)規模の契約を求めていると報じられていますが、ブルズは慎重な姿勢を崩していません。7月中旬になっても合意に至らないこの状況は、実はブルズにとって良いことかもしれません。
アレックス・カルーソとのトレードで獲得した「財産」
ギディーは、ブルズがアレックス・カルーソをオクラホマシティ・サンダーにトレードして獲得した選手です。このトレードは、ドラフト指名権を一つも獲得できなかったことで今でも批判されていますが、ギディーはまさにブルズが得た唯一の「財産」でした。
シカゴでの1年目の成績:
- 3ポイント成功率:37.8%(キャリアベスト、1試合平均4本試投)
- アシスト:キャリアハイを記録
- コービー・ホワイトとのバックコートコンビで好プレー
22歳という若さと、ポイントガードとしての創造性を考えれば、ブルズが彼を将来の中心選手と位置づけるのは理解できます。
「3000万ドルは高すぎる」ブルズが慎重になる理由
Chicago Sports NetworkのK.C.ジョンソン記者によると、ギディーがその価格帯で契約を得る可能性は低いとのこと。これが契約がまとまらない理由です。
ブルズが慎重になる背景:
- パトリック・ウィリアムズに5年9000万ドルを支払った「前科」
- ギディーの守備面での課題
- チームの明確な方向性の欠如
- 他チームにキャップスペースがない(競合がいない)
特に、2020年のドラフト全体4位で指名されたウィリアムズへの契約は、成長の停滞を考えると明らかな過払いでした。ブルズはこの失敗を繰り返したくないのです。
最悪のシナリオは避けたい両者の思惑
現在の状況で考えられるシナリオ:
- 理想:年俸1800万~2000万ドルで複数年契約
- 妥協点:5年9000万ドル(ウィリアムズと同額)
- 最悪:1100万ドルの最終年俸でプレーし、来夏に無制限FAへ
最後のシナリオは両者にとって最悪です。ギディーは安定を失い、ブルズは何の補償もなく選手を失う可能性があります。
ジョンソン記者によると、交渉自体は「生産的でポジティブ」とのこと。つまり、これは感情的な対立ではなく、純粋に金額の問題なのです。
ブルズは過去に、焦って選手に過払いをしてきた歴史があります。しかし今回、7月中旬になっても契約を急がない姿勢は、この球団がここ数年で見せた最初の賢明な判断かもしれません。
ギディーには確かに可能性があります。3ポイントシュートの改善は明るい材料ですし、若さも味方です。しかし、中途半端な位置に甘んじているブルズが、明確なビジョンもなく大金を投じることは避けるべきでしょう。
この「忍耐」が、最終的にブルズに有利な契約をもたらすか。それとも、関係悪化につながるか。夏の終わりまでに答えは出るでしょう。
引用:CBSSPORTS

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