デトロイト・ピストンズのケイド・カニングハムが、NBA史に残る異例のビッグゲームを演じました。46得点、12リバウンド、11アシスト、5スティールという圧巻のトリプルダブルで延長戦を制したものの、その裏には31本ものシュートミスという記録も。マイケル・ジョーダンとコービー・ブライアントという2人のレジェンドに異なる形で並んだこの試合は、現代NBAにおける「勝利への執念」とは何かを問いかけます。
46得点トリプルダブルでジョーダンの記録に到達
11月11日(現地時間)、ピストンズはワシントン・ウィザーズとの延長戦を137-135で制しました。この勝利の立役者がケイド・カニングハムです。彼は46得点、12リバウンド、11アシスト、5スティールという驚異的なスタッツを記録しました。
この数字の組み合わせは、NBA史上わずか2人目の快挙です。40得点以上、10リバウンド以上、10アシスト以上、5スティール以上を1試合で達成したのは、マイケル・ジョーダンとカニングハムだけ。ジョーダンがこの記録を達成したのは1989年、シカゴ・ブルズ時代のことでした。24歳のカニングハムが、バスケットボール界の神様と同じ領域に足を踏み入れたのです。
カニングハムは前日の試合で後半だけで24得点を挙げており、2試合連続で爆発的なパフォーマンスを見せています。2021年NBAドラフト全体1位指名の彼は、今シーズン平均25.6得点、4.7リバウンド、9.8アシストを記録しており、イースタン・カンファレンスを代表するプレイヤーへと成長を遂げています。
史上最多31本のシュートミス、コービー以来の不名誉記録
しかし、この歴史的な活躍には皮肉な側面もありました。カニングハムは45本のフィールドゴールを試みましたが、成功したのはわずか14本。シュート成功率は31.1%に留まり、31本のシュートを外しました。
この31本のミスは、1976-77シーズンのABA-NBA合併以降、単一試合での最多記録となります。それまでこの不名誉な記録を持っていたのは、ロサンゼルス・レイカーズのレジェンド、コービー・ブライアントでした。コービーは2002年11月7日の試合で30本のシュートを外しています。
つまりカニングハムは、同じ試合でジョーダンの偉大な記録に並びながら、同時にコービーの不名誉な記録を塗り替えるという、極めて稀有な状況を作り出したのです。46得点という高得点を挙げながら、効率性では大きな課題を残す結果となりました。
勝利至上主義か効率性か、現代NBAが問う選択
この試合は、現代NBAにおける興味深い議論を提起します。カニングハムのプレイは、果たして称賛されるべきでしょうか、それとも批判されるべきでしょうか。
肯定的な見方をすれば、彼はチームが勝つために必要なショットを躊躇なく打ち続けました。延長戦という緊迫した状況で、プレッシャーに負けずボールを持ち続け、最終的にチームを勝利に導いたのです。ピストンズには彼以外に得点を任せられる選手が限られており、カニングハムがシュートを打ち続けなければ勝てなかった可能性もあります。
一方で、31.1%という成功率は明らかに問題です。現代バスケットボールの分析では、効率性が重視されます。45本ものシュートを試みるなら、もっと質の高いショットセレクションが求められるでしょう。チームメイトをもっと活用すべきだったという批判も理解できます。
興味深いのは、ピストンズが勝利したという事実です。これだけ多くのシュートを外しながらも、カニングハムのリバウンド、アシスト、スティールが勝利に貢献しました。彼の全方位的なプレイが、シュート効率の悪さを補ったとも言えます。
カニングハムの進化、ピストンズ再建の鍵
今シーズンのカニングハムは、明らかにステップアップしています。平均25.6得点は自己ベストを更新するペースですし、9.8アシストは彼がプレイメイカーとしても一級品であることを示しています。ルーキーシーズンから着実に成長し、今やピストンズの絶対的エースとなりました。
ピストンズは長年低迷していましたが、カニングハムの台頭により再建の道筋が見え始めています。彼が一人で40点以上を取れる能力を持つことは、プレイオフ争いをする上で大きな武器です。ただし、今回のような極端に効率の悪い試合が続くようでは、チームの勝率向上には限界があります。
今後カニングハムに求められるのは、高得点を維持しながらシュート効率を改善することです。特に3ポイントシュートの成功率向上と、ペイントエリアでのフィニッシュ精度を高めることが課題でしょう。また、若手選手の成長を促し、自分以外にも得点源を作ることも重要です。
この試合は、カニングハムのキャリアにおいて重要なマイルストーンとなるでしょう。ジョーダンに並ぶ歴史的記録を達成した喜びと、コービー以来の不名誉な記録を作った反省。両方を糧に、さらなる高みを目指してほしいところです。勝利への執念と効率性のバランスを見つけたとき、カニングハムは真のスーパースターへと進化するはずです。
引用: yardbarker.
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