ディジョナイ・キャリントン

「WHITE PRIVILEGE」と投稿して退場したキャリントン、「人種は関係ない」と切り捨てたカニンガム──わずか4分8得点で終わった復帰5戦目

 

シカゴ・スカイのディジョナイ・キャリントンが、8月8日のインディアナ・フィーバー戦でフレグラント2を宣告され、第1クオーターのうちに退場となりました。そして試合が続いている最中に、自身のスレッズへ「WHITE PRIVILEGE(白人特権)」と大文字で投稿し、フィーバーのアカウントをタグ付けしています。試合そのものはフィーバーが90-86で競り勝ちましたが、翌朝の話題をさらったのはスコアではなくこの一件でした。ハードファウルも退場も、バスケットボールではそれほど珍しい出来事ではありません。ただ本人が即座に発信したことで、コート上の判定がそのままコート外の議論へ接続されてしまった、というのが第一印象です。

第1クオーター残り約2分、速攻の場面で起きたこと

ソフィー・カニンガムが速攻からレイアップに向かった場面でした。追走したキャリントンがブロックを狙って腕を振り下ろし、接触したのは顔から首の付近です。カニンガムは受け身が取れないまま尻もちをつく形で倒れました。シュート自体は決まっており、判定が覆ったあとにフリースローが1本追加されています。

当初のコールはフレグラント1でした。しかしリプレー検証を経てフレグラント2へ格上げされ、キャリントンはその場で退場処分となります。起き上がったカニンガムはすぐにキャリントンへ詰め寄り、小競り合いと言葉のやり取りに発展しました。最初に間へ入ったのはチームメートのマケイラ・ティンプソンで、その後はフィーバーのスタッフも加わり、ヘッドコーチのステファニー・ホワイトもコートへ歩み出ています。

数字だけを見れば、キャリントンにとってあまりに惜しい退場でした。ベンチから出て4分に満たない出場で8得点。この試合はスカイでの5試合目にすぎず、左足の捻挫でシーズン序盤を棒に振った直後の時期にあたります。試合はフィーバーが20勝12敗、スカイは12勝20敗となりました。得点はケルシー・ミッチェルの27点が最多で、ケイトリン・クラークが26得点11アシスト。当のカニンガムは3得点に終わっています。CBSスポーツも一連の流れを詳報しました。

なぜフレグラント1では済まなかったのか

試合後のプールリポートで、クルーチーフのフォースバーグは、無防備な状態にある選手への不必要かつ過剰な接触と判断した、という趣旨の説明をしています。腕を振りかぶってから当たり、フォロースルーに至るまでの一連の動作と、負傷につながる危険性の高さが根拠として挙げられました。基準に照らせば、格上げには一定の説明がついている判定だと言えます。

キャリントン本人は格上げに驚いた様子を見せていました。スカイのタイラー・マーシュHCも試合後、こちらに悪意があったとは思わないと述べ、その場ではボールへのプレーに見えたと振り返っています。スレッズの投稿については把握していないとしたうえで、確認したうえで対応する意向を示しました。

一方のカニンガムは、この判定に人種は関係ないと明確に否定しています。昨年6月、自身がジェイシー・シェルドンへのフレグラント2で退場処分を受けた経験に触れ、あのときの退場は当然だったと語りました。投稿に対しては「そのカードを切る理由なんてありません」と一蹴し、相手とは面識も因縁もないと説明しています。ファウルは意図的だったと感じており、注目を集めたいだけではないか、という見方も口にしました。

この夏の文脈と、リーグに増えた宿題

一件がここまで大きくなった理由は、カニンガムがこの夏の議論の中心にいる人物だからです。ESPNのプロフィール記事でトランスジェンダー女性の女子競技参加について考えを語って以降、フィーバーの敵地ゲームの周辺では賛否双方の集会が開かれてきました。シアトルではストームのマイノリティオーナーが制裁を受ける事態にまで発展しています。フィーバーは集会と距離を置き、包摂を強調する立場を示してきました。カニンガム自身も今週は、バスケットボールに話題を戻したいという趣旨の発言をしています。

ただし、キャリントンの投稿がこの流れを踏まえたものかどうかは、現時点で本人から説明されていません。ここを安易に結び付けて語るのは早計だと考えています。確かなのは、フレグラント2という判定の是非と、退場した選手が試合中に人種へ言及したという二つの出来事が、同じ夜に重なったという事実だけです。

リーグ側の宿題も一つ増えました。キャシー・エンゲルバートは今週、この夏の一連の議論についてのメモを選手とチームへ送っており、来週にはチーム社長・GMとの会議で正式に議題へ上ることが決まっています。そこへSNS投稿への対応という新しい論点が加わる形になります。判定の透明性をどう担保するのか、選手個人の発信をどこまで所管するのか。どちらも明確な線引きが示されないまま、シーズンは残りが少なくなってきました。

次に見るべき試合

フィーバーの次戦は8月11日(火)、敵地でのニューヨーク・リバティ戦です。プレーオフのホームコートアドバンテージが懸かる上位対決で、クラークはテクニカルファウル取り消しにより出場できる見込みとなっています。スカイは12勝20敗とプレーオフ圏から離れており、マーシュが語ったとおり残り試合を生き残りをかけて戦う立場です。両チームはレギュラーシーズン中に再び対戦する予定で、その一戦がどんな空気で始まるのかは、今回の余波を測るうえで格好の材料になりそうです。

引用:https://sports.yahoo.com/wnba/breaking-news/article/skys-dijonai-carrington-ejected-for-flagrant-2-foul-on-sophie-cunningham-then-posts-about-white-privilege-on-social-media-201703199.html

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