フェニックス・サンズでの2シーズンに終止符。ブラッドリー・ビールが新天地を求めてロサンゼルス・クリッパーズへ移籍することが決定しました。
ESPNのシャムズ・シャラニアによると、ビールは7月17日(水)にサンズとバイアウトで合意。クリッパーズとは2年1100万ドル(約16.5億円)で契約する見込みです。2026-27シーズンには選手オプションが付いており、来年のフリーエージェント市場でトップクラスの選手となる可能性もあります。
目次
「最高のバスケットボール環境」を求めてLAへ
シャラニアによると、ビールの最優先事項は「最高のバスケットボール環境を見つけること」でした。
クリッパーズでは以下の選手たちと共にプレーすることになります:
- ジェームズ・ハーデン
- カワイ・レナード
- イビツァ・ズバッツ
- デリック・ジョーンズJr.
32歳のビールにとって、優勝を狙える環境での新たなスタートとなります。
期待外れに終わったサンズでの2年間
2023年、ワシントン・ウィザーズで11シーズンを過ごしたビールは、大きな期待を背負ってサンズに移籍しました。ケビン・デュラント、デビン・ブッカーと共に「ビッグ3」を形成し、優勝候補として注目を集めました。
しかし、現実は厳しいものでした:
サンズでの苦闘:
- チームは西地区で競争力を欠く
- デュラントはヒューストン・ロケッツへトレード
- サンズは再建モードへ突入
- 昨季はベンチスタートに降格(約10年ぶり)
- チーム成績36勝46敗でプレーオフ逃す
特に痛手だったのは、ビールがスターターから外されたことでした。これは彼のキャリアで約10年ぶりの屈辱的な出来事でした。
5年2億5100万ドル契約の重荷とノートレード条項
ビールの状況を複雑にしていたのは、彼の巨額契約でした:
契約の詳細:
- 5年総額2億5100万ドル(ウィザーズ時代に締結)
- 年俸5000万ドル以上
- 完全なノートレード条項付き
- バイアウト前の残り契約額:約1億1100万ドル
このノートレード条項により、ジミー・バトラーとのトレード話が浮上した際も、ビールが拒否権を持っていました。結局、バトラーはゴールデンステート・ウォリアーズへ移籍し、ビールはサンズに残留していました。
キャリア最悪の成績も新天地への希望
昨季のビールの成績は、ルーキーイヤー以来最悪のものでした:
2024-25シーズンの成績:
- 平均17.0得点(ルーキー年以来最低)
- 3.7アシスト
- 3.3リバウンド
- フィールドゴール成功率約50%
しかし、これらの数字は必ずしもビールの実力低下を示すものではありません。役割の変化、チームの混乱、そして何より優勝を争えない環境でのモチベーション低下が影響したと考えられます。
サンズの混迷:4年で4人目の監督
サンズの組織的な混乱も、ビールのパフォーマンスに影響を与えました:
- マイク・ブデンホルザーHCを解任
- ジョーダン・オットを新HCに任命
- これで4シーズンで4人目のヘッドコーチ
このような不安定な環境では、どんな選手でも本来の力を発揮することは困難です。
クリッパーズでの新たな役割と期待
クリッパーズでのビールには、異なる役割が期待されます:
予想される役割:
- ハーデンと共にバックコートを形成
- レナードの負担を軽減するセカンドオプション
- クラッチタイムでの得点源
- ベテランリーダーシップの提供
年俸も大幅に下がりますが(5000万ドル→550万ドル)、それは優勝への投資と考えることができます。
3度目の正直なるか?32歳での再出発
ビールのキャリアを振り返ると:
- ワシントン時代(11年):個人成績は素晴らしいが、チーム成功なし
- フェニックス時代(2年):期待外れ、役割の縮小
- ロサンゼルス時代(これから):優勝への最後のチャンス?
32歳という年齢は、NBAでは全盛期の終盤。しかし、ビールにはまだ十分な実力があります。問題は、それを発揮できる環境があるかどうかでした。
クリッパーズが提供するもの:
- 優勝を狙える戦力
- 明確な役割
- ベテラン中心の成熟したロスター
- プレッシャーの分散
ワシントンでは一人で背負い、フェニックスでは役割が不明確だったビール。ロサンゼルスで、ついに「最高のバスケットボール環境」を見つけられるかもしれません。
サンズでの2年間は決して成功とは言えませんでした。しかし、それが無駄だったわけではありません。この経験が、クリッパーズでの成功への糧となることを期待したいところです。
3度目の正直。ブラッドリー・ビールの新たな挑戦が始まります。
引用:YAHOO!SPORTS

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