シトロン・イリアフェン・オースティンで“CIA”──16勝12敗ミスティックスが今季最長4連勝、リンクスと並ぶ「リーグに2組だけ」の三人組へ

 

ワシントン・ミスティックスが、派手さのないまま勝ち続けています。7月31日のダラス・ウィングス戦を81-75で制して今季最長の4連勝。16勝12敗という成績そのものより印象的なのは、勝ち方が特定のスターひとりに寄りかかっていないことです。そして今、その3人組にファンが付けた「CIA」という愛称が、静かに広まり始めています。

81-75の勝利を作った3人の数字

7月31日のウィングス戦、ミスティックスを引っ張ったのはシャキーラ・オースティンでした。28得点10リバウンドで、内も外も止められない出来。続いたのがキキ・イリアフェンの22得点9リバウンドです。さらにソニア・シトロンが16得点5リバウンド5アシストを記録し、この日はフリースローを10本投げて10本すべて沈めました。3人だけで66得点。ダブルダブルが2つ並び、残るひとりが成功率100%のフリースローで試合を締めるという、理想的な分担でした。

リバウンドの数字も際立っています。オースティンは平均9.4本、イリアフェンは平均9.2本で、同じチームから2人がリーグの上位5人に並ぶ形になっています。ゴール下で相手を消耗させ、走って点を取る。ワシントンの勝ちパターンは、この2人の跳躍から生まれています。

ファンが名付けた「CIA」、リーグに2組しかない条件

シトロン(Citron)、イリアフェン(Iriafen)、オースティン(Austin)。頭文字を並べると「CIA」になります。ファンの間で自然発生的に生まれたこの呼び名は、単なる語呂合わせでは終わっていません。

Field Level Mediaの集計によれば、3人全員が平均15得点・3.5リバウンド・1.5アシスト以上をクリアし、なおかつフィールドゴール成功率45%超、フリースロー成功率68%超を満たしている三人組は、今季のWNBAでワシントンの3人と、ミネソタ・リンクスのオリビア・マイルズ、コートニー・ウィリアムズ、ナターシャ・ハワードの2組しかありません。優勝候補筆頭のリンクスと同じ土俵に名前が並んでいる、というのが今のミスティックスの立ち位置です。

イリアフェンは自分の役割をこう説明しています。「スペーシングもすごく大きくて、ポストの相棒が動けるスペースが生まれ、そこから自分もギャップに入り込んで攻められる場所を見つけられます」

外に開いてスリーを打てる4番がいることで、オースティンがゴール下で一対一を作れる。逆にオースティンが中で相手を引きつければ、シトロンが外で待っている。3人の特徴が互いの弱点を消す配置になっているのが、この「CIA」の本質です。

2025年ドラフト3位と4位が、2年目で同時に開花した

このユニットの面白さは、その成り立ちにあります。シトロンとイリアフェンは、いずれも2025年ドラフトでミスティックスが手にした全体3位と4位の指名でした。同じ年に、同じチームへ、上位指名で並んで入った2人が、2年目にそろって主軸へ育っています。そこに先輩格のオースティンが加わる構図です。

大型トレードで一気に戦力を積み上げたわけではありません。指名権を使い、若手に時間を与え、待った結果として今の4連勝があります。今季のトレード期限では各地で大きな動きがありましたが、ワシントンの浮上を支えているのは外から連れてきた助っ人ではなく、自チームで積み上げてきた3人です。育成の遅れは順位表に表れるのが遅く、だからこそ表れ始めたときの伸びは速い。今のミスティックスは、まさにその局面に入ったように見えます。

8位まで5ゲーム差、7位まで0.5ゲーム差

連勝がもたらしたのは、順位表での余裕です。プレーオフ最後の枠となる8位をめぐる争いで、ミスティックスはロサンゼルス・スパークスに5ゲームの差をつけました。同時に、7位のニューヨーク・リバティを0.5ゲーム差まで捉えています。「滑り込む側」から「上を狙う側」へ、立場が変わりつつあるということです。

ここから順位をひとつ上げられるかどうかは、想像以上に大きな意味を持ちます。プレーオフ1回戦で当たる相手が変わるからです。若い3人がポストシーズンをどんな順位で迎えるかは、来季以降の伸びしろにも直結します。

次戦は日本時間8月6日朝、立て直したウィングスとの再戦

ミスティックスは日本時間8月6日午前8時30分、ホームで再びウィングスと対戦します。5連勝がかかる一戦です。

相手は19勝11敗のウィングス。7月31日の敗戦後、日曜のコネチカット・サン戦を83-63で圧勝し、しっかり立て直してきました。この試合ではジェシカ・シェパードとアリーケ・オグンボワレがそろって15得点を挙げています。

警戒すべきはシェパードです。ミネソタで5シーズンを過ごしたあとダラスへ移った今季、平均14.7得点はキャリアハイ、平均11.8リバウンドはリーグ1位、フィールドゴール成功率58.2%はリーグ3位、平均5.4アシストもリーグ11位という数字を並べています。初のオールスター選出を果たし、最優秀改善選手賞の最有力候補にも挙がる存在です。2年総額205万ドルという契約は、すでに破格の買い物に見えます。ウィングスにとっても3年ぶりのプレーオフ進出が視野に入る時期で、順位表を考えれば落とせない一戦です。

リーグ1位のリバウンダーを相手に、平均9.4本と9.2本の2人がどこまで戦えるか。「CIA」の真価が問われる朝になりそうです。

引用:https://fieldlevelmedia.com/news/mystics-on-a-roll-and-wings-try-again-to-stop-them/

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