レギュラーシーズンの直接対決が終わってみれば、リンクスがエーシズに2勝1敗と勝ち越しました。つまり両者が今季もう一度顔を合わせるとしたら、その舞台はプレーオフしかありません。8月15日にミシュロブ・ウルトラ・アリーナで行われた3度目の対戦は、ミネソタが92対87で競り勝ちました。敗れた側のベッキー・ハモンが試合後に見せたのは落胆ではなく、次を見据えた冷静な視線でした。負けた夜にもう修正の話を始めているあたりが、3度の優勝を知る指揮官らしいところだと感じます。
エイジャ・ウィルソンの32得点が届かなかった一戦
この日のエイジャ・ウィルソンは、フィールドゴール15本中10本成功で32得点、7リバウンド、1アシスト、2スティール、1ブロックという文句のつけようがない内容でした。ナフィーサ・コリアー、ニア・コフィー、ナターシャ・ハワードという層の厚いディフェンスローテーションを相手にこの数字ですから、MVP候補としての説得力は十分です。ナリッサ・スミスも17得点12リバウンドと二桁二部門を記録し、インサイドは互角以上に戦っていました。
問題はその外側でした。ジャッキー・ヤングはフィールドゴール11本中3本で8得点にとどまり、ヤング、チェルシー・グレイ、ステファニー・タルボットのスターター3人を合計しても22得点。一方のミネソタはオリビア・マイルズが1人で23得点を挙げ、コートニー・ウィリアムズが12得点、ケイラ・マクブライドが13得点と続き、6人が12得点以上を記録しています。個の突出で勝負したラスベガスと、面で押し切ったミネソタという構図がそのままスコアに出た格好です。
「もう頭は回っています」と語ったハモンの修正案
試合後のハモンは、この敗戦を情報収集の場として受け止めていました。チームのYouTubeチャンネルに残された映像では、「もう一度対戦することになれば、いくつか違うことをやります」と語っています(Sports Illustrated / Women’s Fastbreak)。あわせて、ビッグマン陣は良かったがガードの出来を上げる必要があるという趣旨の指摘も残しました。名指しに近い形で課題を公にするのは、シーズン終盤にチームの基準を引き上げたいときのハモンの常套手段でもあります。
過去を振り返れば、ハモンは短期決戦での配置換えでシリーズの流れを変えてきた指揮官です。マイルズという新しい脅威に対してどのディフェンダーを当てるのか、ヤングをどう楽に打たせるのか。この2点が、そのままプレーオフの答案用紙になります。
順位表が示す「次に当たるのはファイナル」
8月18日時点の順位は、リンクスが29勝7敗で勝率.806の首位、バルキリーズが24勝9敗、エーシズが24勝12敗で勝率.667の3位、フィーバーが23勝12敗と続いています。この並びが動かなければ、ミネソタとラスベガスが再会するのはファイナルの舞台です。ラスベガスが4位や5位まで落ちた場合にかぎり、2回戦での早期対決という展開もあり得ます。
背景も対照的です。シェリル・リーブは2017年を最後に優勝から遠ざかっており、コリアーを中心とした現在のコアはあと一歩の位置で足踏みを続けてきました。対するエーシズは、5年で4度目の王座に手をかけようとしています。積み上げてきたものの重さが違う両チームが、勝率でも上位2枠を分け合っているのが今季の面白さです。
もっとも、そこまでの道のりは平坦ではありません。バルキリーズ、フィーバー、ドリーム、リバティはいずれも短期決戦で厄介な相手ですし、ウィングスやミスティックスも若い主力が伸びている最中です。ファイナル再会という筋書きは有力ですが、確定ではありません。
これからの見どころ
レギュラーシーズンは残りわずかで、両チームともシード争いの終盤に入りました。エーシズにとってはガード陣がリズムを取り戻せるかどうか、リンクスにとっては首位を守り切れるかどうかが焦点です。プレーオフでの再会が実現すれば、ウィルソンとコリアーというリーグを代表する2人の直接対決が最大の見どころになります。日本からの観戦は引き続きWNBA League Passや各種中継で追いかけられますので、順位表の動きとあわせてチェックしてみてください。

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