現地時間8月30日、アトランタ・ドリームのアンジェル・リースが今季29個目のダブルダブルを記録し、WNBAのシーズン最多記録を塗り替えました。これまでの記録は2023年にアリッサ・トーマスが打ち立てた28個で、3シーズンにわたって誰も届かなかった数字です。しかもこの日は、FIBA女子ワールドカップによるリーグ中断前の最終戦でした。区切りの一戦で、リーグ首位を走るミネソタ・リンクスを相手に、しかも派手な爆発ではなく15得点11リバウンドという淡々とした数字で更新してみせた。そこにリースというプレーヤーの本質が凝縮されているように感じます。
15得点11リバウンド、首位リンクスを崩した89対81
試合はドリームが89対81でリンクスを下しました。リンクスはこれでロードゲーム8連勝が止まり、戦績は31勝9敗。それでも2位のゴールデンステートには2ゲーム半のリードを保っています。一方のドリームは26勝14敗となり、インディアナと並んで4位につけました。
この日の主役は数字の上ではリースひとりではありません。アリーシャ・グレイが3ポイント6本を含む23得点11リバウンドと自らもダブルダブルを達成し、ジョーディン・カナダが16得点10アシスト。ライン・ハワードは16得点のうち12点を第4クォーターに集中させました。ハワードは最初の3ポイント5本をすべて外していましたが、リンクスに13対2のランを許して7点差まで詰め寄られた場面で連続して3ポイントを沈め、残り5分55秒に14点差まで引き離しています。外し続けた選手が最後に決め切る展開は、勝ち切るチームの空気そのものでした。
フェニックスとの契約をバイアウトで解消して加入したデワナ・ボナーは、17分の出場で7得点。アトランタでの初戦を白星で終えています。敗れたリンクスはルーキーのオリビア・マイルズが21得点、ケイラ・マクブライドとナフィーサ・コリアーがそろって17得点。右足首の捻挫で1試合を欠場していたコートニー・ウィリアムズも復帰して11得点を挙げました。
リバウンドの記録を先に塗り替えていた今季のリース
リースにとって、今季塗り替えた記録はこれが初めてではありません。すでにシーズン最多リバウンドと1試合最多リバウンドの2つを更新しています。とくに1試合26リバウンドは、23年間動かなかった記録を書き換えた数字でした。ESPNの集計では、1試合平均のリバウンドも12本台に乗っています。
ここで見ておきたいのは、リースのダブルダブルが「得点+リバウンド」の形でありながら、実質的にリバウンドが土台になっている点です。29個目を記録したこの日も得点は15点で、決して大量得点ではありません。得点が伸びない夜でもダブルダブルが成立するのは、リバウンドという最も再現性の高い仕事で二桁を安定して積める選手だからです。トーマスの28個がアシストを絡めた万能型の産物だったとすれば、リースの29個は一つの武器を極限まで磨いた結果と言えます。同じ記録でも、到達の仕方はまるで違います。
中断明けのシード争いと、MVP論争に持ち込まれる材料
リーグはここからワールドカップのため中断に入り、ドリームの次戦は9月17日のコネチカット戦、リンクスは9月18日にニューヨークを迎えます。中断前最後の一戦で首位を倒し、しかも4位タイまで順位を上げたことは、再開後のシード争いにおいて心理的にも実利的にも小さくない意味を持ちます。プレーオフの組み合わせ次第では、ホームコートアドバンテージの有無が初戦の明暗を分けるからです。
そしてこの記録は、これから終盤戦の話題になるであろう個人賞レースにも材料を投げ込みました。今季のMVP論争はエイジャ・ウィルソンやケイトリン・クラークを軸に語られてきましたが、シーズンを通じて記録を3つ塗り替えた選手が、その枠外に置かれ続けるのは不自然でもあります。得点力で目立つタイプではないぶん評価が割れやすいのは事実ですが、リバウンドという領域で歴史を書き換えた事実は、投票の場で必ず一度は議題に上がるはずです。
中断明けの観戦情報
ワールドカップの中断を挟み、WNBAは9月中旬に再開します。ドリームは9月17日にホームでコネチカットと、リンクスは9月18日にホームでニューヨークと対戦します。リースの記録が中断でいったん止まることになりますが、再開後に何個まで数字を伸ばすのかは、終盤戦の分かりやすい見どころの一つになりそうです。
引用:https://www.espn.com/wnba/story/_/id/49776582/angel-reese-breaks-wnba-record-29th-double-double

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