ブランソン ニックス

「俺たちはまだ狩る側だ」——ハートが口にした53年ぶり王者の執念

 

53年ぶりの優勝から3か月。全米オープンの中継ブースに現れたジョシュ・ハートが、王者らしからぬ言葉を残しました。自分たちはまだ追う側で、狙われる立場ではない。優勝直後のチームがこう言い切るのは珍しく、しかも本人はそれを不満ではなく燃料だと語っています。強がりというより、このチームがどうやって頂点に立ったかを思い出させる発言でした。

全米オープンのブースで語った、狩る側という自己認識

ハートは水曜、アーサー・アッシュ・スタジアムで行われた全米オープンにゲストとして訪れ、ESPNの中継に出演しました。そこで2026-27シーズンに向けたニックスの立ち位置を問われ、誰も自分たちの連覇を予想していないと感じている、と率直に答えています。そのうえで「俺たちはまだ狩る側だ」と言い切りました。

数字を並べると、この控えめさは少し不思議に映ります。ジェイレン・ブランソンは昨季レギュラーシーズンで平均26.0得点6.8アシストを記録し、ハート自身も平均7.4リバウンド4.8アシストを残しました。ハートの役割は得点よりも、リバウンドと球際の粘りで所有回数を増やすことにあります。派手さのない仕事ですが、優勝チームの土台はそこにありました。

53年の重みと、5試合で決着したファイナル

ニックスが前回優勝したのは1973年です。半世紀以上の空白を終わらせた今年のファイナルでは、スパーズを4勝1敗で退けました。ブランソンはファイナル5試合で平均32.6得点4.6アシスト4.2リバウンドを記録してMVPに選ばれ、6月13日の第5戦では45得点を挙げて94対90の接戦を締めています。

興味深いのは、この優勝が下馬評をひっくり返す形で生まれたものではなかったにせよ、チームの内側では最後まで挑戦者としての意識が保たれていたことです。ハートが手放したくないと言っているのは、まさにその感覚でしょう。優勝を経験したチームがもっとも失いやすいのは戦力ではなく、この種の飢えのほうです。

注目されない王者という、珍しい立ち位置

ここからは筆者の見立てです。今オフの主役がニックスでなかったのは事実でしょう。報道によれば、76ersはレブロンと契約し、さらにジェイレン・ブラウンをトレードで加えました。ヒートもヤニス・アデトクンボを迎えたと伝えられています。東地区の勢力図は、たった一夏でかなり塗り替わりました。

その中でニックスが選んだのは、優勝メンバーをほぼそのまま維持する道です。話題性では確実に負けますが、継続性は数字に表れにくい強みでもあります。新しく組んだ主力同士が噛み合うまでには時間がかかり、その期間に星を落とすチームは毎年必ず出てきます。開幕から完成度で先行できるという意味では、ニックスの立場はむしろ有利かもしれません。

そして今季の開幕戦の相手は、その76ersだと報じられています。ハートの発言をこの文脈で読み直すと、単なる精神論ではなく、かなり具体的な標的を見据えた言葉に聞こえてきます。ファンの間でも、連覇の本命はどこかという議論はこれから熱を帯びていきそうです。

今後の見どころと関連情報

コート外の話題としては、ブランソンが9月26日に放送されるサタデー・ナイト・ライブのシーズン52開幕回でホストを務める予定です。音楽ゲストはKATSEYEで、報道によればニックスの選手がホストを務めるのは球団史上初、NBA選手としては5人目にあたります。優勝の余韻がコートの外にまで広がっている一方で、ロッカールームでは狩る側の意識が保たれている。この温度差が、今季のニックスを見るうえでの面白さになりそうです。

引用:https://clutchpoints.com/nba/new-york-knicks/knicks-news-josh-hart-believes-ny-overlooked-despite-title

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