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「オーガナイズドカオス」──日本代表が9月4日のベルリンで解き放つ、1975年から51年分の執念

 

4年に一度の女子バスケットボール世界一決定戦、FIBA女子バスケットボールワールドカップ2026が、いよいよ9月4日にドイツ・ベルリンで開幕します。そして日本のファンにとって何より大きいのは、日本戦が全試合、テレビとネットの両方で追えることが正式に決まったという一報でした。フジテレビが地上波・CS・FODで大会期間中の熱戦を連日放送・配信すると発表しています。深夜の時間帯を含めて日本戦を丸ごと届けるという判断は、女子日本代表というコンテンツの価値がこの5年で確実に変わったことを示しているように思います。

日本戦は9月4日から3試合、深夜帯も含めて全試合カバー

今大会は出場枠が16チームに拡大され、日本はグループAでマリ、ドイツ、スペインと同組に入りました。日本時間9月4日の18時30分にマリ戦でグループフェーズがスタートし、続く開催国ドイツ戦は9月6日未明、スペイン戦は9月8日未明という日程が組まれています。ドイツ戦とスペイン戦はいずれも日本では深夜から早朝にかけての時間帯となるため、リアルタイムで追いきれない人にとって配信の存在は大きな意味を持ちます。

日本代表にとってこれは通算15回目、5大会連続のワールドカップ出場です。優勝国にはロサンゼルス五輪への出場権が与えられる仕組みで(アメリカを除く)、単なる世界一決定戦にとどまらず、2028年に向けた最初の関門でもあります。グループを勝ち抜いた先にどんな組み合わせが待つのか、初戦のマリ戦の入り方が全体の設計図を左右することになります。

1975年の銀メダルから51年、W杯だけが空白のまま

ここで一度、日本代表の立ち位置を整理しておきたいと思います。東京五輪での銀メダル、FIBA女子アジアカップの5連覇(2015年以降)と、この10年余りの日本は世界のトップレベルで確かな実績を積み上げてきました。ところがワールドカップに限っては、過去14回の出場で最高成績が1975年の銀メダルのまま止まっています。五輪とアジアカップでは結果を残せているのに、ワールドカップだけが空白になっている。この51年という数字こそ、今大会でベルリンに乗り込む12人が背負っているものの正体です。

直近の道のりも決して平坦ではありませんでした。今年3月の予選トーナメントでは苦戦を強いられながら逆転で出場権をつかみ、その過程で浮かび上がったリバウンドとディフェンスの課題に、本大会前の国内2試合で正面から取り組んできました。予選での苦しさを隠さずに修正へ回した数か月が、そのままチームの成長曲線になっているとみています。

コーリー流「ペース&スペース」は世界にどこまで通用するのか

昨年就任したコーリー・ゲインズヘッドコーチのもとで、日本は武器である「走るバスケットボール」をさらに研ぎ澄ませてきました。速攻と3ポイントを軸にした「ペース&スペース」に、個の打開力とアグレッシブなディフェンスを重ねる。掲げられたキーワードは「『オーガナイズドカオス』と『ポジションレス』」です(クランクイン!)。

この方向性は日本にとって理にかなっていると考えます。平均身長で確実に劣る日本が、ハーフコートの殴り合いに付き合えばリバウンドとサイズの差がそのまま失点になります。逆に走ってスペースを広げ、守備側の陣形が整う前に打ち切るなら、身長差は攻撃の速度で相殺できる。予選で課題とされたリバウンドとディフェンスの強化も、単なる弱点補修ではなく、走るための起点を増やす作業として読み解けます。問題は、ドイツやスペインという欧州の強豪が相手でも同じテンポを40分維持できるかどうかです。

顔ぶれも面白い構成になりました。今夏にラスベガス・エーシズで日本人史上5人目のWNBAデビューを果たした山本麻衣は、163cmという体格で世界最高峰の舞台に立った実績をそのまま持ち込みます。20歳の田中こころは今季のWNBAドラフトで指名を受けた逸材で、直前の国際試合では残り0.2秒からのブザービーターで逆転の3ポイントを沈めました。最年少は19歳の後藤音羽で、両親がともに元日本代表という環境で育った現役大学生です。田中と後藤にとっては初のワールドカップになります。そこに高田真希、キャプテンの宮澤夕貴、町田瑠唯という東京五輪を経験したベテランが土台として並ぶ。若手の勢いとベテランの経験値をどう配分するかは、コーリー・ゲインズにとって毎試合の判断材料になるはずです。

解説陣には東京五輪のメダリストが並びます

視聴環境についても補足しておきます。日本戦の解説を務めるのは、東京五輪・パリ五輪代表で現役選手の多くと一緒にプレーしてきた宮崎早織と、東京五輪銀メダルの三好南穂です。さらに決勝・3位決定戦の日には、現在もENEOSサンフラワーズでプレーする馬瓜エブリンが解説に入ります。大舞台を戦った当事者が、コート上の判断の意味を言葉にしてくれる中継は、それ自体が観戦体験の質を押し上げます。

放送は地上波・CS・FODの3ルートで、日本戦は全試合カバーされます。深夜の試合は配信で翌朝に追う、決勝や3位決定戦は解説陣を目当てにリアルタイムで、といった見方の選択肢が用意されているのはありがたいところです。まずは9月4日18時30分のマリ戦。51年分の宿題に、コーリーJAPANがどんな最初の一歩を刻むのかを見届けたいと思います。

※FIBA女子バスケW杯2026

引用:https://www.crank-in.net/news/190532

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