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「深く失望しています」——5リーグ35州の共同書簡からWNBA選手会が消えた異変

 

アメリカの主要プロスポーツ5リーグと、それぞれの選手会が、スポーツ賭博に絡む選手への嫌がらせと脅迫に対して足並みをそろえました。9月15日、35州とワシントンD.C.のギャンブル規制当局へ宛てて、連名の書簡が送られています。ところが、この連名リストにWNBAとWNBA選手会の名前はありませんでした。しかも外れたのは、選手会が自ら選んだ結果ではなかったといいます。リーグ再開の2日前に飛び込んできた一報は、順位争いとはまったく別の場所で、いまのWNBAが置かれている立ち位置を浮かび上がらせました。

35州とD.C.に届いた書簡が求めた3つのこと

連名したのはNFL、NBA、MLB、NHL、MLSの5リーグと、それぞれの選手会です。宛先は35州とワシントンD.C.、合わせて36の規制当局でした。求めている内容は、大きく3つに整理できます。

1つ目は、選手やコーチ、審判、チームスタッフ、さらにその家族に対して嫌がらせや暴力的な脅迫を行った人物を、合法スポーツブックから終身で締め出すことです。対象はプロだけでなくアマチュア競技者にも及びます。違反者は州をまたいで共有される排除リストに掲載される構想で、1つの州で締め出された人物が隣の州で賭け続けられるという抜け道をふさぐ狙いが読み取れます。

2つ目は通報経路の一本化です。脅迫や嫌がらせの証拠を、規制当局と捜査機関へ速やかに届けられる仕組みを整えるよう求めています。3つ目が事業者側の説明責任で、ブックメーカーやモバイル賭博事業者が自ら悪質な行為とひもづくアカウントを監視し、印を付け、凍結する体制を用意すべきだという内容でした。

書簡には「スポーツ賭博をめぐってアスリートやその家族の安全を脅かす行為は、倫理的にも刑事的にも明確な一線を越えている」という一文が置かれています。競技の垣根を越えた5リーグが同じ文面に名を連ねること自体、これまでほとんど例がありません。そこにWNBAだけがいない、という絵になったわけです。

「深く失望しています」——除外はWNBA側の選択ではありませんでした

WNBA選手会のテリー・カーマイケル・ジャクソン専務理事は、除外は選手会の意思ではなく、NBAが加えないと判断した結果だと説明しました。声明は「深く失望しています」という言葉から始まります。過去数シーズンにわたって所属選手が賭博に絡む嫌がらせを公然と受けてきたにもかかわらず、まさにその問題を扱うための共同声明にWNBAの選手は含まれるに値しないと判断された、という主旨でした。

引っかかるのは、WNBAもまた公認賭博事業者を一覧にして公開しているという点です。NBAと同じように、賭けの対象として市場に組み込まれている。それなのに、守る側の枠組みからだけ外れた形になりました。収益の側では同じ土俵に立ち、保護の側では別扱いになる。この非対称は、数字で説明しにくいぶん、選手の受け止めとしては重く残るはずです。

嫌がらせが起きていないわけでもありません。ナターシャ・クラウドをはじめ、賭博絡みの被害を公にした選手は複数います。今年7月にはWNBAと選手会が共同声明を出し、選手に届く人種差別的で脅迫的なメッセージに向き合う姿勢を示したばかりでした。合法化されたスポーツ賭博の広がりは大学アスリートや女子テニス選手にも同じ形で及んでいて、女子スポーツが標的になりやすい構造は、すでに何度も指摘されています。だからこそ、今回の線引きは説明が難しくなります。

次期コミッショナー選びと重なったタイミング

このニュースが刺さるのは、時期のせいでもあります。エンゲルバートが年内での退任を表明し、後任選びが進行中です。カニンガムはアダム・シルバーから次期コミッショナー人事について相談を受けたと明かしました。つまり「WNBAの意思決定は、どこまでNBAの延長線上にあるのか」という問いが、いま最も開いている状態にあります。

今回の除外は、その問いに対する現状の答えのように見えてしまいます。守るための制度設計の場に、WNBAの選手だけ席がなかった。次期コミッショナーが誰になるにせよ、この一件は就任直後に説明を求められる案件のひとつになるはずです。

一方で、選手会の側にも動き方は残されています。36の規制当局という極めて強いチャンネルに今回は乗れませんでしたが、書簡の枠組みが動き出したあとに後から合流するのか、それとも独自のルートで各州へ働きかけるのか。筆者は、選手会が単独で規制当局に接触する道を選ぶ可能性は十分あると見ています。今回の声明は、そのための地ならしとして機能しているようにも読めます。次のCBA交渉を控えた立場から見れば、「NBAに外された」という事実そのものが交渉材料になり得るからです。

リーグは9月17日に再開、レギュラーシーズンは残り1週間

WNBAはW杯による中断を終えて9月17日に再開し、レギュラーシーズンは9月24日に終了します。残り1週間あまりでプレーオフのシードが確定する、最も密度の高い期間に入ります。コート上では順位争いが一気に加速する一方で、コートの外ではリーグの立ち位置をめぐる議論が続くことになりそうです。試合の行方と合わせて、この書簡がどこへ着地するのかにも注目したいところです。

引用:https://sports.yahoo.com/nfl/article/nfl-mlb-nba-other-pro-leagues-band-together-to-crack-down-on-betting-related-harassment-wnbpa-slams-exclusion-135902128.html

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