マブリー

なぜブロンデロは最終戦で「このリーグにいるべきじゃない」と言い放ったのか

 

トロント・テンポを率いるサンディ・ブロンデロHCが、2026年9月20日のホーム最終戦を前に、チームの土台となる哲学について踏み込んだ発言をしました。「困難を受け入れられないなら、恐らくこのリーグにいるべきではない」——この言葉は特定の選手ではなくチーム全体の選手選考基準について語ったものですが、11勝29敗という初シーズンの厳しい現実を前にすると、重みを持って響きます。ニューヨーク・リバティのHCも務めた経験を持つブロンデロにとって、拡張チームでの船出は、決して平坦なものではなかったことがうかがえます。筆者としては、勝敗以上にチームの「芯」を語ろうとする姿勢にこそ、この発言の本質があると感じました。

106対69の完敗が突きつけた現実

9月20日、テンポはニューヨーク・リバティを本拠地に迎え、69対106という37点差の完敗を喫しました。この試合はテンポにとって今季最後のホームゲームとなりました。相手のブレアナ・スチュワートは27得点8リバウンド4アシスト2スティール1ブロックという圧巻の内容で試合を支配し、テンポの反撃を許しませんでした。ブロンデロが「困難を受け入れられないなら、このリーグにいるべきではない」と語ったのは、こうした苦しい状況の中で、キャラクターと努力を意図的に重視した選手獲得方針を説明する文脈でした。テンポは数週間前の時点で既にプレーオフ進出が数学的に消滅しており、この最終ホームゲームは消化試合という側面も強いものでした。チーム通算成績は11勝29敗(勝率.289)、イースタン・カンファレンス13位という結果に終わっています。

開幕直後の勢いと終盤の失速という落差

今シーズンのテンポは、決して常に苦しんでいたわけではありません。6月25日のロサンゼルス・スパークス戦では125対97で快勝し、エースのマリーナ・マブリーはこの試合でキャリアハイとなる53得点を記録しました。しかしシーズン終盤の8月から9月にかけては1勝11敗という壊滅的な成績に沈み、ホーム7勝13敗・ロード4勝16敗という対照的な数字が残りました。背景には主力の相次ぐ離脱があります。エースのマブリーはシーズン終盤に内転筋の負傷でシーズンを絶望、さらにサイクスやモローといった選手も故障でシーズンを終えました。主軸を欠いた終盤戦は、拡張チームが直面しがちな選手層の薄さという課題を浮き彫りにしました。ブロンデロにとっても、指揮官として10年以上のキャリアで初めてプレーオフに導けなかったシーズンとなり、苦い経験となったはずです。それでも開幕直後の勢いを知っているだけに、今季の失速は根本的な実力不足というより、層の薄さが露呈した結果だと捉える方が実態に近いのではないでしょうか。

キキ・ライスの成長に見る来季への伏線

厳しい初シーズンの中で希望となったのが、UCLA出身のルーキーガード、キキ・ライスの存在です。試合によっては15点から24点を記録するなど、安定した活躍を見せ、経験を積みながら着実に持ち味を出しました。ブロンデロが語った「キャラクターと努力を受け入れられる選手を意図的に集める」という方針は、目先の勝敗だけでなく、来シーズン以降のチーム作りに向けたメッセージとも受け取れます。故障者が復帰し、ライスのような若手が経験を積んだ来季のテンポが、初年度の悔しさをどう力に変えるのか注目が集まります。拡張チームの真価は1年目ではなく、この悔しさをどう次に繋げるかで問われるものです。

テンポは今季残り試合を消化しながらシーズンを終える見込みです。来オフシーズンには、ドラフトや補強を通じたロースター再編の行方が焦点となりそうです。WNBA公式サイトおよび配信サービスで、シーズン最終盤の各試合が視聴可能です。

引用:TSN.ca

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