今シーズンのプレーオフ進出を目前に控えたラスベガス・エーシズに、思わぬ角度から一石が投じられました。ヘッドコーチのベッキー・ハモンが、地区の区別なく上位8チームが進出する現行プレーオフ方式、とりわけ1回戦の「1-1-1」形式に強い違和感を示したのです。レギュラーシーズン終盤の大事な時期に指揮官自らが制度そのものへ疑問を投げかける展開は、ファンの間でも波紋を呼びそうです。
29勝13敗、第3シードの現在地
エーシズは残り2試合を残して29勝13敗、リーグ全体で第3シードに位置しています。1回戦の相手は第6シードのワシントン・ミスティックスとなる見込みで、対戦方式はベスト・オブ・スリー、いわゆる「1-1-1」です。第1戦を上位シードの本拠地、第2戦を下位シードの本拠地、そして必要になった場合の第3戦を再び上位シードの本拠地で行う仕組みで、レギュラーシーズンを勝ち抜いた上位チームに一定の利点を与える設計になっています。ところがハモンは、この設計が実際には上位シードに十分な恩恵をもたらしていないと感じているようです。エーシズの公式YouTubeチャンネルの取材に応じたハモンは「1-1-1では、上位シードに実質的な優位性はほとんどありません」と本音を語りました。加えて、2勝先取のうち1勝を上位シード側に厚く配分する「2-1」方式か、いっそベスト・オブ・ファイブへの拡大が望ましいという考えも示しています。あくまで自身が決められる話ではないと前置きしたうえでの発言でしたが、優勝候補の一角を率いる指揮官の言葉だけに重みがあります。
なぜ1回戦だけが「1-1-1」なのか
現行のプレーオフ制度は2022年に導入されたもので、それ以前の東西カンファレンス制を廃止し、全30試合の成績のみで上位8チームを選ぶ単一の順位表に一本化されました。ラウンドごとの試合方式にも段階があり、準決勝はベスト・オブ・ファイブの「2-2-1」、ファイナルはベスト・オブ・セブンの「2-2-1-1-1」と、進めば進むほど上位シードの本拠地開催数が積み上がる仕組みになっています。1回戦だけが唯一、上位シードの本拠地開催が最大2試合、下位シードが1試合という薄いアドバンテージにとどまっており、ハモンの指摘はまさにこの段差を突いたものといえます。エーシズは2022年、2023年とファイナルを制した経験を持ち、短期決戦の怖さを誰よりも知るチームです。だからこそ、たった3試合で終わる1回戦の設計に敏感にならざるを得ない事情がうかがえます。
「1試合の重み」がもたらす独自考察
短期シリーズでは、レギュラーシーズンの実力差がそのまま結果に反映されるとは限りません。29勝13敗というエーシズの貯金も、初戦を落とせば一気にプレッシャーへと変わります。本拠地で連勝すれば大きな問題にはなりませんが、初戦で足をすくわれた場合、残り2試合のうち1試合は必ずアウェーで戦う必要があり、格上のはずのチームが土俵際に追い込まれる構図は十分にあり得ます。ハモンが求める「2-1」や「ベスト・オブ・ファイブ」への変更は、まさにこの一発勝負に近い緊張感を薄め、シーズンを通じた実力差をより結果に反映させたいという狙いだと考えられます。一方で、短期決戦ならではの波乱こそがプレーオフの醍醐味だという見方も根強く、制度変更にはリーグ全体での合意形成が欠かせません。今シーズン中の変更は考えにくいものの、有力チームの指揮官がここまではっきりと異議を唱えたことで、オフシーズンの議論に発展する可能性は十分にあるでしょう。
エーシズの今後とプレーオフ展望
エーシズは残る2試合の結果次第でシードが変動する可能性もあり、まずは目の前の一戦一戦に集中する必要があります。1回戦の対戦相手と目される第6シードのミスティックス戦を含め、詳細な日程はリーグ公式サイトで随時発表される見通しです。連覇経験を持つ王者候補が、制度への不満を抱えたままどのように1回戦を乗り切るのか、開幕前から目が離せない展開になってきました。
引用:https://sports.yahoo.com/articles/no-advantage-aces-coach-expresses-110500152.html

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