シリーズの行方を左右しかねない、あまりに後味の悪い4.3秒でした。WNBAセミファイナルのGame 2、延長戦の終盤にリバティが使えたはずのリセットタイムアウトを巡って、ブリアナ・ステュワートと審判団の説明が真っ向から食い違っています。結果的にリバティはドリームにスイープされて敗退しましたが、この一件はプレーオフの審判運営のあり方に疑問を残しました。
正直なところ、勝敗そのものよりも「選手が確認したのに正しい情報が届かなかった」という構図が一番引っかかります。時系列を整理しながら、何が問題なのかを考えます。
延長戦の4.3秒に起きたこと
舞台は10月7日(現地時間)にアトランタで行われたGame 2です。試合はドリームが101対98で延長を制しました。延長戦の終盤、ドリームのエンジェル・リースが4.3秒を残してフリースローを2本沈め、リードを3点に広げました。
ここでリバティは自陣のゴール下からボールを入れ、コートを端から端まで運ぶ形になりました。ステュワートは約32フィート(約9.8メートル)のブザー前の一発を放ちましたが、決まりませんでした。リセットタイムアウトが残っていれば、ベンチに戻らずにボールを前線へ進めた状態から再開できたため、状況はまるで違っていたはずです。
ステュワートの説明によれば、彼女はケビン・フェイヒー審判に「リセットタイムアウトは残っているか」と尋ね、フェイヒー審判がテーブルに確認し、さらにクルーチーフに相談したうえで「ない」と伝えられたといいます。本人は「審判のせいにしているわけではない」と前置きしつつ、「とてもフラストレーションがたまる」と話しました。クリス・デマルコHCも同様にタイムアウトはないと告げられたと説明しています。引用元はAP配信記事です。
審判団の説明と食い違う点
一方、試合後に出されたプールレポートでは、クルーチーフのファトゥ・シソコ・ステファンスが、リースのフリースローの合間にフェイヒー審判が相棒に確認し、リバティにリセットタイムアウトが残っていると確認したと説明しています。ステュワートはその際フェイヒー審判の後ろに立っていたとも述べられました。さらに、リーグ側はタイムアウトの管理はスコアラーズテーブルと統計スタッフが行うもので、各チームも自分たちの使用状況を把握する責任があり、審判は公式には数えていないと説明しています。
つまり、選手側は「ないと言われた」、審判側は「あると確認したが選手には直接伝えていない」という主張です。ここまで食い違うこと自体が、現場の情報伝達に穴があった証拠ではないでしょうか。ちなみにドリームのカール・スメスコHCも、リバティにはタイムアウトが残っていてボールを前に進めてくると思っていたと話しています。
過去との比較と背景
リバティはこの試合で延長に入る前から、すでにターンオーバーに苦しんでいました。TSNによると、Game 2のターンオーバーは16個で、そこからドリームに28得点を許しています。2試合合計では35個のターンオーバーを強いられました。タイムアウト問題が勝敗のすべてではないにせよ、薄氷の勝負だったからこそ一つの判断が重くなった形です。
加えて、リバティは第8シードから勝ち上がってきたチームでした。ドリームがアリーシャ・グレイを欠いた試合でもあり、そこでつかみかけた1勝を逃したショックは小さくなかったと思います。WNBAのプレーオフでは過去に0勝2敗から逆転したチームがなく、この敗戦でリバティはいよいよ崖っぷちに立たされました。詳しい数字はTSNの記事にまとまっています。
さらに、The IXの報道では、この件についてWNBAが調査に乗り出したと伝えられています。ただし、リーグ自身の声明は私が確認できた範囲では出ていないため、調査の中身や結論は現時点で要確認としておきます。リバティが公式に問い合わせを行ったことは複数の媒体が伝えており、詳細はThe IXの報道でも触れられています。
今後の展望と考察
このシリーズはその後のGame 3でドリームがスイープを決め、リバティの今季は終わりました。それでも、今回の件は終わった話にはなりません。オフシーズンにリーグが何を検証し、どんな改善策を示すのかが焦点です。
私が注目したいのは、タイムアウトの残数をどう「見える化」するかです。選手が審判に尋ねても答えが揺れるなら、せめて電光掲示やテーブルからの明確な合図があるべきでしょう。WNBAがルール運用の透明性を高められるかが問われます。
もうひとつの論点は、チーム側の責任です。リーグは各チームにも使用状況の把握を求めています。タイムアウトを数える役目をベンチのスタッフが担っていたのか、そこが検証の対象になるのかは要確認です。ファンの間でも、審判の責任か、ベンチの管理不足かで意見が割れそうな話題です。みなさんはどちらの責任が重いと思いますか。
今後の観戦情報
リバティを下したドリームは、WNBAファイナルでゴールデンステート・ヴァルキリーズと対戦します。創設2年目で決勝進出を決めたヴァルキリーズと、2013年以来の頂点を目指すドリームの顔合わせです。日程や放送の詳細は公式サイトで確認してください。

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