NBAがまたしても契約調査に乗り出しました。7月16日(現地時間)、ミルウォーキー・バックスがゲイリー・トレントJr.との4年総額6400万ドルの契約を正式発表した、まさにその日に、リーグがこの契約を調査していると複数の米メディアが報じたのです。平均8.1得点に終わった選手への大型契約は合意報道の時点からリーグ中に困惑を広げていましたが、ついにリーグが公式に動いた形です。
数字が語る「不可解な契約」
トレントJr.は2024年オフに1年260万ドルのミニマム契約でバックスに加入しました。2024-25シーズンは74試合で平均11.1得点と復調し、2025年オフには2年750万ドル(2年目はプレーヤーオプション)で再契約しています。しかし2025-26シーズンは平均8.1得点、1.2アシストと、ルーキーイヤー以来の低水準に沈みました。
それにもかかわらず、オプションを行使せずFAとなった今オフ、バックスが提示したのは年平均1600万ドル、総額6400万ドルという破格の条件でした。直近2年の年俸が260万ドル、370万ドルだったことを考えれば数倍のジャンプアップであり、成績が下降した27歳のガードへの契約としては、市場の相場観から大きく外れていると言わざるを得ません。ESPNのシャムズ・シャラニア記者によれば、NBAの広報担当者は契約の正式発表当日に調査の事実を認めています。
疑われる「事前密約」と26年前の前例
リーグが調べているのは、サラリーキャップ回避、いわゆるサーカムベンションの可能性です。つまり、2024年や2025年の契約時に「今は安く契約する代わりに、将来の高額契約で報いる」という水面下の約束があったのではないか、という疑いです。
この構図で思い出されるのが、2000年のジョー・スミス事件です。ティンバーウルブズはスミスとの裏契約が発覚し、350万ドルの罰金に加えてドラフト1巡目指名権を複数剥奪されるという極めて重い処分を受けました。もし今回も違反が認定されれば、契約無効や指名権剥奪といった厳罰が現実味を帯びます。なお、NBAが現在進行形で調査している契約案件は、クリッパーズとカワイ・レナードを巡る一件に続き、これが2件目となります。
近年のNBAは、セカンドエイプロンの導入などサラリーキャップ制度の厳格化を進めており、契約の公平性に対するリーグの目はかつてないほど厳しくなっています。抜け道を許せば、誠実にルールを守る他の29球団との競争バランスが崩れるため、リーグとしても徹底調査の姿勢を示す必要があるのでしょう。
バックスの言い分と再建期への影響
一方、バックス側にも反論の余地はあります。トレントJr.はヤニス・アデトクンボとともに優勝を目指すため、あえて相場より安い契約を受け入れてきたという見方が可能で、密約の証拠がなければ、功労者への実績評価だと説明することもできるからです。実際、合意を最初に伝えたESPNの報道では、トレントJr.には複数球団が関心を示し、サイン・アンド・トレードの検討まで行われていたとされています。
ただ皮肉なことに、そのヤニスは今年6月にヒートへトレードされ、バックスは本格的な再建期に突入しました。再建途上のチームがベンチガードに4年契約を与える合理性をどう説明するのか。調査の行方次第では、リーグ全体の契約慣行に一石を投じる案件になるかもしれません。
今後の注目ポイント
調査にどの程度の期間がかかるかは明らかになっていません。カワイ・レナードの調査と合わせ、シーズン開幕前のNBAはコート外でも波乱含みです。続報が入り次第、当ブログでもお伝えしていきます。
引用:https://sports.yahoo.com/articles/why-nba-investigating-bucks-over-170310239.html

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