カイリー

全休明けの34歳に殺到するトレード打診をマブスが全部断っている──ウジリ体制が守ろうとするカイリーとフラッグの一年

 

レブロンの移籍先が決まり、今夏のFA市場は終盤に差し掛かりました。その裏で静かに続いているのが、カイリー・アービングをめぐる各球団からの問い合わせです。そしてマーベリックスは、そのすべてを断り続けています。前十字靱帯断裂で丸一年を棒に振った34歳を、再建の入り口にいるチームがなぜ手放さないのか。筆者はこの判断に、単なる情の話では説明しきれない計算を感じています。

「打診は来ている、しかし動かない」というダラスの姿勢

NBA記者のマーク・スタインは、マーベリックスが通算9度のオールスター選出を誇る34歳へのトレード打診を拒み続けていると伝えました。スタインによれば、先月の報道以降の想定は変わっておらず、アービングは新人王に輝いたクーパー・フラッグとともにダラスで新シーズンを迎え、待望の復帰を果たすというものです。膝の手術は2025年3月末。そこから長いリハビリを経て、ようやくコートに戻る準備が整いつつあります。

問い合わせが集まること自体は不思議ではありません。今夏はガードの供給が細く、質の高いハンドラーを求めるチームは複数あります。アービングは万全であればリーグ屈指のスコアリングガードであり、契約も残っています。それでもダラスは6月中旬から一貫して「売らない」という姿勢を崩していない、というのがスタインの整理です。詳細はNBC Sportsの記事にまとまっています。

フロント総取り換えの夏に、あえて残した一人

ここ1年のダラスは、球団の骨格そのものを組み替えました。バスケットボール部門の社長にマサイ・ウジリが就任し、GM職にはマイク・シュミッツが座っています。ドラフト1巡目ではモリーズ・ジョンソンJr.とセルヒオ・デ・ラレアを指名し、トレードとFAでサンティ・アルダマ、ザカリー・リサシェ、タリク・ビベロビッチを迎え入れました。つまり、この夏のマーベリックスは動かなかったのではなく、アービング以外のほぼすべてを動かしています。

その中で34歳を残す判断には、明確な意図が見えます。フラッグは1年目からリーグの新人王に選ばれましたが、若いチームが伸び悩む典型的な原因は、終盤の得点を作れる選手の不在です。アービングは、フラッグに「勝負どころの逃げ道」を与えられる数少ない存在です。加えて、故障明けで市場価値が最も低い今この瞬間に売り払うのは、資産運用としても筋が悪い。ウジリはトロント時代から、価値が底にある選手を安売りしない判断を重ねてきた人物でもあります。

動くとすれば2月、という現実的なシナリオ

とはいえ、この方針が来春まで続く保証はありません。ダラスがプレーオフ争いから脱落した場合、トレード期限が近づくにつれて状況は変わり得ます。実際、シーズン半ば以降に話が再燃する可能性は各所で指摘されています。復帰後の数十試合でアービングが以前の水準に近いパフォーマンスを見せれば、そのときの評価額は今夏の比ではありません。売らないという判断は、裏返せば「高く売れる状態まで待つ」という選択でもあります。

同じダラスでは、クレイ・トンプソンとダニエル・ギャフォードの名前もトレード候補として挙がり続けています。トンプソンは契約最終年の1750万ドルを残しており、ヒートが約800万ドルのミッドレベル例外を使った獲得を狙っているものの、ダラス側にはバイアウトを急ぐ財政的・ロスター的な理由がありません。ここでも構図は同じで、マーベリックスは「焦らない側」に立っています。フロントが総入れ替えされた直後の球団としては、驚くほど落ち着いた振る舞いです。

開幕に向けて

アービングの復帰時期、そしてフラッグ2年目のバックコート構成が、2026-27シーズンのダラスを占う最大のポイントになります。開幕は10月。日本からは配信サービスでの観戦が中心になりますが、丸一年ぶりにコートへ戻る9度のオールスターがどこまで戻せるのか、その一点だけでも見る価値のあるシーズンになりそうです。

引用:https://sports.yahoo.com/articles/nba-rumors-warriors-planning-life-185339924.html

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