ダラス・ウィングスのペイジ・ベッカーズが、現役のWNBA選手だけで「究極のスターティング5」を組む企画に登場しました。スポーツ・イラストレイテッドが2026年7月28日に公開したこの動画で、ベッカーズがシューティングガードに指名したのはケイトリン・クラークでした。自身2度目のオールスターを戦い終えた直後というタイミング、そして大学時代からの因縁を思えば、この一票はただの人気投票以上の重みを持っているように感じます。ライバルとして語られ続けてきた相手を、最強の5人に迷いなく入れる。そこにベッカーズという選手の物差しが見えてきます。
ベッカーズが並べた5人と、2026年シーズンの数字
ベッカーズが挙げた顔ぶれは次のとおりです。
- ポイントガード:オリビア・マイルズ(ミネソタ・リンクス)
- シューティングガード:ケイトリン・クラーク(インディアナ・フィーバー)
- スモールフォワード:ナフィーサ・コリアー(ミネソタ・リンクス)
- パワーフォワード:ブリアナ・スチュワート(ニューヨーク・リバティ)
- センター:エイジャ・ウィルソン(ラスベガス・エーシズ)
Basketball-Referenceの2026年シーズン集計(7月29日時点)を並べると、この5人の重さがはっきりします。ウィルソンは平均25.6得点でリーグ1位、ブロック2.0本も1位、ウィンシェア4.8も全体トップという文句のつけようがない数字です。スチュワートは21.1得点でリーグ4位、リバウンド8.6本で10位、ブロック1.4本で9位と、フォワードとして攻守どちらにも数字を残しています。クラークは20.7得点でリーグ7位、そして平均7.8アシストはアリッサ・トーマスの8.1に次ぐリーグ2位です。マイルズは19.6得点で10位、5.9アシストで7位と、1年目の選手が並べていい数字ではありません。
興味深いのは、得点ランキング2位のケルシー・プラム(23.9得点)と3位のケルシー・ミッチェル(23.3得点)が選ばれていない点です。ベッカーズは単純な得点順ではなく、ボールを持ったときの創造性や守備での貢献まで含めた総合力で5人を組み立てたように見えます。長期離脱から戻ったばかりで、シーズン集計のリーダーボードにすら顔を出していないコリアーを迷わず入れているのも、その表れでしょう。数字が出ていない今この瞬間ではなく、フルシーズン戦ったときの姿を基準にしている、ということです。
そしてもうひとつ見逃せないのが、ベッカーズ自身が20.9得点でリーグ6位、6.2アシストで6位という成績を残しながら、自分を5人に含めなかったことです。
大学時代の2試合が、いまも二人の関係の土台にある
クラークとベッカーズの関係は、WNBAに来る前から始まっています。UConnとアイオワはNCAAトーナメントで二度ぶつかりました。2021年のスウィート16ではUConnが92-72で勝ち、ベッカーズが18得点9リバウンド8アシストという万能ぶりを見せています。それから3年後、2024年のファイナル4ではアイオワが71-69で雪辱を果たし、クラークが21得点9リバウンド7アシストで牽引しました。1勝1敗、そして決着はついていません。
プロに入ってからも、二人は直近2年の新人王という並びで語られてきました。クラークが2024年、ベッカーズが2025年です。外から打ち抜く力と、味方を使う力の両方を持っているという共通点があり、比較の対象にされ続けてきました。ただ、比較され続けた選手が相手をリーグ最強の5人に入れるというのは、対立の構図で消費されがちな二人の関係が、実際にはもっと素直なものであることを示しています。
この人選が映し出す、2026年のリーグ勢力図
5人の構成を見ると、いまのWNBAがどこに重心を置いているかが浮かんできます。ミネソタから2人(マイルズとコリアー)、そしてラスベガス、ニューヨーク、インディアナから1人ずつ。優勝候補と話題性の中心が、ほぼそのまま反映された形です。
さらに言えば、この5人はキャリアの段階が見事に分かれています。ウィルソンとスチュワートというリーグを支配してきた実績組、コリアーという全盛期の中心、そしてクラークとマイルズという次の10年を引っ張る若手。ベッカーズは「今もっとも強い5人」を選びながら、結果的に世代の橋渡しになる並びをつくったことになります。
もっとも、この5人を実際に同じコートに立たせたら機能するのかというと、そこは別の話です。マイルズとクラークという二人のボールハンドラーが同時にいる編成は、ボールが片方に偏ればどちらかの良さが死にます。逆に、両方が打てて両方が配れるからこそ、守る側にとっては最悪の組み合わせにもなり得ます。ファンの間で議論が割れるのは、まさにこの点でしょう。
8月2日のトレード期限を前に、話題は再び現場へ
オールスターが終わり、リーグはすぐに後半戦へ入りました。8月2日にはトレード期限が控えており、各チームの補強と整理が一気に進む時期です。フィーバーは金曜にポートランド、日曜にミネソタへと遠征を続けます。ミネソタ戦は、ベッカーズが挙げた5人のうち3人が同じコートに立つ試合ということになります。
こうした「最強の5人」談義は、シーズンが動き出せばすぐに次の話題に押し流されていきます。それでも、現役の一流選手が誰を認めているかという情報は、順位表やスタッツでは見えないリーグの評価軸を教えてくれます。後半戦の各チームの動きと合わせて追いかけると、より面白く見えてくるはずです。
引用:https://www.thebiglead.com/paige-bueckers-includes-caitlin-clark-all-star-starting-5/

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