8月1日、フェニックスでのマーキュリー戦。リバティが94対92の激闘を制した夜、コートで目を引いたのはスコアボードだけではありませんでした。イオネスクの足元にあったのは、ナイキ「サブリナ4」の未発表カラー、通称「スラーピー」です。セブンイレブンで売られている氷菓飲料をそのまま写し取ったような配色ですが、これは単なる遊び心ではありません。彼女がプロになるずっと前、双子の兄と過ごした時間がそのまま一足に落とし込まれています。派手なロゴでも記録でもなく、コンビニの飲み物で自分を語ります。この選び方こそがイオネスクらしいと感じました。
27得点10アシストの夜に、新色は初めて姿を見せました
ブリーチャー・リポートによれば、この日イオネスクが履いていたのが「スラーピー」カラーのサブリナ4でした。シューズ業界に詳しいニック・デパウラの情報として、双子の兄とコートを渡り歩いてセブンイレブンで使うお金を稼いでいた、という過去の経験が着想源だと伝えられています。
内容も申し分ありませんでした。両チーム最多となる27得点に10アシスト。フィールドゴールは19本中9本、3ポイントは10本中4本、さらに7リバウンド1スティールを記録しています。リバティはこの勝利で17勝13敗となり、8月1日時点でリーグ8位。今季のイオネスクは平均16.2得点4.6アシスト4.1リバウンド、フィールドゴール成功率42.2パーセント、3ポイント成功率34.2パーセントという数字です。足首の負傷でシーズン開幕に間に合わなかったことを考えれば、攻撃の中心にきっちり戻ってきたと言っていいでしょう。
「スラーピー」は2作目でも一度、商品になっていました
この配色には前史があります。2025年5月17日、ナイキは「サブリナ2」でバルティックブルーとユニバーシティレッドを組み合わせた「スラーピー」を130ドルで発売しました。試合終わりにコンビニで冷たい飲み物を買うのが兄弟との習慣だった、という背景もそのときに紹介されています。つまり今回のサブリナ4は、モデルを一つまたいで同じ物語をもう一度立ち上げた形になります。
4作目そのものは2026年7月17日、「ライムライトグロー」で発売されました。価格は大人サイズが135ドル、グレードスクールが107ドル、プリスクールが97ドル。中身も大きく変わり、シリーズで初めてTPU製の「フライプレート」を搭載し、前足部のエアズームとクッションロン3.0を組み合わせています。フライプレートはもともとランニングシューズ由来の技術で、イオネスクはスニーカーニュースのインタビューで、アイデアはナイキ側から持ち込まれたものだと明かしています。「スタート地点に立つランナーのように、自分を前へ押し出している感覚に近いのです」と、バスケットボールへの応用に手応えを語りました。
4作目まで届いた選手が、生活の断片を売っているという事実
女子バスケットボール選手のシグネチャーシューズが4作目まで続くこと自体、決して当たり前ではありません。同じ2026年、クラークは初のシグネチャー「ケイトリン1」を10月に控え、NBAではウェンバンヤマがナイキとの契約にたどり着いたばかりです。市場が一気に広がっているこの局面で、イオネスクはすでに4周目を走っているわけです。
そして彼女の売り方は驚くほど一貫しています。強さや数字を前面に出すのではなく、コンビニの飲み物、母校オレゴン大学の色、ニューヨークの空気といった生活の断片を配色に変換していきます。前出のインタビューでは、全ての配色の設計に自ら関わっていると話しています。仮に今回の「スラーピー」が一般発売されれば、2025年にサブリナ2を買ったファンが、同じ思い出を別のモデルでもう一度買うことになります。ブランドから見れば、これほど効率の良い資産の使い方はそうありません。
一方で、現時点では「スラーピー」のサブリナ4について発売日も価格も公表されていません。選手着用限定のPEで終わるのか、それとも店頭に並ぶのかはまだ読めませんが、物語の強さを考えれば後者を期待したくなるところです。
リバティの残りと、いま買える一足
リバティは17勝13敗でプレーオフ圏の8位につけています。2024年に優勝を経験しているチームだけに、この位置のままポストシーズンへ入るのか、順位を押し上げて臨むのかで見える景色はまるで変わります。イオネスクの得点とアシストがどこまで伸びるかは、そのまま順位表に直結する数字です。
「スラーピー」はまだ手に入りませんが、サブリナ4そのものは「ライムライトグロー」が7月17日から135ドルで展開されています。フルファミリーサイズ展開のため、大人から子どもまで同じ配色を選べる点も、このシリーズが支持されてきた理由の一つです。次にイオネスクが足元に何を忍ばせてくるのか、そこも含めて残りのシーズンを追いかけたいと思います。

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