現地8月1日、南カリフォルニアで開かれたUSAバスケットボール財団のチャリティーイベントで、サンダーのチェット・ホルムグレンが今オフのロスター再編について心境を語りました。2025年の優勝メンバー3人が別々のトレードでチームを去ったことについて、彼が使った表現は「家族を失うようだった」というものです。淡々と補強と放出を積み上げてきたオクラホマシティのフロントワークを、選手側の目線から語った言葉として重みがありました。
消えた3人と、残されたロスターの数字
チームを離れたのはルゲンツ・ドート、アーロン・ウィギンズ、アイザイア・ジョーの3人です。ドートは長年先発を務めてきた外周の守備職人、ウィギンズは控えのウイング、ジョーはシューティングを武器にするバックアップという、それぞれ役割の異なる面々でした。ドートとウィギンズはホークスへ、ジョーはピストンズへ移っています。
注目すべきは対価です。サム・プレスティは3人を放出して、将来の2巡目指名権を合計7つ得ました。1巡目ではなく2巡目、しかも7つです。これは戦力を得るためのトレードではなく、明確にサラリー削減を目的とした整理だったことを意味します。そして削減した分の原資で、サンダーはフリーエージェントのアイザイア・ハーテンステインを3年7500万ドルで残留させました。優勝メンバーの3人を手放して、7フッターのビッグマン1人を確保しました。それが今のオクラホマシティが直面している現実です。
優勝から一転、第7戦で終わった連覇への挑戦
背景には2025年と2026年の対照的な結末があります。2025年、サンダーはファイナルでペイサーズを退けて頂点に立ちました。ところが2026年の連覇挑戦は、ウェスタン・カンファレンス決勝で止まります。ジェイレン・ウィリアムズとエイジェイ・ミッチェルが負傷を抱える中、ウェンバンヤマ擁するスパーズに第7戦で敗れました。
ホルムグレン個人にとっても、この敗退は苦い記憶です。24歳の彼は昨シーズン平均17.1得点8.9リバウンド1.9ブロックを記録して自身初のオールスターに選出されましたが、スパーズとのシリーズでは苦戦が続き、運命の第7戦は4得点4リバウンドに終わりました。エースであるべき場面で存在感を消されたビッグマンが、オフの間じゅう体育館にこもって自分の課題を正すのが自分の仕事だ、という趣旨の言葉を口にしたのは、極めて自然な流れに思えます。
高額契約3本を抱えた王者に残された選択肢
なぜプレスティはここまで大胆に切ったのか。答えは契約構造にあります。2度のMVPに輝いたシャイ・ギルジャス・アレクサンダー、オールスターフォワードのジェイレン・ウィリアムズ、そしてホルムグレンの3人が、いずれも高額の長期契約に入っているからです。若く安い契約の選手を大量に抱えることで成立していたこれまでのサンダーの構造は、優勝という成果によって形を変えざるを得なくなりました。ここから先は、コアの3人にリソースを集中させ、周辺は入れ替え続けるという運営に移行せざるを得ません。
それでもサンダーは2027年優勝の有力候補としてブックメーカーに扱われています。ここが興味深いところで、市場はドートやジョーの穴埋めよりも、ギルジャス・アレクサンダーとウィリアムズの健康、そしてホルムグレンのプレーオフでの安定を重視しているということでしょう。筆者もその見立てには同意しますが、リスクはむしろ守備の質に潜んでいると考えています。ドートという「相手のエースを消す装置」を失った影響は、レギュラーシーズンでは目立たなくても、プレーオフの1試合単位では確実に効いてくるはずです。ホルムグレンとハーテンステインのツインタワーがどこまでリムを守り切れるか。これが2026-27シーズンのサンダーを測る物差しになります。
王者の次の一手をどう追いかけるか
ホルムグレンはチームの判断に全幅の信頼を置いていると語り、自分の仕事は夏の間ずっと体育館で準備することだと繰り返しました。優勝した年も敗退した年も同じ教訓を残した、つまり保証などどこにもないという現実を再確認しただけだ、という趣旨の言葉も残しています。感情を認めながら、それでも過程は変えないという姿勢は、24歳としてはかなり成熟していると言えるでしょう。
2026-27シーズンの日程やチケット情報は、NBA公式サイトとサンダー公式サイトで順次更新されています。ホークスに移ったドートとウィギンズがオクラホマシティに戻ってくる試合、そしてスパーズとの再戦は、それだけで見どころ十分の一戦になるはずです。日程が発表されたら、まずその2カードに印を付けておくことをおすすめします。

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