オリビア・マイルズ

新人でMVPを獲ったのは史上キャンディス・パーカーただ1人──25勝6敗リンクスで得点もアシストも最多、マイルズが1年目に踏み込んだ聖域

 

リーグ最高勝率を走るミネソタ・リンクスで、得点もアシストもチーム最多を記録しているのが、1年目のオリビア・マイルズです。日曜のインディアナ・フィーバー戦で28得点を叩き出したあと、アメリカのメディアでは「新人王の話ではなく、MVP投票の話をすべきではないか」という論調が一気に増えました。開幕前にこの展開を読み切れていた人は、ほとんどいなかったはずです。ドラフト全体2位という評価は決して低くありませんが、1年目からMVP争いに名前が挙がる選手は、30シーズン目を迎えたWNBAでもほとんど前例がないからです。

前半だけで23得点、10連勝を呼び込んだ日曜の中身

8月2日、ホームで迎えたフィーバー戦のマイルズは、フィールドゴール14本中11本という異常な確率で28得点を記録しました。しかもそのうち23点を前半のうちに奪い、試合の流れを最初の20分でつくってしまっています。コートニー・ウィリアムズも27得点を加え、2人だけで55点。リンクスは108-100で振り切り、これで10連勝となりました。10連勝はチームとして2016年以来であり、今季のWNBAでは最長です。ナフィーサ・コリアーもこの試合で18得点を挙げ、通算得点で球団史3位のケイティ・スミスを追い抜いています。

今季のマイルズの平均は19.4得点5.8アシスト。得点はリーグ8位、アシストも8位につけ、オフェンシブ・ウィンシェアではリーグ5位に入っています。フィールドゴール成功率は5割を超え、フリースローは9割近い数字です。1年目の選手が、優勝候補の第一得点源と司令塔を同時に引き受けている状態で、チームは25勝6敗とリーグ全体の首位に立っています。

ルーキーでMVPを受賞したのは、史上キャンディス・パーカーだけです

WNBAの歴史で1年目にMVPを受賞したのは、2008年のキャンディス・パーカーしかいません。新人王とMVPを同じ年に持ち帰るというのは、それだけ現実味の薄い話でした。だからこそ、マイルズの名前がMVPの文脈で出てくること自体が、今季の異常さを表しています。

記録の積み上がり方も普通ではありません。通算500得点150アシストにはWNBA史上最速の26試合で到達し、400得点100アシスト100リバウンドも史上最速の22試合でクリアしました。1試合8本の3ポイントは、ケイトリン・クラークが持っていた新人記録の更新です。オールスターに先発した新人は史上9人目で、しかも直近4シーズンで4人目という時代の流れも味方しています。ドラフト全体2位という指名順が、数年後には笑い話になっている可能性すらあります。

票がどう割れるかが、この夏の最大の焦点になります

現時点の本命は依然としてエイジャ・ウィルソンです。ESPNのアワード企画も「誰がウィルソンを引きずり下ろせるのか」という組み立てで進んでおり、そこにクラーク、ペイジ・ベッカーズ、そしてコリアーが続きます。マイルズはその輪の外側から食い込んできた形です。

マイルズにとって最大の武器は、個人成績よりもむしろチーム成績だと考えています。MVP投票は勝率の高いチームの中心選手に集まりやすく、25勝6敗という数字はもっとも分かりやすい説得材料になります。一方で逆風もあります。新人という肩書きは「まず新人王を」という力学を生みやすく、同じリンクスにコリアーがいる以上、チーム内で票を食い合う可能性も残ります。

現実的な着地としては、新人王を独走で決めたうえでMVP投票の2位から3位に入る、あたりが妥当に見えます。ただし、コリアーが欠場していた期間にチームを崩さなかった貢献が改めて評価され、リンクスがこのまま勝ち続けるなら、話は変わってきます。

直接対決は8月8日、相手はMVPの本命です

リンクスは8月6日にロサンゼルス・スパークス、8日にホームでラスベガス・エーシズを迎えます。エーシズにはウィルソンがいますから、MVP候補同士の直接対決です。投票者の印象は、こうした大一番の数字で動きます。マイルズがどんな内容を残すのか、注目してみてください。

引用:https://www.swishappeal.com/wnba/82998/rookie-year-race-candidates-winner-leading-draft-pick-wings-lynx-storm-olivia-miles-azzi-fudd-awa-fam-favorite-mvp-award-records

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