延長戦の末に敗れたその日の夜、エンジェル・リースの名前がまったく別の文脈で拡散されました。元NBAのイネス・カンター・フリーダムが自身のXに投稿し、2027年のWNBAドラフトで全体1位指名されたあかつきには、最初にダンクを叩き込む相手をリースにすると書いたのです。8月上旬に伝わった2027年ドラフトへの志願表明が、ついに現役選手を名指しする段階まで来てしまいました。バスケットボールの話として読むにはあまりに筋の悪い挑発ですが、コート上のリースがその日に何を積み上げていたかを並べると、この投稿の空虚さがかえって際立ちます。
15点14リバウンド6アシスト、追い上げを牽引した末の1敗
8月16日、アトランタ・ドリームはインディアナ・フィーバーに95対91の延長で敗れました。リースはこの試合で15得点14リバウンド6アシストを記録し、終盤の猛追を先導しています。アリシャ・グレイが自己タイの32得点を挙げた一方、フィーバー側はマカイラ・ティンプソンがフィールドゴール13本中9本成功でキャリアハイの20得点7リバウンド、延長に入って最初の3本のフィールドゴールをすべて沈めました。ケイトリン・クラークは26得点9アシスト、ケルシー・ミッチェルは残り1分5秒の3ポイントで81対81に追いつき、延長残り13.6秒のレイアップで20得点に到達しています。ミッチェルはこれで19試合連続の20得点以上です。
ドリームは第4クォーター最後の攻撃で3本を外し、勝ち越しの機会を逃しました。この結果、フィーバーが23勝12敗で4位を維持し、ドリームは21勝13敗となっています。数字の上ではリースが敗因になった試合ではまったくなく、むしろチームを土俵際で支えた側でした。
制度への挑戦から、個人の名指しへ移りました
カンターの投稿は、元NBAドラフト16位のロイス・ホワイトとともに2027年WNBAドラフトへの志願を表明した一連の流れの延長線上にあります。争点はWNBAの参加資格が女性のみと曖昧に定められているだけで、それ以上の細目が労使協定に書き込まれていない点でした。リーグ側はその後に出した声明で、分断を狙う悪意ある試みを強く非難する姿勢を示しています。報道によれば、リーグは両者の宣言を真剣な脅威とはみなしておらず、規約の整備を急いで拙速に行うつもりもないようです。
今回の投稿が新しいのは、制度への挑戦という建前から離れ、現役の一選手を標的にした点です。カンターとリースの間にこれまで公の接点はなく、リースがカンターについて発言した記録もありません。オフェンスリバウンドを武器にするタイプという表面的な共通点を根拠に、リースを揶揄する材料として長く持ち出されてきた比較が、今度は当人の口から出てきた形です。
この夏、リースが実際に積み上げてきたもの
リースは移籍1年目のドリームで平均15点台の得点と11リバウンド超えを記録し、3年連続のオールスターに選ばれています。今季のリバウンドは384本に到達し、2024年にティナ・チャールズが記録した374本を上回って球団の1シーズン記録を更新しました。通算1000リバウンドには史上最速の79試合で到達しています。193センチという、この役割の選手としては決して大きくない体格で積み上げた数字です。
だからこそ、この挑発をどう扱うかは難しいところがあります。無視すれば拡散は止まらず、反応すれば相手の狙い通りに話題が広がるからです。ここ数週間、WNBAをめぐる会話がコート上ではなく場外の騒動に引きずられている状況には、ジェノ・オーリエマも苦言を呈していました。視聴者数が伸びた夏に、リーグが同時に抱え込んだ副作用がここに凝縮されています。筆者としては、ドリームがプレーオフ争いの佳境にいるいま、選手側が沈黙を選ぶのが最も合理的だと考えます。制度の穴は制度の側で塞ぐしかありません。
今後の試合と見どころ
ドリームは21勝13敗でプレーオフ圏内にとどまっていますが、23勝12敗のフィーバーとの差は詰まりきっていません。残り試合でリースがどこまでリバウンドの数字を伸ばし、チームを上位シードへ押し上げられるかが、シーズン終盤の見どころになります。フィーバー対ドリームは今季屈指のカードとして定着しており、次に両者が顔を合わせる際には、今回の一件がどう受け止められているかも含めて注目が集まりそうです。試合日程と順位表はWNBA公式サイトで確認できます。

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