8月25日、SEC(サウスイースタン・カンファレンス)が、NFL・NBA・WNBAでプレーした経験のある選手を加盟校のロースターに入れることを禁じる方針を発表しました。対象はフットボールだけでなく、男子と女子のバスケットボールにも及びます。ここ数週間、プロを経験した選手が大学に戻ろうとする動きが相次いでいた流れに対する、はっきりとした線引きです。バスケットボールを見ている側からすると、これは大学の話にとどまらない出来事だと感じます。
規定が禁じている範囲
発表された方針は、次のいずれかに当てはまる選手はSEC加盟校でプレーできない、という内容です。NFL・NBA・WNBAのドラフトに申請して撤回しなかった場合、プロ契約に署名した場合、そしてプロチームのロースターに登録された経験がある場合。3つ目が含まれていることで、実際に試合に出たかどうかは問われない形になります。
さらにこの方針では、グレッグ・サンキー コミッショナーに、違反した加盟校へ処分を科す権限が与えられました。カンファレンス側が自ら執行手段を握るという構図です。
同じ日の午後には、ビッグテンもNFL経験者の大学復帰を禁じる規定を発表しています。ただしビッグテンの内容はフットボールに限定されており、SECのほうが対象範囲は広くなっています。ACCはこの件についてコメントを控えたと報じられました。
なぜこのタイミングだったのか
背景には、この夏に立て続けに起きた具体的なケースがあります。フットボールでは、LSUがNFL契約経験のあるデイクアン・ライトとザビアン・ハリスを加える見込みだと報じられました。2人はいずれも前季にミシシッピでレーン・キフィンの下でプレーし、その後NFL球団と契約しています。ライトはブラウンズ、ハリスはセインツから解雇されました。NCAAが選手資格の判断を年齢ベースの仕組みへ変更したことを受け、ルイジアナ州の判事が2人にNCAAへの一時的差止命令を認め、5年目の資格が開く形になっています。
バスケットボールでも同じことが起きています。8月24日、バトンルージュの裁判所がRJ・ルイスJr.に予備的差止命令を認め、LSUでプレーする道が開きました。ルイスは2025年にユタ・ジャズと2way契約を結んだためNCAAから資格なしと判断されていましたが、負傷が重なり、NBAでもGリーグでも公式戦には一度も出場していませんでした。
SECの学長・総長は8月24日に共同声明を出しています。その中では「大学スポーツの中心にいたのは大学の選手であり、元プロ選手ではありません」という考えが示されました。翌日の方針発表は、この声明を実際の規約へ落とし込んだものと見るのが自然でしょう。
司法とカンファレンス規約が正面からぶつかる
ここから先が難しいところです。裁判所の差止命令が止めているのはNCAAの規則の適用であって、カンファレンスが独自に定めた参加資格の規約は別のレイヤーにあります。つまり「NCAAとの関係では出られるが、SECの規約では出られない」という状態が理屈のうえでは成立し得ます。ルイスのケースが新方針の下で具体的にどう扱われるのかは、現時点で明らかになっていません。
NBAを見ている立場から気になるのは、この動きが若手の意思決定に与える影響です。これまで2way契約やGリーグは、ドラフトに挑んだ選手にとって「まず足を踏み入れてみる場所」でした。そこから大学に戻る選択肢が制度的に閉じるとすれば、ドラフト申請そのものが片道切符に近づきます。ルイスのように、契約はしたが負傷で1試合も出られなかったケースまで一律に扱われるとなると、なおさら判断は重くなるはずです。
一方で、SEC側の言い分にも筋は通っています。プロを経験した選手が大学のロースターを埋めれば、そのぶん高校生や在学中の選手の出場機会が減ります。競技の公平性という論点は無視できません。どちらの立場にも理があるからこそ、この問題は今後さらに広がっていくと見ています。ACCやビッグ12がどう動くかが、次の焦点になりそうです。
そしてもう一点。今回の方針は男女のバスケットボールを含んでいるため、WNBAのドラフトやロースターを経験した選手にも同じ線が引かれます。WNBAは1チームあたりの枠が非常に限られており、キャンプで残れなかった選手が大学に戻る例も語られてきました。その道が閉じる意味は、NBAより重いかもしれません。
関連情報
2026-27シーズンの大学バスケットボールは11月に開幕予定です。NBAのオフシーズンの動きとあわせて追いたい方は、NBA公式のキーデート一覧もチェックしてみてください。
引用:https://sports.yahoo.com/articles/sec-bans-nfl-players-nba-234259166.html

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