リバティー イオネスク スチュアート

30.1%と53.5%、イオネスクを覆う3ポイントの異変と2ポイント自己最高という矛盾

 

WNBAが8月31日からFIBAワールドカップのために17日間の中断へ入ります。その直前、ニューヨーク・リバティのサブリナ・イオネスクをめぐって、静かに、しかし見過ごせない数字が積み上がっていました。3ポイント成功率30.1%。オールスターウィークエンドの3ポイントコンテストで歴史的なスコアを叩き出した射手のものとは、とても思えない数字です。ところが同じシーズンの別の欄には、キャリア最高となる2ポイント成功率53.5%が並んでいます。この矛盾こそ、いまの彼女を読み解く鍵だと感じました。

直近5試合で3ポイントは38本中6本

8月27日のゴールデンステート・バルキリーズ戦が象徴的でした。29分の出場でフィールドゴール12本中2本、3ポイントは9本中1本、得点は7にとどまり、チームも60-79で敗れています。この試合を含む直近5試合を並べると、3ポイントは38本中6本の15.8%。フィールドゴール全体でも68本中27本の39.7%です。26試合を終えた時点でのシーズン平均は15.6得点4.0リバウンド4.8アシスト、フィールドゴール41.3%、3ポイント30.1%、フリースロー89.8%。得点はわずか3試合の出場に終わったルーキーイヤーを除けば2021年以来の低さで、アシスト4.8も同じく2021年以来の少なさです。ただし出場時間は30.7分あり、役割そのものが縮んだわけではありません。

44.8%から30%台へ、3年でほどけた看板

時系列で追うと下降ははっきりしています。2023年は286本中128本の44.8%、2024年は321本中107本の33.3%、2025年は271本中81本の29.9%、そして2026年が173本中52本の30.1%。3年で14ポイント以上落ちた計算です。試投数も1試合平均7.9本、8.4本、7.1本、6.7本と静かに減っています。一方で2ポイントは53.5%とキャリア最高で、2025年の49.3%からさらに伸びました。eFG%は49.1%で、キャリア通算49.6%とほとんど変わりません。つまり得点効率そのものが崩壊したのではなく、崩れたのは「外から入れる人」という看板の方です。フリースロー89.8%を保っている点も、シュートタッチが失われたわけではないことを示しています。

ベルリンに行かないことの意味

USAバスケットボールが8月6日に発表した12人に、イオネスクの名前はありませんでした。ケイトリン・クラーク、ベッカーズ、アンジェル・リース、アリーヤ・ボストンという初選出組に、エイジャ・ウィルソン、ブリアナ・ステュワート、ナフィーサ・コリアー、チェルシー・グレイ、ケルシー・プラム、ジャッキー・ヤング、カリーア・コッパー、ライン・ハワードが並ぶ構成です。カーラ・ローソン監督のもと、アメリカは9月4日から13日までベルリンで5大会連続の金メダルを狙います。裏を返せば、イオネスクにとってこの17日間は代表活動のない完全な整備期間になるということです。2024年と2025年は38試合をフル稼働し、今季は背中と足の不調を抱えながら26試合を戦ってきました。中断を挟んでフォームを組み直せるかどうかが、リバティのポストシーズンを大きく左右します。個人的には、無理に試投数を戻すより、2ポイント53.5%という現実に寄せた設計へ振り切る選択もあると考えています。ペイント内とミドルで削り、外は確率が戻ってから増やす。遠回りに見えて、いまのリバティにはその方が噛み合うはずです。

中断明けまでの見どころ

リバティは8月29日、中断前最後の試合でシカゴ・スカイを85-66で下しました。WNBAは8月31日から9月16日まで日程を止め、その間にワールドカップが行われます。アメリカは9月4日に中国、6日にイタリア、7日にチェコと予選ラウンドで対戦し、決勝トーナメントへ進む流れです。日本のファンにとっては、代表のユニフォームを着たクラークやベッカーズを見られる貴重な2週間になります。そして9月中旬にリーグが再開したとき、イオネスクの3ポイントがどんな数字で戻ってくるのか。プレーオフの構図を占ううえで、ここは静かに、しかしいちばん注視しておきたいポイントです。

引用:https://www.basketball-reference.com/wnba/players/i/ionessa01w.html

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