ドンチッチやアレンと肩を並べたクラーク、ゲータレードCMに滲んだ本気度

 

ゲータレードが発表した新CM「Lose More. Win More.」に、フィーバーのクラークとエーシズのエイジャが名を連ねました。共演するのはNBAのドンチッチ、NFLのアレンといった男子スポーツ界の看板選手たちで、ナレーションはケンドリック・ラマーが務めています。女子バスケットボールの選手が男子四大スポーツの顔と同じ画面に並ぶ光景は、それ自体がニュースです。第一印象として感じるのは、クラークとエイジャの商業的な価値がもはやWNBAという枠を超え、アメリカのスポーツ産業全体の顔として扱われ始めているという事実です。

9月17日、ゲータレードは公式インスタグラムで新CMを公開しました。テーマは「勝つために、どれだけ負けを重ねられるか」というもので、エリート選手たちの努力と犠牲を描いた作品です。映像の中でクラークはおよそ11秒の場面でボールをドリブルし、放り投げる仕草を見せます。派手な演出よりも一瞬の所作にこだわった構成は、これまでのゲータレードCMとも一線を画す作り込みです。

数字で見ても、クラークの存在感は際立ちます。2025年のクラークの総収入は1600万ドルを超えましたが、そのうちWNBAからの基本給はわずか50万ドルほどにとどまります。つまり収入の99%以上が、ナイキ、ゲータレード、ステートファーム、ウィルソン社、ゲインブリッジといったスポンサー契約から生まれている計算です。今回のゲータレード契約の総額は800万ドルから2800万ドルの間と報じられており、幅はあるもののいずれにしても女子スポーツ選手としては異例の規模です。

ゲータレードの「Is It In You?」から続くブランドメッセージの系譜において、女子選手が広告に起用される例はこれまでも存在しました。しかし今回のように、ドンチッチやアレンといった男子スポーツの現役トップスターと同格で扱われるキャンペーンは多くありません。過去、WNBA選手の広告出演は男子選手のCMに添える形で扱われる構図が目立ちましたが、今回はクラークとエイジャがそれぞれ独立したカットで描かれ、扱いの重さが従来とは異なります。

背景には、WNBAの観客動員や視聴率の伸びと、クラーク個人のソーシャルメディアでの影響力があります。今季もフィーバーの試合は中継のたびに話題を集めており、広告主にとって起用のリスクが低いという判断が後押ししているとみられます。エイジャも同様に、エーシズでのリーグ屈指の実績を背景に、単独での起用が増えている一人です。

今回のCM起用が示すのは、女子バスケットボール選手が女子スポーツの代表としてではなく、純粋なスター選手として広告市場に組み込まれ始めたという転換点だと考えます。今後、他のWNBA選手にも同様の起用機会が広がるかどうかが、リーグ全体の商業的な成長を占う指標になりそうです。特にベッカーズやリースといった若手のスター候補が、同じ土俵でどこまで存在感を示せるかは注目に値します。一方で契約金額の格差はまだ大きく、クラークやエイジャのようなトップ選手に集中する構造は当面変わらないとみられます。それでも男子スター選手と並ぶ画面が特別なことではなく当たり前のことになっていく過程こそが、WNBAの価値を底上げする最も分かりやすい指標になるはずです。

フィーバーは9月18日、トロント・テンポとのシーズン初対戦を控えています。テンポの本拠地への初訪問となるこの一戦は、レギュラーシーズン終盤の順位争いにも関わる注目カードです。CMで見せた本気の所作が、コート上のプレーにどうつながっていくのか。今後の試合でも注目してみると面白いかもしれません。

引用:https://www.yardbarker.com/nba/articles/caitlin_clark_stars_alongside_josh_allen_and_luka_doncic_in_new_gatorade_commercial/s1_17664_44314700

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