NBA最初のMVPに輝いたボブ・ペティが、93歳で世を去りました。現地時間9月23日に死去し、24日に母校LSUが発表しています。死因は公表されていません。まだ「NBA」という呼び名すら定着していなかったリーグ黎明期に、得点とリバウンドで歴代記録を打ち立てた大黒柱の訃報は、現代のファンにとっても遠い昔話では済まされない重みを持っています。
数字が語るペティのキャリア
1932年12月12日、ルイジアナ州バトンルージュ生まれ。バトンルージュ高校で州選手権優勝を経験し、LSU大学では2年生から4年生まで3年連続で南東部カンファレンス(SEC)得点王に輝き、最終学年は平均31.4得点を記録しました。プロ入り後はセントルイス・ホークスでプレーし、通算得点20880、通算リバウンド12849という、いずれも当時のNBA歴代最多記録を打ち立てています。シーズン平均では26.4得点、16.2リバウンドという驚異的な数字を残し、11度のオールスター選出はすべてホークス在籍時のものでした。オールスターMVPは4度受賞し、1955年には新人王、1958年にはホークスをNBA優勝へ導いています。1971年にバスケットボール殿堂入りを果たしました。身長6フィート9インチ(約206センチ)、体重205ポンド(約93キロ)という、当時としては規格外の体格を誇っていたことも特筆すべき点です。
「初代」という称号の重みと時代背景
NBAが年間最優秀選手賞(MVP)を創設したのは1956年のことで、ペティはその最初の受賞者となりました。59年には2度目のMVPも獲得しています。まだ現在のような82試合制やスリーポイントラインすら存在せず、得点システムやルールも大きく異なっていた時代に、得点とリバウンドの二冠を取り続けた存在は、後のパワーフォワードというポジション概念そのものを形作った先駆者だったと言えます。歴代得点記録の系譜を辿れば、ウィルト・チェンバレンやカリーム・アブドゥル=ジャバーといった巨人たちより前に、ペティの名前が刻まれていることを忘れてはなりません。現代の指標に置き換えれば、シーズン平均で得点とリバウンドの合計が40を超える成績は、今のNBAでほぼ再現不可能な水準です。ニコラ・ヨキッチやヤニス・アデトクンボといった現代の万能型ビッグマンの原型を、70年近く前にすでに体現していた選手だったとも評価できるでしょう。
今後への影響と独自考察
ペティの訃報は、一人のレジェンドの死という以上の意味を持ちます。NBA草創期を知る生き証人が年々少なくなる中、リーグの「原点」を語れる存在が一人減ったことは、殿堂やリーグ史のアーカイブ化がこれまで以上に急務であることを改めて突きつけました。今シーズン開幕前後には、各地でペティを追悼する動きが広がる可能性が高く、ホークスの本拠地やLSUのキャンパスでは特別なトリビュートが行われることも予想されます。得点とリバウンドの二冠という偉業は、現代では汎用性の高いビッグマンが評価される潮流の原点とも重なり、ペティの功績を再評価する動きが今後強まっていくのではないでしょうか。草創期のスター選手が一人、また一人と姿を消していく現実は、NBAという80年近い歴史を持つリーグが、いよいよ「生きた歴史」から「記録の歴史」へと軸足を移しつつあることを示しているように感じます。長い歴史を持つホークスというフランチャイズにとっても、初代MVPを輩出したという事実は球団史における最大級の誇りのひとつであり、今後の記念行事やレトロユニフォーム企画などを通じて、その功績が若い世代のファンにも語り継がれていくことが期待されます。
NBAは2026-27シーズンの開幕を控えており、各球団のトレーニングキャンプが進行中です。ペティを輩出したホークスや母校LSUバスケットボール部の今後の発表にも注目が集まります。
引用:https://www.espn.com/nba/story/_/id/50023100/bob-pettit-starred-lsu-nba-dies-93

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