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ヤングの記録的第3Q爆発でエーシズが圧勝、ファイナルで2-0とリード(91-78)

WNBAファイナル第2戦、ラスベガス・エーシズがフェニックス・マーキュリーを91-78で破り、シリーズ2-0とリードを広げました。ジャッキー・ヤングが第3クォーターだけで21得点を記録し、ファイナル史上1クォーターの最多得点記録を樹立する活躍を見せました。

試合展開

第1戦に続き、マーキュリーが試合開始から攻撃的な姿勢を見せました。カヒーラ・コッパーが第1クォーターで11得点を挙げ、マーキュリーは序盤7-0でスタートを切ります。しかし、エーシズもすぐに10-0のランで応戦し、試合は一進一退の展開となりました。第1クォーター終了時点でマーキュリーが27-24とリードしていましたが、両チームが激しい攻防を繰り広げる接戦でした。

試合の流れが大きく変わったのは第2クォーターでした。残り時間が少なくなった局面で、エーシズが19-4という圧倒的なランを見せます。この決定的な攻撃でエーシズはマーキュリーを圧倒し、前半を46-37の9点リードで折り返しました。この時間帯、エイジャ・ウィルソンが13得点を挙げて攻撃の中心となり、チームに勢いをもたらしました。

ウィルソンは前半だけで20得点を記録し、ファイナルで前半に20得点以上を挙げた史上3人目の選手となりました。この偉業を達成した選手は、エンジェル・マッカウトリー(2011年)とカヒーラ・コッパー(2021年)に続く快挙です。

そして、第3クォーターでヤングが爆発しました。タフなレイアップ、3ポイントシュート、ミドルレンジのジャンパーと、あらゆる方法で得点を重ね、このクォーターだけで21得点を記録します。マーキュリーがスクリーンでヤングをアンダーでディフェンスすると、彼女はジャンパーを決めました。クォーター終了直前にもファウルをドローし、フリースロー2本を冷静に決めてエーシズのリードを15点に広げました。

ヤングは第3クォーターで11本中8本のシュートを成功させ、このクォーターだけでマーキュリーのチーム合計24得点に迫る活躍でした。ベッキー・ハモンヘッドコーチは試合後、「彼女にはもう驚かされなくなったわ。彼女は本当にすごい選手よ」と語りました。

第4クォーター、エーシズは最大22点差まで広げ、完全に試合を支配しました。マーキュリーのベンチメンバーが終盤に少しランを見せたものの、勝敗に影響を与えることはありませんでした。マーキュリーのネイト・ティベッツヘッドコーチは残り3分以上を残してベンチメンバーを投入し、事実上の敗北を認めました。

注目選手・スタッツ

ラスベガス・エーシズ

  • ジャッキー・ヤング:32得点、8リバウンド(第3クォーター21得点はファイナル史上1クォーター最多得点記録、プレーオフキャリアハイタイに並ぶ成績)
  • エイジャ・ウィルソン:28得点、14リバウンド、3アシスト(前半20得点)
  • チェルシー・グレイ:10得点、8リバウンド、10アシスト、3スティール、3ブロック(トリプルダブルに近い万能な活躍)
  • ジュエル・ロイド:6得点
  • ダナ・エバンス:0得点(ゲーム1の21得点から一転)

ヤングとウィルソンの合計60得点は、ファイナルにおけるチームメイト2人の合計得点として史上2番目に多い記録となりました。ヤングは60%以上のシューティング率で30得点以上を記録した史上5人目の選手となり、シェリル・スウープス(2000年)、ナイキーシャ・セールス(2004年)、シーモーン・オーガスタス(2011年)、ブリアナ・スチュワート(2020年)に続く偉業を達成しました。

フェニックス・マーキュリー

  • カヒーラ・コッパー:23得点
  • サトゥ・サバリー:22得点、9リバウンド(19本中7本のシューティング)
  • アリッサ・トーマス:10得点、6リバウンド、5アシスト(ファウルトラブルに苦しむ)
  • デワナ・ボナー:9得点、6リバウンド
  • ベンチ合計:8得点

チームスタッツ

  • マーキュリーの3ポイント:28本中5本成功(17.9%、ゲーム1は36本中14本成功)
  • エーシズの第2クォーター:22-10でマーキュリーを圧倒
  • エーシズの第3クォーター:30-24でリードを拡大
  • 第2クォーター終盤の決定的ラン:19-4

トーマスはこの試合で、WNBAプレーオフ通算アシスト記録でコートニー・ヴァンダースルートを抜き、歴代1位の386アシストを記録しました。しかし、得点面ではファウルトラブルに悩まされ、本来のパフォーマンスを発揮できませんでした。

試合後のコメント

ベッキー・ハモンヘッドコーチは、試合後の記者会見でヤングの活躍について語りました。

「彼女にはもう驚かされなくなったわ。彼女は本当にすごい選手よ」

また、マーキュリーとの対戦成績について聞かれると、ジョークを交えながらも慎重な姿勢を見せました。

「私たちはマーキュリーに対して0-0よね?その考え方が好きだわ。私たちは集中しなければならない。過去の成績が引き継がれることは決してないから。成功から何かを構築することはできるし、好きなセット、アクションは分かっているけどね」

さらに、試合前にはアリッサ・トーマスについて興味深いコメントを残していました。

「アリッサ・トーマスは、おそらくこのリーグでプロフットボールに転向できる唯一の選手だと思う。彼女をシミュレートすることはできないわ。男性選手を使って試してみるけど、彼女は私たちのリーグでは別次元の存在。彼女のやり方で物事をこなす選手は他にいない」

NBAのメンフィス・グリズリーズに所属するジャ・モラントは、試合後にX(旧Twitter)でシンプルなメッセージを投稿しました。

「Aja Wilson」

このツイートは瞬く間にバイラルとなり、ウィルソンのパフォーマンスが男子バスケと女子バスケの境界を超えて称賛されていることを示しました。モラントとウィルソンはともにサウスカロライナ出身で、モラントは長年ウィルソンへの敬意を示してきました。

シリーズは現地時間10月8日(水)にフェニックスへ移動し、ゲーム3が行われます。マーキュリーはホームで巻き返しを図りますが、エーシズはあと2勝で4年間で3度目の優勝を達成することになります。ベストオブセブンの歴史を見ると、2-0でリードしたチームは圧倒的に有利で、NBAの歴史では331勝28敗という記録が残っています。

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