WNBAのフェニックス・マーキュリーから、今季を象徴した番狂わせの主役が静かに姿を消すことになりました。無名のアンドラフト新人として彗星のごとく現れたジョバナ・ノギッチが、本人の事情により残りシーズンを全休すると、6月29日(米国時間)にチームが発表しました。デビューからわずか1カ月半でリーグの歴代記録を塗り替えた新人の離脱は、なかなか勝率の上がらないマーキュリーにとって戦力面の痛手であると同時に、「あの衝撃は一体何だったのか」という大きな余韻を残します。第一報を聞いたときの正直な感想は、惜しいという一言に尽きました。
10.4得点・3P成功率42パーセント、チーム3番手スコアラーの離脱
今回の発表によると、ノギッチは「本人の事情」を理由に、今季の残り試合に出場しません。数字で見れば、その穴は決して小さくありません。ノギッチは1試合平均10.4得点をマークし、これはチームで3番目に多い数字でした。さらに3ポイント成功率は42パーセントという高水準で、外角の一発を持つシューターとしてローテーションの一角を担っていました。発表に際してノギッチは「簡単な決断ではありませんでした、私はフェニックスと、この組織、そしてファンを愛しています」とコメントを残しています。GMのニック・ユーレンも「選手の幸福が私たちの最優先事項です」と語り、円満な形での決断であることをにじませました。なお、すでに6月17日を最後にコートから離れており、チームにとっては実質的な戦力ダウンが続いていた状況でもあります。マーキュリーは現在7勝13敗と苦しく、センターのナターシャ・マックも左足の骨挫傷で最低2週間の離脱が見込まれるなど、台所事情は一段と厳しくなりました。
デビュー戦19点、歴代最多27点──ディアナ・トーラジ以来の快挙だった
ノギッチが今季残したインパクトを振り返ると、その離脱の重みがより際立ちます。5月9日のエーシズ戦でのデビューでは、前半だけで19得点を叩き出しました。これはWNBAのデビュー戦の前半得点としてリーグ史上最多の数字です。さらに5月15日のスカイ戦では、3ポイントを8本中5本沈めてキャリアハイの27得点を記録し、91-83の勝利を呼び込みました。この27点は、アンドラフト新人がWNBAで挙げた歴代最多得点という快挙です。25得点以上かつ3ポイント5本以上を記録したマーキュリーの新人は、2004年のディアナ・トーラジ以来であり、球団の歴史に名を刻む数字でもありました。プロビデンス大で4年間プレーした後に海外でキャリアを積み、アンドラフトの自由契約として今季マーキュリーに加入した経歴を思えば、まさに「誰も見ていなかった」シンデレラストーリーだったといえます。一方で、この離脱に先立つ6月には契約が一時停止されていた経緯もあり、一部報道では海外リーグや2027年の代表活動に備えるための休養が背景にあるとも伝えられています。
来季の復帰を明言、それでもマーキュリーに残る不安
救いがあるとすれば、ノギッチ自身が来季フェニックスへ戻る意思を示している点です。声明では「来季フェニックスに戻ることを楽しみにしています」と前向きな言葉を添えており、完全な決別ではないことがうかがえます。ただ、ここからは独自の視点で踏み込みたいと思います。マーキュリーは昨季ファイナルに進出しながら、今季は7勝13敗と低空飛行が続いています。そのなかでノギッチの外角は、相手ディフェンスを広げる貴重な武器でした。アンドラフトと海外スカウティングで掘り当てた原石を、わずか半シーズンで失う形になったことは、チームの編成思想そのものにも一石を投じます。短期的にはプレーオフ進出ラインの争いで痛手となり、長期的には「来季再びこの輝きを取り戻せるのか」という問いが残ります。無名の新人がここまで話題をさらった以上、その不在は数字以上に大きく感じられるはずです。
今後の注目ポイント
マーキュリーはノギッチとマックを欠いた布陣で、引き続きレギュラーシーズンの巻き返しを図ることになります。ベテラン中心のローテーションがどこまで穴を埋められるか、そして残り試合でプレーオフ圏内に食い込めるかが当面の焦点です。WNBA全体ではこの後、6月30日にエーシズとリバティによるコミッショナーズカップ決勝が控えており、リーグはシーズン中盤の山場を迎えます。マーキュリーの今後の試合日程と、ノギッチが残した記録の行方に引き続き注目していきたいところです。
引用:https://sports.yahoo.com/articles/phoenix-mercury-guard-jovana-nogic-013352149.html

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