WNBAで今季最も大きな波紋を広げた一件の「その後」が動きました。コート上でケイトリン・クラークの首付近を強打したとして1試合の出場停止処分を受けたアリーサ・トーマスが、処分を消化した直後にフェニックスでファンの前へ姿を見せたのです。舞台はWNBAのアリーナではなく、MLBアリゾナ・ダイヤモンドバックスの本拠地チェイス・フィールド。始球式のマウンドに立つという、なんとも象徴的な再登場でした。騒動の中心人物とは思えないほど落ち着いた表情で、ベテランの胆力を改めて感じさせる場面だったように映ります。
出場停止明けからわずか2日、始球式のマウンドに立ったトーマス
トーマスが姿を見せたのは、チェイス・フィールドで開催された「マーキュリーナイト」でした。チームメイトのカリーア・コッパーとともにマウンドへ歩み、そろって始球式を務めています。マーキュリーはチーム全員での球場入りの様子をSNSで発信し、トーマスは終始リラックスした表情でチームメイトと談笑し、ファンとも気さくに交流していたと伝えられています。
この日のダイヤモンドバックスはサンフランシスコ・ジャイアンツを5対4で下し、シーズン成績を42勝42敗としました。トーマスにとっては、処分を終えた直後に地元ファンの温かい雰囲気の中へ戻れたことが、復帰へ向けて何より大きかったはずです。なお、肝心の出場停止は土曜のトロント・テンポ戦で消化済み。マーキュリーは大黒柱を欠きながらも89対80で勝利し、コッパーが26得点5アシスト、ボナーが13得点11リバウンドと奮闘して連勝を伸ばしました。
クラーク強打騒動の経緯と、なぜこれほど重い視線が注がれるのか
そもそもの発端は、インディアナ・フィーバー戦の第2クォーターでした。ルーズボールを追って床に倒れ込んだクラークの隣でトーマスが片膝をつき、立ち上がりざまに拳でクラークの首付近を押し下げたとされる行為です。リーグはこのプレーを精査したうえでフレグラント2に格上げし、土曜の試合の出場停止を科しました。マーキュリーのネイト・ティベッツHCはこの裁定について「極めて残念だ(extremely disappointing)」と公然と異を唱えており、処分の是非を巡る議論は当事者間にとどまらず広がっています。
クラークを巡っては今季、相手選手の激しいコンタクトが繰り返し物議を醸し、「スター選手がリーグや審判に守られていないのではないか」という問題提起が何度も浮上してきました。トーマスの一件はその象徴として扱われ、出場停止というリーグ屈指の重い処分にまで発展した経緯があります。だからこそ、彼女の一挙手一投足にこれほどの視線が集まっているわけです。
木曜のストーム戦で復帰、プレーオフ争い後半戦の鍵を握る
トーマスは木曜に本拠地で迎えるシアトル・ストーム戦から、コートへ復帰できる見込みです。マーキュリーは現在7勝13敗。決して楽な戦況ではありませんが、連勝で上向きの兆しが出てきたタイミングで、ここからホーム3連戦が続きます。後半戦でプレーオフ圏を狙ううえで、これ以上ない巻き返しの好機と言えます。
得点・リバウンド・アシスト・守備のすべてに絡む万能型のトーマスが戻る意味は、数字以上に大きいはずです。試合の流れを一人で変えられる稀有なベテランであり、コッパーやボナーとの三本柱がそろえば、攻守の厚みは一段と増します。騒動で消耗するのではなく、むしろ闘志に変えて戻ってくる――そんな逞しさを、今回の落ち着いた立ち居振る舞いから感じ取ったファンも多いのではないでしょうか。
関連情報・今後の試合
注目の復帰戦は木曜のマーキュリー対ストーム。出場停止明けのトーマスがどんなパフォーマンスを見せるのか、そしてクラークを巡る一連の流れがコート上の緊張感にどう影響するのか、見どころは尽きません。後半戦の順位争いが本格化するこの時期、満身創痍のマーキュリーがホーム3連戦でどこまで星を伸ばせるかにも注目が集まります。
引用:https://sports.yahoo.com/articles/alyssa-thomas-returns-public-spotlight-113842127.html

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