マーベリックスの前オーナーであるマーク・キューバンが、球団の現体制を相手に法的手段へ踏み切りました。7月7日、キューバンが所有する複数の企業がダラス郡地方裁判所に「提訴前証言録取」を求める申立てを行ったことが明らかになり、書面には新オーナーのパトリック・デュモントの名前が明記されています。2023年の球団売却からわずか2年半での法廷闘争入りに、NBA関係者からも驚きの声が上がっています。そして長年ダラスの顔として君臨してきた男の怒りの原点は、あのドンチッチトレードにまでさかのぼるものでした。
新アリーナ計画から締め出されたと主張する申立ての中身
今回の申立てはテキサス州の「ルール202」と呼ばれる手続きで、正式な訴訟の前に証言録取や文書の開示を求めるものです。対象となったのは、マーベリックスの新アリーナ開発のために設立された事業体「アリーナ・ディベロップメント・インターミディエイト(ADI)」で、申立書には「バレービューにおける新アリーナの資金調達や候補地の選定に関する情報を求める」と記されています。マーベリックスは約1カ月前、ダラス北部の約104エーカーの土地について購入オプション契約を締結したばかりでした。キューバン側は、自身が持つ既存の契約や権利に反する形で、アリーナ関連のすべての決定と情報から締め出されていると訴えています。さらに申立書はデュモントについて「合意を守らない敵対的なビジネス慣行」と、極めて強い言葉で非難しています。
「40億ドルの資産の支配権をなぜ渡す必要がある?」決裂の原点
両者の関係の出発点は、2023年12月の球団売却にあります。キューバンはデュモントとアデルソン家に対し、35億ドルで球団の過半数持分を売却しましたが、その際に「バスケットボール運営はキューバンが引き続き掌握し、デュモントはビジネスサイドを統括する」という握手による合意があったと主張しています。しかし申立書によれば、実際にはその約束は守られず、当時のGMニコ・ハリソンが全権を握った結果、2025年2月のルカ・ドンチッチのレイカーズへのトレードにつながったとしています。キューバンは、トレードを知ったときにはもう止められない段階だったと記した上で、デュモントに電話で抗議した際に「なぜ私が40億ドルの資産の支配権をあなたに渡す必要があるのか」と言われたことも明かしました。NBA史上最悪級と酷評されたあのトレードの内幕が、当事者の手による法的文書で語られたのは今回が初めてです。
泥沼化は避けられないか、リーグ全体に波及する可能性も
今回の申立てはあくまで提訴前の情報収集であり、直ちに本訴訟が始まるわけではありません。ただ、キューバンが求めているのはアリーナ計画という球団の未来そのものに関わる情報であり、デュモント側が任意に開示へ応じる可能性は低いと考えられます。筆者は、この争いが単なる金銭トラブルにとどまらず、口約束のまま権限分担を曖昧にして球団売却が承認されたプロセスそのものへの問題提起になるとみています。NBAでは近年、大型の球団売却が相次いでおり、売却後に旧オーナーがどこまで関与できるのかという論点は他球団にとっても無縁ではありません。看板選手の放出が3年越しで法廷闘争の引き金になったという事実は、球団経営におけるガバナンスの重さを改めて突きつけています。
関連情報
ドンチッチが移籍したレイカーズは、今オフにレブロンが退団し、ウォーカー・ケスラーらを加えた新体制で2026-27シーズンに臨みます。一方のマーベリックスは、昨年の全体1位指名クーパー・フラッグを中心とした再建の真っ只中です。法廷の行方と合わせて、両チームの新シーズンからも目が離せません。
引用:https://sports.yahoo.com/articles/exclusive-mark-cuban-files-court-175226135.html

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