WNBAはここ数週間、主力の相次ぐ離脱に揺れ続けてきました。エイジャ・ウィルソン、ケイトリン・クラーク、ケルシー・プラムという看板スターがそろって戦列を離れ、リーグ全体が「故障者クランチ」とも呼べる非常事態に陥っていたのです。ところがAP通信の報道によると、ウィルソンとクラークはまもなく復帰する見込みで、暗いトンネルにようやく光が差し込んできました。一方でプラムはより長い離脱が避けられず、明暗がくっきりと分かれています。オールスターを目前に控えたこのタイミングで、スター総出演のカードが戻ってくる期待と、優勝候補の一角が主砲を欠く不安とが同居する、非常に生々しいニュースだと感じます。
ウィルソンは3試合欠場、クラークは背中から復帰へ
ウィルソンはシカゴ戦で負った足の負傷により、ここまで3試合を欠場しています。エーシズを率いるベッキー・ハモンは、7月5日のフィーバー戦(84-68で敗戦)について、四度のMVPに輝くウィルソンを「プレーオフの試合ならプレーさせていた」としつつ、シーズン全体を見据えてあえて休ませたと説明しました。一方のクラークは背中の張りを悪化させて離脱していましたが、すでに練習を再開しています。フィーバーが遠征中のロサンゼルス、フェニックス、ラスベガスという3連戦のどこかで復帰する可能性があり、ただし7月5日のラスベガス戦(遠征初戦)は欠場しました。二人とも先週オールスターの先発に選ばれたばかりで、看板の不在がいかに大きいかを物語っています。
プラムとコリアー、明暗を分ける負傷の中身
プラムは左下腿の負傷で、状態の評価が下されるのはオールスターブレイク前後にあたる7月下旬になる見通しです。彼女を欠くロサンゼルスは苦戦が続いており、得点力の高いガードの穴は数字以上に重くのしかかっています。さらに、昨季MVP次点のナフィーサ・コリアーは両足首のオフシーズン手術の影響で今季はまだ出場ゼロですが、こちらも練習を再開し復帰が近づいています。同じ「離脱」でも、数日単位で戻れるウィルソンやクラークと、数週間単位のプラム、そしてシーズンをまるまる棒に振りかけたコリアーとでは、チームに与えるダメージの重みがまったく異なります。負傷者情報を「戻る組」と「待つ組」に仕分けて眺めると、順位表の綾がより立体的に見えてきます。
オールスター前の駆け引きと順位争いへの影響
今週のAPパワーランキングでは、ミネソタが首位を死守し、2位ニューヨークとの差はわずか1ポイントでした。3位ゴールデンステート、4位ラスベガス、5位ダラスと続きます。ここで注目したいのは、上位陣の多くが主力の復帰を待っているという点です。ウィルソンが戻ればエーシズは再浮上の材料を得ますし、クラークの復帰はフィーバーの得点源と観客動員を一気に押し上げるはずです。逆に、プラムを欠いたまま7月下旬まで戦うロサンゼルスは、この空白期間で順位を落とすリスクを抱えています。ハモンが大局を見て主力を休ませたように、各チームがオールスターと後半戦を見据えて起用を慎重に管理している構図も見えてきます。無理に急がせず万全で戻すのか、勝ち星を優先して前倒しするのか。指揮官たちの判断が、そのまま順位争いの綾になりそうです。
今後の試合と見どころ
直近では火曜夜にダラス対ニューヨークの上位対決がESPNで中継され、ジェノ・オーリエマとロビン・ロバーツが実況と解説を担当します。30年前にネットワーク初のWNBA中継を担った名コンビの復活も見どころです。さらに土曜にはニューヨークがミネソタへ乗り込む再戦が予定され、コリアーがこの試合で復帰する可能性も伝えられています。クラークがロード3連戦のどこで戻るのか、ウィルソンがオールスター前にコートへ帰ってくるのか。負傷明けのスターたちの動向から、次の数試合は目が離せません。

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