WNBAは現地7月2日、2026年オールスターゲームの先発10人を発表しました。地区首位を走るインディアナ・フィーバーからはボストン、クラーク、ミッチェルの3人がそろって選出され、リーグ屈指の人気チームぶりを見せつけています。ところが発表と同時に大きな波紋を広げたのは、先発入りしたクラークが「選手投票」ではガードの中でわずか11位という評価にとどまっていた事実でした。ファン投票では2位に食い込んでいただけに、コート内の同僚たちの評価と世間の人気とのギャップがくっきりと浮かび上がる結果になりました。第一印象としては、実力と人気が必ずしも一致しない、この競技ならではの生々しい力学が数字に表れたなと感じます。
数字で読み解く、投票の“ねじれ”
WNBAのオールスター先発は、ファン投票が50%、現役選手による投票とメディアパネルによる投票がそれぞれ25%という加重平均で決まります。選手とメディアはガード4人・フロントコート6人を選ぶ1枚の投票用紙に記入し、各グループ内で順位づけされたうえで最終スコアが算出されます。
その内訳を見ると、クラークはファン投票2位、メディア投票3位という高評価だった一方、選手投票では11位まで沈みました。この差はボストンにも表れており、彼女はファン投票1位、メディア投票5位に対し、選手投票は8位でした。今回のねじれはクラークだけの現象ではなく、ウィングスのファッド(ファン4位・メディア15位・選手28位)や、スパークスのプラム(ファン6位・メディア5位・選手12位)も選手票で大きく評価を落としています。数字だけを並べても、選手が投じる一票が他のグループとまるで違う地図を描いていることがはっきり分かります。
なお発表された先発10人は、フィーバーのボストン・クラーク・ミッチェル、リンクスのハワードと唯一のルーキーであるマイルズ、ウィングスのベッカーズとシェパード、そしてエーシズのエイジャ・ウィルソン、リバティのステュワート、ヴァルキリーズのギャビー・ウィリアムズという顔ぶれです。舞台は7月25日、シカゴのユナイテッドセンターとなります。
過去の評価との落差と、その背景
クラークはルーキーイヤーから得点・アシストの両面でリーグを牽引し、観客動員やテレビ視聴率を押し上げてきた存在です。ファンやメディアが上位に評価するのは自然な流れと言えます。それだけに、実際にコートで対峙する選手たちの投票でガード11位という数字は、大きな落差として受け止められました。エイジャ・ウィルソンが選手投票でフロントコート1位、ベッカーズがガード1位に選ばれたことと比べても、その差は際立ちます。
背景には、昨季から続くクラークを巡るコート上の激しい競り合いや、それに伴う一連の報道の影響を指摘する声もあります。人気先行のスターに対して、現場の選手が抱く評価は必ずしも甘くない——今回の投票結果は、そうしたリーグ内の温度感を映す鏡にもなっています。もっとも、これはあくまで順位づけの一断面であり、クラークの実力そのものを否定する数字ではない点は冷静に押さえておきたいところです。
今後の展望と、筆者の見立て
今季のオールスターはリーグ30周年の節目にあたり、レジェンドのシンシア・クーパーとテレサ・ウェザースプーンが名誉ゼネラルマネージャーとして、22人のオールスターからロスターを編成する特別方式が採られます。控え12人はヘッドコーチ投票により来週発表される見込みで、ここでクラークやボストンがどんな評価を受けるのかも次の焦点になります。
筆者の見立てとしては、この「選手投票11位」という数字は今後もクラークを語るうえでの論点として繰り返し引用されるはずです。人気と現場評価のギャップは、放っておけば対立の火種になりますが、裏を返せばそれだけ彼女が競技全体の注目を一身に集めている証でもあります。数字の低さを嫉妬と断じるのは早計で、むしろリーグがこの熱量をどう建設的なストーリーに変換していくかが問われていると考えます。ESPNの集計が示した“ねじれ”は、30周年シーズンの見どころを一つ増やしたと言えるでしょう。
関連情報
2026年WNBAオールスターゲームは7月25日、シカゴのユナイテッドセンターで開催され、米国ではABCで放送されます。控え12人の発表は来週の予定で、先発とあわせた22人のロスターからクーパーとウェザースプーンがチームを編成します。クラークやフィーバー勢の評価がこの先どう動くのか、注目して追っていきたいところです。
引用:https://www.espn.com/wnba/story/_/id/49249692/fever-clark-boston-mitchell-start-wnba-all-star-game

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