シルバーがついに沈黙を破った「トレードを止めたのはリーグではない」カワイ・レナード調査を巡る混乱と決着の期限

 

NBAのアダム・シルバー・コミッショナーが7月14日(現地時間)、ラスベガスで開かれた理事会後の会見で、カワイ・レナードとクリッパーズを巡るサラリーキャップ回避疑惑の調査についてついに口を開きました。ESPNの報道によると、シルバーは「調査は来季開幕前に完了しなければならない」と明言する一方、凍結状態にあるラプターズへのトレードについては「リーグが止めたのではない」と説明しました。長期化する調査への苛立ちが各方面に広がる中、コミッショナーの発言は新たな波紋を呼んでいます。

「この夏の決着」を望むも、報告書はいまだ完成せず

シルバーは会見で、調査が「この夏」に終わることへの期待を示しつつ、「思っていたより長引いているのは間違いない」と認めました。調査を担当するワクテル・リプトン法律事務所からはリーグの法務責任者へ毎週報告が上がっているものの、最終報告書は完成していないとのことです。この調査は昨年9月、クリッパーズが経営破綻した環境系金融企業アスピレーション社を経由し、レナードへ2800万ドルのスポンサー契約という形で資金を還流させた疑いを対象に始まりました。同社はチームとも23年総額3億ドルの契約を結んでおり、オーナーのスティーブ・バルマーは同社に6000万ドルを出資していました。バルマーはレナードの契約への関与を否定していますが、先週にはニューヨークで再度の聴取に応じており、調査は最終段階に入ったと見られています。シルバーは長期化の理由として、破産裁判所への対応や非協力的な証人の存在を挙げました。

6月30日に合意したトレードはなぜ止まったのか

レナードをラプターズへ送るトレードは6月30日に合意に達したと報じられています。その内容は、ブランドン・イングラム、グレイディ・ディックに加え、2031年と2033年のプロテクトなし1巡目指名権、2027年の1巡目スワップ、2巡目指名権2つという超大型パッケージでした。しかし7月9日、両チームは調査終了までトレードを保留すると発表します。シルバーは「当事者たちが、調査が続いている以上の不確実性を抱えたまま前へ進まない判断をした」と説明しました。調査の結果次第では、レナードの契約無効化やシーズンの一部または全部の出場停止という重い処分もあり得るため、獲得側のラプターズがリスクを取れないのは当然と言えます。7度のオールスターに選ばれた35歳の去就は、調査報告書の完成を待つほかない状況です。

第2エプロン論争でも一歩も引かないシルバー

会見ではもう一つの火種である「第2エプロン」問題にも言及がありました。選手会のデビッド・ケリー事務局長は先週、高額支出チームへの厳しい制限が「チームを解体させている」として緩和か撤廃を要求。実際、セルティックスは2024年ファイナルMVPのジェイレン・ブラウンを放出した理由の一つに第2エプロンを挙げています。しかしシルバーは、2026年ファイナルが大都市のニックスと小都市のサンアントニオの対戦になった事実を挙げ、「システムは非常にうまく機能している」と真っ向から反論しました。筆者の見立てでは、労使双方の主張は完全に平行線であり、この問題は次回の労使交渉における最大の争点になるはずです。レナード問題の決着と合わせて、シルバー体制のガバナンス能力そのものが試される夏になりそうです。

関連情報

理事会ではラスベガスとシアトルへのチーム拡張(2028-29シーズン参入目標)についても報告があり、ヒートのオーナーであるミッキー・アリソンが9月から理事会議長に就任することも決まりました。調査結果の発表があり次第、当ブログで続報をお届けします。

引用:https://www.espn.com/nba/story/_/id/49364590/silver-kawhi-leonard-probe-finish-season-starts

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