ケルシー・プラム

「彼女が戻る保証はあるのか」同じ単年契約でも明暗くっきり──プラムとコリアーを分けた決定的な違いと8月2日の決断

 

WNBAのトレードデッドラインが現地時間8月2日に迫る中、ロサンゼルス・スパークスのケルシー・プラムの去就が大きな議論を呼んでいます。The Athleticの女子バスケットボール番組「No Offseason」で記者のアニー・コスタビルが展開した分析は、同じ「単年契約のスター」であるミネソタ・リンクスのナフィーサ・コリアーとの立場の違いを鮮やかに切り取るものでした。契約形態はほぼ同じなのに、チームの置かれた状況によってここまで運命が分かれるのかと考えさせられる内容です。

99万9999ドルの単年契約と10勝12敗の現実

プラムは今季、あえて100万ドルに1ドル足りない99万9999ドルの単年契約でスパークスに残りました。本人によれば、この1ドルの差で約1万3000ドルの税金を節約でき、100万ドルで契約したという見栄も必要なかったといいます。しかしシーズン折り返しを迎えた現在、プラムは下腿の負傷で戦列を離れ、チームは10勝12敗と苦戦。守備の脆さも露呈しています。

さらにフロントは激動の渦中にあります。スパークスは2季半チームを率いたレーガン・ペブリーGMをシーズン途中で解任し、当面はアシスタントGMのザック・ノールトンとネイト・ニールセンが職務を分担する体制に移行しました。The Athleticの報道によれば、ペブリーは解任前から8月2日のデッドラインに向けて各球団に電話をかけていたと複数の関係者が証言しています。プラムの契約が今季限りで切れる以上、トレード市場での価値あるカードになり得るという見立てです。

コスタビルは番組で「彼女が戻ってくる確証がないのなら、彼女を売り込み、いまその価値に見合う対価を得られるか探るのがフロントの仕事です」と指摘しました。残留の確約なしにデッドラインを素通りすることこそ、フロントの怠慢だという厳しい見解です。

コリアーとの決定的な違いは「チームが優勝を狙えるか」

一方のコリアーも、昨年の深刻な足首の負傷を経てリンクスと1年のスーパーマックス契約を結んだ、いわば同じ「期限付きのスター」です。現在はチーム練習に復帰し、コンディション調整の段階にあります。

それでも2人の状況は正反対です。リンクスはリーグ首位を走る優勝候補であり、コリアーをトレードで換金する必要がありません。ポストシーズンで戦力として使い切ることが最大のリターンになるからです。対するスパークスは勝率5割を下回り、GM解任が示す通りチームの再構築すら視野に入る状況です。同じ単年契約でも、コンテンダーか再建候補かでそのカードの意味はまるで変わってきます。

忘れてはならないのがプラム獲得の代償です。スパークスは2025年ドラフト全体2位指名権を手放してプラムを獲得しており、その指名権は逸材ドミニク・マロンガになりました。ラスベガス時代に成長の上限を感じて新天地を求めたプラム本人の思いも含めて、この大型トレードの答えはまだ出ていません。

「無償流出」か「シーズン中の白旗」か──残された3週間

今後の焦点は明確です。プラムをこのまま保有し、オフにフリーエージェントとして無償流出させるリスクを取るのか。それともシーズン途中の放出という事実上の白旗を掲げてでも、対価を回収するのか。期限まで3週間を切った今、どちらを選んでも痛みを伴います。

筆者は、負傷離脱中という点が判断を一層難しくしていると見ています。プレーできない選手の市場価値は本来を下回りやすく、いま売れば安売りになりかねません。一方で、健康なプラムは得点力のあるオールスター級ガードであり、優勝を狙うチームには魅力的な補強候補です。全体2位指名権という対価を支払った以上、無償で失う選択は最悪手のはず。残留の確約を取り付けるか、それが無理なら回復のタイムラインと引き換えに将来の指名権を確保するか──新体制フロントの力量が最初に試される局面と言えるでしょう。

関連情報

トレードデッドラインは現地時間8月2日です。スカイのスカイラー・ディギンズなど他の売り手候補の動向も含め、市場は今後2〜3週間で一気に動く可能性があります。スパークスとリンクスの試合はWNBAリーグパスなどで視聴でき、コリアーの復帰戦やプラムの去就と合わせて、シーズン後半戦の大きな見どころになりそうです。

引用:https://sports.yahoo.com/articles/wnba-analyst-explains-why-kelsey-035721250.html

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