まさに踏んだり蹴ったりとは、このことかもしれません。ニューヨーク・リバティが、ダラスへの移動中に約10時間も機内に閉じ込められるという悪夢のようなトラブルに見舞われました。ただでさえ直近10試合で3勝7敗と苦しむチームにとって、あまりにも痛いタイミングでのアクシデントです。第一報を目にしたとき、思わず「なぜこのチームばかり」とつぶやいてしまったファンも多いのではないでしょうか。
滑走路の上で10時間──ルーキーのSNS投稿で明るみに出た異常事態
リバティは現地時間15日(水)、翌日のダラス・ウィングス戦に向けてダラスへ移動する予定でした。ところがこの日、北テキサスを襲った悪天候の影響で、連邦航空局(FAA)がダラス・フォートワース国際空港とダラス・ラブフィールド空港に地上停止措置(グラウンドストップ)を発令。さらにニューヨーク周辺でも激しい雷雨が発生し、各地でフライトが大幅に乱れました。
事態が明るみに出たのは、ルーキーのポーリン・アスティエが同日午後10時25分ごろ、インスタグラムのストーリーズに投稿したことがきっかけです。アスティエは母国語のフランス語で「10時間経っても、まだ滑走路の上です」と綴り、チームメイトのマリーヌ・フォトゥーと並んで機内に座る写真を公開しました。報道によれば、悪天候に加えて機体そのもののトラブルも重なったとのことで、まさに二重苦の一夜となりました。この影響でリバティは木曜午前のシュートアラウンド(試合前調整)を中止し、ほぼぶっつけ本番の状態で現地時間木曜夜9時のウィングス戦に臨むことになります。
13勝11敗で8位に沈む名門──ウィングスには今季2戦2敗
今回のトラブルが重くのしかかるのは、チーム状態が底を打っているタイミングだからです。リバティは直近10試合で3勝7敗と失速し、通算13勝11敗の8位まで後退しています。4連戦のロードトリップでは、ミネソタでリンクスに、モントリオールでテンポに連敗。いずれも後半に2桁のビハインドから追い上げながら、あと一歩で届きませんでした。
しかも今夜の相手ウィングスには、今季ここまで2戦2敗と分が悪いのです。5月24日の初対戦ではアジー・ファッドに当時キャリアハイの24得点を許し、第3クォーターだけで17-28と突き放されて76-91で敗戦。7月7日の再戦では第2クォーターに18点差をつけられ、前半だけで31-47と大きく崩れました。ターンオーバー、リバウンド、外角のディフェンスというリバティの弱点を、ウィングスはことごとく突いてきます。クリス・デマルコHCは7月頭の敗戦後、「相手のゴールからボールを取り出してばかりでは、オフェンスを走らせるのは難しい」と失点続きの展開を嘆いていました。守備で我慢できずに走られる悪循環こそが、いまのリバティの実像と言えるでしょう。
疲労は言い訳か、それとも結束の材料か──真価が問われる正念場
10時間の機内缶詰めには同情の余地しかありませんが、冷静に見れば、リバティの苦境は移動トラブル以前から続いているものです。レオニー・フィービッヒ(左足の張り)とサトゥ・サバリー(脳震盪プロトコル)を欠いてラインナップは固まらず、リーグで最も多用しているゾーンディフェンスからのリバウンド確保という構造的な課題も未解決のまま。一方のウィングスは7月に入って無敗と絶好調で、今夜勝てば球団史上最長となる6連勝に到達します。オフェンスリバウンド獲得数がリーグ6位という「泥臭さ」と、リーグ屈指のトランジションの速さを兼ね備えた相手だけに、疲労の残る足で走り負ければ勝機は薄いでしょう。
ただ、逆説的ですが、これほど条件が悪い試合だからこそ、勝てばチームを立て直す最高のきっかけになります。言い訳の材料が揃いすぎた一戦で、選手たちが何を見せるのか。昨季までの黄金期を知る名門の意地に注目したいところです。
今後の試合情報
リバティはウィングス戦のあと、現地時間土曜夜には敵地でケイトリン・クラーク擁するインディアナ・フィーバーと対戦します。過密日程と移動疲れがどこまで尾を引くのか、週末にかけてのリバティから目が離せません。試合のプレビューはこちらの記事でも詳しく報じられています。
引用:https://sports.yahoo.com/articles/liberty-stranded-10-hours-tarmac-051042264.html

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