エンジェル・リース

「差別や憎悪の居場所はない」沈黙を破ったリースがブロンデロの処分に感謝、怒りではなく前進を選んだ48時間の重み

 

「保護された種(protected species)」という一言から始まった騒動が、ようやく収束へ向かい始めました。アトランタ・ドリームのエンジェル・リースが現地時間7月19日、トロント・テンポのサンディ・ブロンデロHCによる謝罪と、リーグが科した1試合出場停止処分について、初めて公の場で心境を語りました。選んだ言葉は怒りではなく「感謝」。この48時間、騒動の中心で彼女が何を受け止めてきたのかがにじむ会見となりました。

「リーグが行動を起こしてくれたことに感謝しています」

ESPNの報道によると、リースはまずブロンデロ本人の謝罪を受け入れる姿勢を示した上で、「リーグが行動を起こしてくれたことに感謝しています」と語りました。この48時間で寄せられた多くの愛とサポート、そして「それ以外のもの」にも触れながら、ファンからコーチ、選手に至るまで、このリーグに差別や憎悪の居場所はないと強調。最後は勝つバスケットボールに集中して前へ進みたいと締めくくり、自らの言葉で騒動に区切りをつけた形です。

発端は現地7月17日、ドリームが111-92で快勝したテンポ戦でした。第4クォーター、ベンチのマイクがブロンデロの「エンジェル、彼女は保護された種だ」という発言を拾い、映像がSNSで瞬く間に拡散。リーグは翌日には無給の1試合出場停止という異例のスピードで処分を発表しました。リーグは声明で、すべてのコーチと球団関係者に最高水準のプロ意識と敬意を求めるとしています。

「豪州ではよく使う表現だった」──謝罪を重ねるブロンデロの背景

一方のブロンデロも、ただ処分を受け入れるだけではありませんでした。Bleacher Reportによれば、問題の試合直後からドリーム側に複数回連絡を取り、機会があればリース本人に直接謝罪したいと申し出ています。SNSに投稿した長文の謝罪では、自身の言葉が意図を超えて、特にリーグの黒人女性たちに影響を与えてしまったことを認めました。ドリームのカール・スメスコHCも、ブロンデロが球団の関係者と話をしたはずだと明かしており、水面下では当事者間の対話が進んでいたようです。

ブロンデロは、この表現がオーストラリアでは日常的に使われる言い回しだったと説明し、発言の場面についても、リースを守ろうとしたニアラ・サバリーが肋骨を負傷した直後で感情的になっていたと振り返っています。フェニックス・マーキュリーで8シーズン、ニューヨーク・リバティで4シーズン指揮を執り、2014年にはマーキュリーを頂点に導いた実績を持つ大ベテランが、新天地トロントの1年目でキャリア最大級の逆風に直面した格好です。

処分消化は月曜のエーシズ戦──スピード処分が残したもの

ブロンデロは現地7月20日、テンポがラスベガス・エーシズをホームに迎える一戦で出場停止を消化します。報道によれば、この一件は今後のリーグ会議でも取り上げられる見通しで、あらゆる音声がマイクに拾われる時代のベンチの振る舞いについて、リーグ全体で線引きを議論することになりそうです。

注目したいのは、リーグが発言からわずか1日で処分に踏み切ったスピード感です。今季のWNBAはケイトリン・クラークへの判定を巡る論争や「リーグの顔」を巡る議論など、スター選手の扱いがそのまま社会的な話題になる1年が続いています。急拡大するリーグが常に世間から見られているという自覚を、迅速な対応で示したとも言えるでしょう。一方で当のリースは、この日のシカゴ・スカイ戦で接触のないまま左膝を痛めて途中退場しており、心情面の区切りとは裏腹に、コンディション面の不安はむしろ深まっています。気持ちの整理がついた今こそ、体の回復が何より重要になりそうです。

今後の注目ポイント

ブロンデロ不在のテンポ対エーシズ戦は日本時間7月21日に行われ、代行体制のベンチがエイジャ・ウィルソン擁する強豪をどう迎え撃つかが見どころです。東地区上位を走るドリームにとっても、オールスターを目前に控えたこの時期にリースの左膝の状態は最大の関心事となります。復帰時期に関する続報が入り次第、当ブログでもお伝えします。

引用:https://bleacherreport.com/articles/25456396-angel-reese-responds-brondellos-apology-tempo-hcs-wnba-suspension-after-remarks-dream-star

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