WNBAオールスターの余韻が残るなか、ケイトリン・クラークがインスタグラムに短いメッセージを添えて数枚の写真を投稿しました。「3x All-Star… grateful for it all(3度目のオールスター、すべてに感謝)」。派手な言葉ではありません。けれど、この一言には特別な重みがあります。ちょうど1年前、クラークは故障で祭典の舞台に立てなかったからです。歓声の中心に戻ってきた24歳が最初に口にしたのが、勝利でも記録でもなく「感謝」だったこと。そこにいまのクラークらしさが凝縮されていると感じました。
3年連続選出を噛みしめた投稿と、ロゴ手前からの3連発
クラークが投稿したのは、シカゴでの週末を切り取った複数枚の写真でした。試合中のカットに加え、フィーバーのチームメイトであるアリーヤ・ボストン、ケルシー・ミッチェルと肩を並べた一枚も並びます。個人の栄誉というより、仲間と分かち合った時間そのものを大切にしている様子が伝わってきます。
肝心のプレーでも存在感は健在でした。クラークはこの試合で17得点5アシスト4リバウンド1スティールを記録。出場21分でフィールドゴールは17本中6本、3ポイントは15本中5本を沈めています。第1クオーターにはロゴ手前の超遠距離を含む3ポイントを3本連続で決め、会場を一気に沸かせました。所属するチーム・スプーンはチーム・クープを129-122で下し、勝利に大きく貢献しています。ゲームMVPはクラークではなく、22得点13リバウンド8アシストと大暴れしたジョンケル・ジョーンズの手に渡りましたが、最も記憶に残るシーンの一つを作ったのは間違いなくクラークでした。
1年前は見送った舞台──故障を越えて戻った3度目のオールスター
この投稿が胸を打つのは、クラークが歩んできた道のりを重ねたときです。ルーキーイヤーから3年連続でオールスターに選出されてきましたが、昨年の祭典は故障のため出場を見送っていました。つまり今回は、けがで離れた舞台への「帰還」でもあったのです。「すべてに感謝」という言葉が、単なる社交辞令ではなく実感のこもった一言に聞こえるのは、その背景があるからでしょう。
数字を見ても、クラークが別格の存在であることは明らかです。ファン投票では1,023,321票を集め、リーグ全体で2番目に多い得票数を記録しました。前半戦終了時点の平均は21.0得点7.9アシスト3.8リバウンドで、得点はリーグ4位、アシストは2位。フィールドゴール成功率43.5%、3ポイント成功率34.5%という数字も、得点源としての安定感を裏づけています。新人王をはじめ、すでに数々のリーグ記録を打ち立ててきた24歳が、なお伸び続けている事実に驚かされます。
「感謝」を選ぶ強さと、勢いづくフィーバーの後半戦
個人的に注目したいのは、これだけの重圧を背負う立場でありながら、クラークが発信の軸を「感謝」に置いている点です。一挙手一投足が称賛と批判の両方にさらされ続ける環境で、自分の成績よりも周囲への感謝を前面に出す姿勢は、精神的な成熟の表れだと感じます。批判に振り回されず前を向くこの強さこそ、彼女が短期間でリーグの顔になれた理由の一つではないでしょうか。
チームとしての意味も見逃せません。クラーク、ボストン、ミッチェルというフィーバーの3人が同じオールスターの舞台に立ったことは、インディアナが個人の集団から本物の強豪へと変わりつつある証しでもあります。前半戦を3連勝で締め、17勝10敗で折り返したチームの上昇気流は本物です。後半戦、この勢いをどこまで伸ばせるか。クラークの「感謝」は、これからの戦いへの静かな決意表明のようにも読めます。
次戦は7月28日、アウェーでシアトル・ストーム戦
フィーバーはオールスターブレイクを終え、現地7月28日(火)にアウェーでシアトル・ストームと対戦します。中継はアメリカ東部時間の午後9時30分開始でESPNが予定しています。前半戦で好調を維持したクラークが、後半戦最初の一戦でどんなプレーを見せるのか。今回のオールスターで示した勢いそのままに、フィーバーがプレーオフ争いを一段と加速させられるか注目です。

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