リバティー イオネスク スチュアート

3試合連続の「DNP-コーチ判断」が示すリバティの異変──日本時間8月3日午前4時に締まるトレード期限、SIが名指しした3つの一手

 

WNBAはオールスターブレイクが明け、7月28日から試合が再開します。そしてその直後、米東部時間8月2日午後3時、日本時間では8月3日午前4時にトレード期限が締め切られます。すべての条件をこの時刻までにリーグオフィスへ提出しなければならないルールですから、各チームに残された猶予は実質5日ほどしかありません。スポーツ・イラストレイテッドは7月27日、3人の書き手がそれぞれ「見たい動き」を挙げる記事を公開しました。並んだ名前を眺めて最初に思ったのは、優勝候補の上積みよりも、居場所を失った選手の再配置に焦点が当たっているということでした。

3試合連続の「DNP-コーチ判断」、リバティで何が起きているのか

最も引っかかったのが、ベトニジャ・レイニー=ハミルトンの現状です。左膝の手術で昨季を全休した彼女は、今季リバティの序盤3試合でいずれも24分以上プレーしました。ところが直近は3試合続けて出場記録欄に「DNP – Coach’s Decision」、つまり監督判断による欠場が並んでいます。しかもその3試合は、サトゥ・サバリーが脳震盪、レオニー・フィービッヒが左足の負傷でいずれも不在で、チームが外周の守備に苦しんでいた時期でした。守備勘に定評のある経験者を、守備が崩れている場面でも使わない。この矛盾をどう読むかが、リバティの後半戦を占う材料になります。

SIのダン・ファルケンハイムが提案したのは、トロント・テンポへの移籍でした。理由は明快です。テンポを率いるサンディ・ブロンデロは、2024年にリバティを優勝に導いた当時の指揮官であり、レイニー=ハミルトンはその優勝メンバーの先発を務めた一人でした。加えてハーフープスタッツによればテンポには55万7557ドルのサラリーキャップ余裕があり、レイニー=ハミルトンの40万ドル契約を吸収できます。そしてテンポの守備効率はリーグ最下位です。使われない経験者と、守備を立て直したい新興チーム。噛み合わせとしては理にかなっています。

平均23.9得点のプラムと、出場時間を半減させられたシーグリスト

もう2つの提案も、置かれた状況の歪みを突いたものでした。クレア・ブレナンが挙げたのは、ケルシー・プラムのゴールデンステート・ヴァルキリーズ移籍です。スパークスはオールスターブレイク時点で10勝16敗、プラム自身は12試合の出場で平均23.9得点という数字を残しながら、左下腿の負傷でリハビリ中という状況にあります。一方のヴァルキリーズは19勝8敗でリーグ3位。すでに好調なチームをいじるべきではないという反論も成り立ちますが、シューターが一枚加わればプレーオフ常連から優勝候補へ質が変わる、というのがブレナンの見立てでした。もっとも、これはプラムの復帰時期が読めることが大前提です。

ブレイク・シルバーマンが推したのは、マディ・シーグリストのワシントン・ミスティックス移籍です。ミスティックスは14勝12敗で、最後のプレーオフ枠を争うポートランド・ファイアに3.5ゲーム差をつけています。ソニア・シトロン、キキ・イリアフェン、シャキーラ・オースティンの若い3枚が機能し、ミカエラ・オニエンウェレも平均10.1得点、3ポイント成功率43.2%と自己ベース級の数字を残しています。足りないのはシュート力で、そこにダラス・ウィングスで出場時間を半減させられたシーグリストが浮上します。ドラフト全体1位のアジー・ファッドが加わって以降、彼女の立ち位置は明らかに変わりました。

「リバティでもエーシズでもない優勝」は現実的なのか

同じ記事の後半では、後半戦の大胆予想も並びました。ブレナンは「リバティとエーシズ以外のチームが優勝する」と踏み込んでいます。過去4シーズンはこの2チームのどちらかが王座を占めてきましたが、今季はリンクス、ウィングス、ヴァルキリーズがその牙城に手をかけているという読みです。ファルケンハイムはアトランタ・ドリームの2位シード浮上を予想しました。攻撃効率5位、守備効率4位という数字はトランジションの強さに支えられたもので、ハーフコートのネットレーティングはリーグで下から2番目。裏を返せば、ここが改善すれば伸びしろは大きいという理屈です。シルバーマンはポートランドかトロントの滑り込みを挙げ、ブリトニー・サイクスの復帰やキキ・ライスの合流を根拠にしています。

筆者が注目したいのは、期限が8月2日という早さです。残り試合が20前後もある段階で締め切られるため、9位から12位あたりのチームは「まだ勝負できる」と考えて売り手に回りにくくなります。買い手だけが多く、売り手が少ない。だからこそ今回のように、主力の放出ではなく出番を失った選手の再配置が話題の中心になるのだと考えています。派手な大型トレードが起きなかったとしても、それは各チームが動かなかったのではなく、動ける相手がいなかったという構造の問題かもしれません。

再開後の見どころ

リーグは7月28日に再開し、8月3日午前4時(日本時間)の期限を挟んで一気に順位争いへ突入します。リバティにとっては、レイニー=ハミルトンを動かすのか抱えるのか、サバリーとフィービッヒの復帰を待つのかという判断がそのままシーズンの答えになります。期限直前の数日は、試合結果と同じくらい「登録名簿の更新」から目が離せません。

引用:https://www.si.com/wnba/wnba-trade-deadline-moves-we-want-to-see-bold-predictions-for-stretch-run

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