ステートファーム・アリーナがピンク一色に染まった8月3日、アトランタ・ドリームはラスベガス・エーシズを迎えて「バービーナイト」を開催しました。マテルとのコラボで実現したエンジェル・リースのバービー人形が会場で披露され、リーボックからは彼女のシグネチャーモデルの新色「バービー」が同じ日に発売されています。ところが、主役が23得点16リバウンドを積み上げた一方で、チームは87対109という22点差の完敗でした。個人の数字とスコアボードがこれほど食い違う夜も珍しく、筆者はボックススコアを二度見しました。
27分で16リバウンド、今季20度目のダブルダブル
リースはこの日、27分の出場でフィールドゴール19本中10本を沈めて23得点、リバウンドは16本(うちオフェンスリバウンド6本)、アシスト2、ブロック1、ターンオーバーはわずか1という内容でした。これが今季20度目のダブルダブルで、29試合中20回という頻度になります。プラスマイナスはマイナス3でした。22点差で敗れたチームの中では、先発の中でも最も傷の浅い数字でした。19得点を挙げたライン・ハワードがマイナス22、ナズ・ヒルモンがマイナス18ですから、コート上で何が起きていたのかは想像がつきます。
試合そのものは、1Qこそ24対22とドリームがリードして入りました。壊れたのは2Qです。自チームが14得点に沈む間にエーシズには33点を許し、前半だけで17点のビハインドを背負いました。エーシズはジャッキー・ヤングが28得点11リバウンド10アシストのトリプルダブル、エイジャ・ウィルソンは11本中8本成功の23得点でプラスマイナスはプラス38を記録しました。この一戦でドリームは18勝11敗、エーシズは21勝9敗となっています。
7月に披露された人形、8月3日に届いた靴
「ベイユー・バービー」というニックネームは、リースがLSU時代に自ら名乗ったものです。WNBA入りしてからも呼び名として定着し、3年目の今季ついに公式のドールとして実物になりました。人形は7月のオールスターウィークエンドでお披露目され、彼女はその週末に3度目のオールスター出場も果たしています。そしてリーボックの新色が発売されたのが8月3日、つまりバービーナイト当日でした。人形と靴と試合を同じ一日に重ねる設計は、WNBA選手の商業展開としてかなり踏み込んだ部類に入ります。
「自分のバービー人形を持てるのは、私にとって本当に夢がかなった出来事です」とリースはマテルとの協業について語っています。
同じ相手との今季初対戦を思い出すと、対比はさらに鮮明です。5月17日のエーシズ戦、リースは9得点8リバウンドに加えてターンオーバー8という苦しい内容で、チームは85対84の1点差負けを喫していました。あれから2か月半で、同じ相手に23得点16リバウンドを返しています。今季通算では平均15.5得点11.5リバウンドです。数字の伸び方だけを見れば、3年目の歩みは順調そのものです。
「主役の夜」が勝敗に直結しない構造
ここからは筆者の見方です。リースが20回のダブルダブルを積んでもチームが22点差で負けるという現象は、彼女の責任というより、ドリームの得点源が外角の当たりに左右されやすいことの裏返しだと考えています。2Qの14得点は、インサイドでリースがオフェンスリバウンドを6本拾っても取り返せない性質の失速です。アリーシャ・グレイがこの日10本中2本、スリーは6本中0本だったことを思えば、外が沈黙した瞬間にオフェンスが単発化する弱点がそのまま出た形でしょう。
一方で、リース個人が積み上げている数字は、東カンファレンス首位争いに残るための最低条件をすでに満たしています。敗れる前まで18勝10敗で東の首位に立っていたチームが、ここから何を足すのでしょうか。ガード陣の日替わりの当たり外れを、どこまで仕組みで薄められるかが問われます。バービーナイトの派手さとは無関係に、そこが残り試合の焦点になりそうです。
次戦は日本時間8月6日、プラムのマーキュリーがアトランタへ
ドリームの次戦は、日本時間8月6日午前8時からホームでのフェニックス・マーキュリー戦です。トレード期限直前にロサンゼルス・スパークスから移籍したケルシー・プラムを擁するマーキュリーが、アトランタに乗り込んできます。その次は日本時間8月8日午前8時30分、アウェーでのワシントン・ミスティックス戦です。バービーナイトの余韻が残るうちに、ドリームは連戦で立て直しを迫られます。

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