WNBAで20歳が1試合31得点を挙げ、しかもフィールドゴールを20本中14本沈める──そんな数字が現実になったのが、日本時間8月6日にバークレイズ・センターで行われたリバティ対ストームの一戦でした。シアトル・ストームのドミニク・マロンガが、リーグ史上最年少で「30得点かつフィールドゴール成功率70%」を記録したのです。ところがチームは92-86で敗れ、連敗は10まで伸びました。個人の歴史的な夜と、チームの深い低迷。まったく質の違う2つの出来事が同じ試合の中に同居しているところに、いまのストームという球団のすべてが表れているように見えます。
20本中14本、第2クォーターだけで15得点
マロンガはこの試合で31得点10リバウンド3アシスト2スティール1ブロックを記録しました。フィールドゴールは20本中14本成功、成功率はちょうど70.0%です。ESPNによれば、30得点以上をフィールドゴール成功率70%以上で達成した選手としては、WNBA史上最年少になります。
爆発したのは第2クォーターでした。この10分間だけで15得点。3ポイントを沈め、ドライブでフィニッシュし、フェイダウェイまで決めています。前半終了間際の3ポイントで47-43と4点差に詰め寄ったのも彼女でした。センターというポジションの選手が、この年齢でこれだけの得点手段を持っていること自体がまず異常です。
一方でストームの他の選手は、アワ・ファムとジェイド・メルボルンの13得点が最高でした。31得点の次が13得点という得点分布が、そのままこの試合の苦しさを物語っています。
リバティは19勝13敗として直近7試合で6勝目。ブリアナ・ステュワートが28得点8リバウンド、ジョンケル・ジョーンズが14得点15リバウンド7アシスト2ブロックと、二人でインサイドを支配しました。前半2得点と静かだったサブリナ・イオネスクは、50-50の同点から始まった12-2のランで8得点を叩き込み、試合を決めにかかっています。第1クォーターだけで10得点を挙げたレベッカ・アレンの立ち上がりも効きました。
6月22日に続く、今季2度目の「史上最年少」
マロンガにとって30得点ゲームはこれが2度目です。1度目は6月22日のウィングス戦。112-110で敗れた延長戦の中、24本中14本成功でキャリア最多の37得点、さらに12リバウンド2ブロックを積み上げました。この試合で彼女はWNBA史上最年少の30得点到達者になっています。
つまり彼女は、わずか1か月半ほどの間に「最年少の30得点」と「最年少の30得点&FG成功率70%」という2つの記録を刻んだことになります。しかも1度目は37得点で24本中14本、2度目は31得点で20本中14本。同じ14本のシュート成功でも、試投数を4本減らして到達しているところに、この短期間での効率の伸びが出ています。
2005年11月16日、カメルーンのヤウンデ生まれ。フランス代表として2024年パリ五輪ではチーム最年少メンバーで銀メダルを獲得し、2025年のドラフトで全体2位指名を受けてストームに加入しました。2年目の今季は初のオールスター選出を果たし、オールスターゲームでは史上最年少のダンクも決めています。ダンク、37得点、そして70%の効率。20歳の1年でこれだけの見出しを作った選手は、リーグの歴史を見渡してもそう多くありません。
6勝27敗の中で伸びる才能を、どう評価すべきか
ただ、ストームの現実は厳しいものです。6勝27敗、10連敗中で、最後の勝利は7月6日まで遡ります。エジ・マグベゴアを先発に戻す布陣変更にも手応えはなく、リバティには月曜の95-83に続く連敗で2連戦をスイープされました。
ここで考えたいのは、この10連敗がマロンガにとって何を意味するのかという点です。勝てないチームのエースは、しばしば「数字は出るが勝ち方を知らない」という評価に晒されます。しかし逆に言えば、負けが込んだチームだからこそ与えられる出場時間とボールタッチが、20歳の成長速度を押し上げているのも間違いありません。31得点のうち15点を第2クォーターに集中させられたのは、彼女に思い切って託す以外の選択肢がストームになかったからでもあります。
今後ストームが補強で戦力を整えれば、マロンガ1人にかかる負担は確実に減ります。そのとき今季のような数字が並ぶかは分かりません。ただ「最年少で何かを達成する」という種類の記録は、若いうちにしか作れないものです。負けが続く夏に効率よく歴史を積み上げているいまの状況は、球団にとっては苦しくても、彼女個人のキャリアにとっては決して無駄な時間ではないはずです。
次戦とこれから
ストームは土曜にポートランドへ遠征し、リバティは日曜にホームでエーシズを迎えます。19勝13敗のリバティはプレーオフ争いの本番へ、6勝27敗のストームは来季を見据えた戦いへ。同じコートに立ちながら、2チームが見ている景色はまったく違います。
マロンガが次にどんな数字を出すのか、そしてストームがいつ連敗を止めるのか。8月のWNBAは、この2つの視点で追いかけると一段と面白くなりそうです。試合の詳細はAP通信のレポートでも確認できます。
引用:https://sports.mynorthwest.com/wnba/seattle-storm/ny-liberty-beat-seattle-storm-skid-10-games

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