「制限ゼロ」で自腹メルボルン入り──1年間コートを離れたベン・シモンズが豪州代表合宿へ、西地区の1球団はすでに招待状を出しています

 

まる1年、NBAのコートに姿を見せなかったベン・シモンズが動き出しました。オーストラリア代表の選手主導によるプライベート合宿が現地時間の月曜からメルボルンで始まり、シモンズは「制限ゼロ」のフル参加が見込まれています。アンドスケープのマーク・J・スピアーズが伝えたもので、しかもシモンズは自費でこの合宿に加わったとされています。招集されたから行くのではなく、自分で費用を払って行く。その一点だけで、今回の本気度がある程度は伝わってきます。

合宿の顔ぶれと、シモンズが置かれている現在地

この合宿にはシモンズのほか、ジョシュ・ギディー、ダイソン・ダニエルズ、ジョック・ランデール、パティ・ミルズといったオーストラリア代表の主力が参加するとESPNのオルガン・ウルーチが伝えています。現役NBA選手が並ぶ環境で、実戦強度のバスケットボールを制限なくこなせるかどうか。それがそのままシモンズの健康状態の答えになります。

シモンズは2025-26シーズンを1試合も戦っていません。最後にNBAのコートに立ったのは2024-25シーズン、ロサンゼルス・クリッパーズでのプレーでした。現在30歳、身長208センチ。シモンズをワークアウトで指導したコーチによれば、運動能力はすでに取り戻しているとのことです。長引く故障を治しきるために、あえて丸1シーズンを休養に充てたという説明になります。

そして市場の反応も出始めています。複数のNBAチームが関心を示しており、そのうち西カンファレンスの1球団からはトレーニングキャンプへの招待が提示されているとされます。シモンズ側もベテランミニマム契約に前向きだと伝えられており、金額ではなく機会を取りにいく姿勢がはっきりしています。

全体1位指名から新人王、そして長い停滞まで

キャリアを振り返ると、その落差の大きさに改めて驚かされます。2016年のドラフト全体1位指名、2017-18シーズンの新人王、3度のオールスター選出、オールNBAチーム入り、オールディフェンシブチームには2度選ばれました。ディフェンスとトランジションにおける影響力は、全盛期のリーグでも屈指の水準でした。

そこから歯車が狂ったのは、フィラデルフィア・76ers時代です。ジョエル・エンビードと組んだコンビは有力視されながら、2021-22シーズンに球団との関係が決裂し、シモンズはブルックリン・ネッツへ移籍しました。以降は背中の故障が長く重くのしかかり、さらに本人のメンタルヘルスの問題も報じられ、本来のパフォーマンスを取り戻せないままキャリアが進んでいきました。人によっては「失敗」と切り捨てるかもしれませんが、故障と心身のコンディションという2つの重荷を同時に背負ったキャリアを、単純な物差しで評価するのは違うと考えています。

付け加えると、シモンズはオーストラリアのシニア代表、いわゆるブーマーズとして国際大会に出場した経験がまだありません。今回の合宿は、代表デビューに向けた第一歩でもあります。

2028年ロサンゼルス五輪という、逆算された目標

シモンズは2028年のロサンゼルスオリンピックでブーマーズの一員としてプレーすることを目標に掲げています。ここから逆算すると、今回の合宿の位置づけがよく見えてきます。2028年に代表入りするためには、それまでにNBAで一定の出場時間を確保して評価を戻す必要があります。つまり2026-27シーズンの契約は、単なる復帰ではなく五輪への通過点ということになります。

現実的な道筋としては、キャンプ招待から非保証契約でロースター入りし、シーズン中に保証を勝ち取る流れでしょう。30歳という年齢とアウトサイドシュートの課題は依然として残りますが、208センチでボールを運べてスイッチディフェンスをこなせる選手は、いまのNBAでも十分に価値があります。特にプレーオフを見据えるチームにとって、ミニマム契約でその機能が手に入るならリスクはほとんどありません。西カンファレンスの球団が早々に動いたのは、そういう計算だと見ています。

逆に言えば、この合宿でコンディションに疑問符が付けば、話は一気にしぼみます。「制限ゼロ」という言葉が本当にその通りだったのかどうか。ここ数日のメルボルンからの情報が、シモンズの今後を大きく左右します。

今後の日程と注目ポイント

NBAのトレーニングキャンプは例年9月末から10月頭にかけて始まります。逆算すると、シモンズに残された時間は1か月半ほどです。合宿での動きが評価されれば、8月中に契約が動く可能性も十分にあります。オーストラリア代表の主力が集まる場である以上、各球団のスカウトが情報を集めていることも間違いありません。続報はESPNの記事で確認できます。

引用:https://www.espn.com/olympics/basketball/story/_/id/49572286/ben-simmons-participate-minicamp-australia-men-basketball-team

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