ディジョナイ・キャリントン

2日前はWNBA史上初の記録、この夜は9本中1本──キャリントンが第3クォーターにテクニカル、退場から2試合で訪れた落差

 

現地時間8月12日、サンフランシスコのチェイス・センターで行われたシカゴ・スカイ対ゴールデンステート・ヴァルキリーズで、スカイのディジョナイ・キャリントンがまたしても笛の中心に立ちました。第3クォーター残り1分26秒、ドライブからのレイアップを外した直後にファウルがなかったことへ抗議し、テクニカルファウルを宣告されています。8月8日のインディアナ・フィーバー戦でフレグラント2による退場処分を受けてから、まだ2試合しか経っていないタイミングでした。正直な第一印象を書くなら、プレーそのものより審判との関係が語られる時間が長くなりすぎている、というものです。

9本中1本で3得点、20点差の敗戦で目立ったのは笛でした

試合はヴァルキリーズが91対71で快勝し、これで5連勝、直近16試合で14勝目としました。24勝9敗となったゴールデンステートは、今週中にもプレーオフ進出を決められる位置にいます。カイア・ストークスが脳震盪プロトコル、ジャネル・サラウンが右膝の張りで欠場という台所事情の中、ティファニー・ヘイズがベンチから今季最多の22得点に6リバウンド5アシストをマークしました。チームは球団記録となる16スティールを記録し、そのうち3本はヘイズによるものです。ヴェロニカ・バートンが13得点6リバウンド、カイラ・チャールズがベンチから15得点5リバウンド、ギャビー・ウィリアムズが13得点と続きました。

一方のスカイは、カミラ・カルドーゾが13本中7本成功の20得点で気を吐いたものの、直近5試合で4敗目を喫しています。立ち上がりに3本連続で決めたコートニー・バンダースルートはその後得点が止まり6得点、レイチェル・バンハムがベンチから11得点4リバウンドでした。そしてキャリントンは、フィールドゴール9本中1本の3得点。退場処分を受けてから2試合目のロードゲームで、スタッツシートに残ったのはこの数字と、第3クォーターのテクニカルファウルでした(AP通信の試合詳報:https://apnews.com/article/sky-valkyries-score-03860d5bc119b4c16c1cf342935023ed)。

2日前には、リーグ史上誰も残していない一行を刻んでいます

見逃してはいけないのは、その2日前に何が起きていたかです。8月10日、シアトルのクライメット・プレッジ・アリーナでの一戦で、キャリントンはキャリアハイの26得点に6リバウンド5スティールを記録し、フリースロー10本をすべて沈めました。この10本成功もキャリア最多です。スカイ公式(https://sky.wnba.com/news/recap-sky-erase-two-double-digit-deficits-ultimately-fall-to-seattle-97-88)によれば、ベンチスタートの選手がこのスタッツラインを残したのはリーグ史上初めてでした。試合は97対88でストームが勝ち、11連敗を止めています。ドミニク・マロンガの26得点10リバウンド3ブロック、ナティーシャ・ハイダマンの18得点9アシストの前にスカイは屈しましたが、キャリントンの内容は間違いなくその夜のハイライトでした。

そこから48時間で、9本中1本の3得点とテクニカルファウルへ。振れ幅の大きさがそのまま今のキャリントンを象徴しています。今季は足の負傷から復帰してベンチ起用が続いており、出場時間もプレーの役割も固まりきっていません。8日のフィーバー戦ではカニンガムへのハードファウルでフレグラント2を取られて退場となり、その後ロッカールームからSNSに「WHITE PRIVILEGE(白人特権)」と投稿してフィーバーをタグ付けし、大きな論争を呼びました。本人はのちに、フレグラント2の判定そのものを白人特権のせいだと言ったわけではないと説明しています。

「笛の人」になる前に、必要なのは静かな数試合です

ここからは筆者の見立てです。この5日間でキャリントンが手にしたものと失ったものは、どちらも一過性の出来事ではありません。26得点の夜が示したのは、彼女がまだリーグで最も試合の流れを変えられるベンチプレーヤーの一人だという事実です。一方でヴァルキリーズ戦のテクニカルは、判定への不満が試合ごとの記録として積み上がっていくことを意味します。フレグラント2からわずか2試合という間隔は、審判団の心証という意味でも軽くありません。

12勝22敗のスカイにとって、キャリントンは残りの試合で最も価値を上げられる選手でもあります。2024年に最優秀成長選手賞を受けた実績があり、ディフェンスからペースを作れる数少ない駒です。だからこそ、笛への抗議で3クォーター終盤を失うのは損失が大きすぎます。ロードでの連戦、負傷者の多い相手、20点差という展開──気持ちが荒れる材料は揃っていました。それでも、次の数試合を「何も起きなかった」で終えられるかどうかが、シーズン終盤の評価を分けると見ています。

次の試合と観戦情報です

スカイは日曜にシアトルへ乗り込み、そのあとシカゴでの3連戦のホームスタンドに入ります。ヴァルキリーズは月曜夜にダラス・ウィングスを迎え、プレーオフ進出決定が近づいています。日本からはWNBAリーグパスなどでの視聴が中心になりますが、キャリントンがこの流れをどう断ち切るのか、シアトル戦は見どころの多い一戦になりそうです。

引用:https://www.hitc.com/dijonai-carrington-in-more-trouble-with-wnba-refs-days-after-sophie-cunningham-controversy/

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